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敗者に容赦しない系男子
「2位…っ!」
今回の魔物討伐はめちゃくちゃ頑張ったのに!!
どうして1位じゃないんだ…。成績と見合った褒賞の引き換え券が綴ってある紙をぷるぷるしながら握る。
手汗でインクが滲みそうだが構ってられなかった。
た、大変だ…。
「おい…おい…パデュノ…」
来たぁっ。
「おい、聞いてんのか」
「き…聞こえてますけどぉ?」
錆びたネジみたいにキギギと音がしそうなほどぎこちなく振り返る。
声の主を確認する前に目の前が象牙色一色になる。声の主なんて一人しかしないのだが。
「おら」
ずいっと目の前に差し出されたのは、成績表。
「う…」
”ペルシアンヌス、1位”
「うそだ…」
「ああ?」
「今度こそバフをうまく使えたと思ったのに…あれだけ練習したのに…」
「ふーん、ま、なんでもいい、とにかく|約束《・・》は守れよな」
居丈高に言い放つペルシアンヌスの態度を腹立たしく思っているのに、言い返す言葉はなかった。
パデュノは、町一番の戦士だった。パデュノが生まれ育った町は、魔物に襲われた。魔物に襲われた村や町に人は住めない。魔物の縄張りになるからだ。魔物の縄張りで生活なんてできない。生き残った町の人たちはみな散り散りになってしまった。
パデュノは魔物を前に全くの役立たずだったのだ。戦士として経験が浅かったこともある。町にパデュノ以外の戦士がいなかったことも不幸だった。あれからもう何年も経って、パデュノも立派な戦士として首都で名を上げていた。
ペルシアンヌスが来るまでは…。
ペルシアンヌスの拠点は、大きな洞窟の中だ。
手前は広く、そこで寝泊まりをしている。奥は迷路のようになっていて、一度入ったら外には安易には出られない造りだ。複雑な構造だが、持ち主のペルシアンヌスだけはすべて把握していた。
岩肌に不似合いなくらい清潔なベッドに清潔なシーツ。褒賞金を荒稼ぎしているだけあって、中は快適だ。
毎回毎回毎回パデュノが勝負に負けるので、馴染みみたいになっているが、決してそんなことは望んでいない。ふかふかのベッドにしろだとか、シーツは常に清潔でいろとか小姑みたいなことを言っていたとしてもだ。
パデュノが勝てば、ペルシアンヌスは都での登録を取り下げ、田舎町で細々討伐をする。
ペルシアンヌスが勝てば、ペルシアンヌスのありあまる性欲の処理をする。ペルシアンヌスは討伐後、女を数人抱いただけでは治まりがつかない。性欲バカなのだ。ペルシアンヌス一人で娼館の機能を麻痺させるほどなので、最近都の娼館では、ペルシアンヌスが来たら一日5人まで!と書面契約させられるらしい。なのでいつも欲求不満なのだ。そこへパデュノがライバルとして突っかかってきたのだ。ペルシアンヌスにすれば、パデュノが敵対視してくるのが理解できない。魔物なんて掃いて捨てるほどいる。褒賞金支払いの関係で、期間は30日ごとに区切られるが、好きに討伐すればいい。しかし、よく見ると、パデュノという男は、顔はまあ福笑いが成功している部類に入るくらいには整っている。ペルシアンヌスよりは少し小柄だが、なにより同じ戦士。娼館の女たちに比べたら遥かに頑丈そうだ。「ちょうどいいな、尻貸せよ」とは実際に言ったことだ。パデュノは怒り狂って「絶対にぎゃふんと言わせてやるからな!」と叫び、手袋を投げつけたが、実際は…。
パデュノはシーツの上に放り投げられてバウンドした。
「ちょっ…乱暴にするのはやめろ」
「おら、服を脱げ」
