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不躾な来訪者

「んっ……ぅあ……」  身体をビクつかせ始めるナオトはそろそろ絶頂も近そうだ。ナオトの中もうねり始め、それが叶真の快感を高めていく。  そろそろ一度ナオトをイかせるか、と叶真が考え始めた時、背後から何者かが近づく気配を感じた。何も知らない一般人ならば面倒だなと思ったが、その人物は特に驚くこともなく叶真達を見物するように立っている。  見物客か、と叶真は安堵する。こういうのもよくあることだった。掲示板を見たほかの男があわよくば混ざろうとやってくるのだ。複数人でプレイすることに抵抗のない叶真はそうして何度か乱交したことがある。後から来る相手を混ぜるかはその場を支配する叶真次第だ。  叶真はナオトを揺さぶりながら、ちらりと背後に視線を投げる。どんな男がこちらを伺っているのか気になった。そして男の姿が目に入ると叶真は心の中で悪態をつく。  背後にいる男はどう見てもタチだ。身長はそれほど叶真と変わりなかったが、肩幅や胸板といった部分は叶真よりも逞しくそれがとても気に障る。年齢は大学生の叶真よりも少し上に見えたが、年齢以上に男の色香が香り立った。  何よりも特筆すべきは男の射抜くような瞳だ。真っ直ぐな男の瞳は堂々とした威厳が滲み出ており、王者の風格すらあるように感じる。叶真自身、肉食系だと自負していたが男の前だとそれも霞んでしまいそうだ。男が肉食動物の王者であるライオンだとするならば、叶真はその周りをうろつくハイエナのようなものだとさえ思える。  男としての完全敗北。それをひしひしと感じた叶真は少し苛立ちながらナオトを突き上げた。  男が叶真と同じタチならば目当てはナオトだ。あの男を交えて乱交するような気は毛頭ない。素直に負けを認めるのは悔しくはあったが、大人しくナオトを譲るつもりだ。  肉壁を抉るようにナオトを突き上げると、ナオトは震えながら壁に精を撒き散らした。達したことでナオトの中が痙攣し、叶真の精を絞りとろうとするように蠢く。その瞬間に叶真も限界を向かえ、身震いをしながら熱い欲望を吐き出した。  終わったとばかりにナオトからペニスを引き抜いた叶真は白濁した液体のたまるゴムを手早く処理すると、何事もなかったかのように身なりを整える。  急にやる気のなくなった叶真をナオトは不思議そうに見ていたが、叶真の後ろに立つ男に気が付くと途端にその男に色目を使い始めた。それに妙に腹が立ち、叶真は男を睨みつけながらその場を後にしようとする。だがそれは男によって阻まれた。

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