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第25話
それからは2人で受験対策として勉強をする事も増えた
両親に話せば驚いていたが、それならと一緒にオープンキャンパスに行く事にもなった
1人だと思っていたものが、楓と一緒だという事でやる気も前より上がり抱えていた不安も消え去る
「本当に楓と友達でよかった、、、」
いつもの様に楓の家で教科書を広げていた時にふとそう思った
すると「えっ?」なんて声が聞こえて顔を上げれば驚いた顔をした楓と目が合った
「どうしたの?」
「いや、どうしたのって、、、お前が急にあんな事言うから、、、」
その言葉に今度は俺が「えっ?」なんて間抜けな声を出すことになって
「えっ?て、お前今自分が何て言ったのか分かってないのか?」
「なんて言ったかって、、、もしかして声に出てた?」
「あぁ、はっきり言ってたぞ」
「マジか、、、まぁほんとの事だしいいや」
「あっ、そう、、、」
「なんだよその反応、、、楓は?」
「何が?」
「この流れで何となく分かるだろ」
「いや、分かんねーな、、、」
「おまえ、、、」
「お前が睨んできても怖くねーよ」
なんて笑いながら言う姿に少しムッとするけど「俺だってお前と過ごせて嬉しいよ。」なんて言葉が聞こえてきて驚く
「なんて顔してんだよ、お前が言ってきたんだろ。」
「そーだけど、、、まさか言ってくれるとは思わなかった、、、」
「何だよそれ。」なんて言いながら笑い合うこの時間が今の俺にはたまらなく心地が良かった
それからもはるにぃとの距離感を保ちつつ過ごしていれば、碧さんも気が済んだのか家の近くで見かけることもだんだんと減っていった事でホッと胸を撫で下ろした
季節はあっという間に過ぎていき俺達もついに3年生となった
休みを利用して楓と行ったオープンキャンパスでは綺麗な校舎に、通う学生も何だか生き生きとしていて魅力的だった
実際に行ったことで、より一層受験に向けて力が入り成績もお互い順調に上げていき、後は試験の時に力を発揮するだけという所まで仕上げていたそんなある日だった
たまたま楓が予定があり、いつもより早く帰った時、家の前ではるにぃとばったり会った
家族同士で会う事は何度か会っても、周りに誰もいない2人だけなのはあの夜以来だった
「元気?」遠慮がちにそう聞かれる問いに「元気だよ。」そう短く返せば、グッと何かを堪えるような表情を見せる
これ以上この場にいたらいけない....頭ではそう思うのに何故か足が動かなくて、、、
「受験は?大丈夫そう?」
「、、、うん。」
「そっか、、、応援してるよ。」
「ありがとう。」
「ねぇなお「ごめん。受験勉強で少し疲れたからもういくね、、、」
このまま会話を続けたらせっかくここまで保てた距離がまた一気に近付きそうで焦った俺は、はるにぃの言葉を遮って慌てて家の中へ入った
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