「うー…」
話を聞かないペルシアンヌスに威嚇するも、大柄な男は気にした様子もなく、パデュノに手を伸ばす。
ビリッ。
「あ、あーーそれ俺のズボン!」
「ウスノロしてるのが悪い」
「ばかっ、お前が縛るから両手が使えないんだよ!」
「ぎゃあぎゃあうるせぇなぁ…」
ペルシアンヌスは上服もビリッビリに破いて、あっという間にパデュノを全裸にしてしまった。
「ばかっ!怪力ばかっ!帰りどーすんだよ!」
「服くらい何着でも買ってやる」
「この成金っ…!!」
「悔しかったら褒賞金1位獲ってみな」
「くそぉ…っ!」
ペルシアンヌスがポケットを探り、小さな小瓶を取り出す。指一本程度の高さと太さをしており、透明な小瓶の中身を見たパデュノが青ざめる。気づいたペルシアンヌスが小瓶をパデュノの目の前で軽く振ってみせた。
「お前専用の淫蟲」
「それやめて!」
「お前の穴は狭い、解さないと血を見ることになるからな」
「ゆ、指でして」
「かわいいこと言うじゃねぇか、いつもそうしてたらいいのにな」
「手、解いてくれたら自分でするから…」
「まっ、遠慮するな」
ペルシアンヌスが淫蟲の入った小瓶の栓を抜く。出口を求めてうねる蟲にパデュノは前進の毛穴が開いたような気がした。
淫蟲は娼館では一人に一匹支給されている生き物だ。頭は丸く尖り、体は細くうねり、まるで小さな蝮のようだが、目は無く、体は見えない毛細管で覆われている。瓶の中は乾燥しているから、指一本程もない小さな蟲だが、本来は湿潤とした環境を好み好適環境下では、倍ほどの大きさになり、水分を吸って粘液を出す。人間の体は外側は乾燥しているが、内側は湿潤だ。吐き出す粘液は人間に強い催淫作用を与え、副作用もないので重宝されていた。しかし、一般に出回ることはない蟲だ。都で管理され、娼館など仕事での使用のみ許されているはずだが、ペルシアンヌスはどこでどう入手したのか…行きつけの娼館がありすぎて特定はできないが、所持していた淫蟲をあろうことかパデュノ専用とした。いつかペルシアンヌスに淫蟲を横流しをした罪深き娼館を叩き潰してやらないと気がすまない。
パデュノは怖気づいて足をバタつかせ、「初めてでもねぇのに雰囲気出すなよ」とペルシアンヌスは軽口を叩きながらいやらしく笑い、パデュノの脚力を難なく押えつけた。
「処女も色狂いにする娼館御用達の、副作用もない安全安心な淫蟲だろ?」
この男、ぎゃふんと言わせるだけじゃ絶対許さない…!
頭の中ではペルシアンヌスがあらゆる惨めな姿で天に召されていくが、それも、淫蟲がポトリと内股に落とされるまでだった。
「ぎゃーーー!」
「色気ねえなぁ…」
耳を押えてのんきなことを言う大男には殺意しか起きないが、今のパデュノはそれどころではない。進退窮まるとはこのこと。断崖絶壁の絶対絶命だ。
淫蟲の実力を嫌というほど覚え込まされている。この先どうなるのかもわかっている。もう絶望しかない。
淫蟲は湿潤地を求めてうねり移動し、ペルシアンヌスはパデュノの尻の肉を開いて誘導する。
「わあっ!…っあ、いや、これ…っ、ペルシアンヌスこれ取ってくれ!頼むから………っ!」
パデュノの尻の奥の奥へと繋がる窄まりを難なく探りあてた淫蟲は、頭を軽く振って狙いを定めて尖った頭の先を潜り込ませた。さらにそこが求めていた環境だと理解した蟲はもう止まらなかった。
「あっ!……っううっ……っん……っ…あ」
淫蟲の毛細管が蠢いてパデュノの内側を移動する。体内の水分を吸いながら粘液を出す。もぞりと小さな蟲が動くたび、異物感に神経を撫でられるような不快さしかなかったものが、じわじわと別の感覚を連れてくる。
「っあぁ…っ、…あっ…んっ」
「…馴染んできたんじゃねぇか?」
パデュノの変化を感じ取り、ペルシアンヌスがズボンを寛げる。
蟲の蠢きにあわせて、ゾワゾワと腹の裏側が波のように震える。我慢できず、腰が震える。
「も、これ…っん、…ダメ…っ」
「なにがダメなんだよ」
「あ…っだって、これ、っ…中で動ぃ…っ!…あああぁ…も、おっきくなっ…んんぁあ!」
「気持ちよくて何よりだろ?」
そう言ってペルシアンヌスは、パデュノが美味しくなるまでの間、買ってきた葡萄酒と干し肉、木の実などを食べ始めた。
もう誰かコイツの息の根を止めて。
パデュノはもう腰から下がどうなっているのかわからなかった。意志に反して跳ねる腹の中では、蠢く淫蟲が常に粘膜を出して更に快適な環境を作り出そうとしている。蟲の粘膜にヒタヒタに浸されたパデュノの淫道は、もはや息をするだけの刺激にも反応するほど敏感になってしまっていた。
ペルシアンヌスのズボンを押し上げるものが目に入る。布越しでも大きくて、先の括れや形がはっきりとわかる。
何度も犯されたことのあるペルシアンヌスのペニスだ。
パデュノは知らず、淫蟲を締め付けていた。急に狭くなった中で淫らな蟲は毛細管の一本一本を複雑に蠢かせ、目の前の襞を引っ掻き、中の最も敏感なしこりを容赦なくぐちゃぐちゃに踏み荒らして、パデュノを泣かせた。もうこんな得体の知れない蟲よりは、憎い相手でも生身の人間のペニスで貫かれる方がマシだ。
なにより早く終わらせたい。
「ペルシィ…あぁ!お願い、もぉ|挿入《い》れて!ペルシアンヌスのを挿入れてぇ!」
もぉ蟲は嫌ぁ…と憐れを誘う細い声が洞窟内に響く。
パデュノの痴態を酒の肴にしていたペルシアンヌスが、ベッドに腰を下ろした。
「どこに挿入れて欲しいんだ?よぉく見せてみろ」
身も世もなく、淫蟲に犯されて蜜の滴る熟れた果実のように柔らかく濡れ光った場所を、大きく足を広げた。両手が使えないのがもどかしく感じながら、腰を高く突き上げてペルシアンヌスに見えやすいようにする。
ペルシアンヌスが舌舐めずりをしたのがわかる。もとより性欲バカだ。ペルシアンヌスもパデュノの浅ましく淫らな姿を見て興奮していた。もうやっとこの存在が気持ち悪くて、トロトロにされたお尻の内側とお腹の裏側の収縮が気持ち良くて止まらなくなる、悪魔みたいな蟲から解放されると思った。
潤んだ目で懇願する。
「ペ…ペルシアンヌス…ペルシ…」
「ほら、じゃあ先にこっちだ」
ペルシアンヌスはパデュノの手首はあろうかというほど太く、凶器のように重く鎌首をもたげたペニスを取り出した。焦点が合わないほど近く眼前に晒され、鼓動に合わせて息づくそれは、噎せ返るほど雄の性を凝縮させた匂いを放ち、パデュノの鼻孔を犯した。
「口を開けな」
鈴口がパデュノの唇を捲る。
「蟲は…?…っん、はぁ…っあ…っ」
「先にこいつをお前のかわいー口で育ててくれ」
「こ、…のまま…っ、おっ、き、いから…も、挿入いるからぁ…ぅむぅ!」
「あー…やべぇ」
パデュノの懇願は聞き入れられず、大きなものが口の中に挿入れられた。寝転がるパデュノの頭を跨いで、口が強大なもので塞がれる。
吐き出すこともできないまま、ペルシアンヌスのペニスを咥え込むことになったが、大きすぎて顎が外れそうだ。
「んんっ…!っぷ、ぁぅんんんんん…っ!」
「…なんだよ」
「ばかっ…ゴホッ…ぁ顎が外れるだろ!」
ゴホゴホ咳をしながら文句をいうが、当のペルシアンヌスはパデュノの頬に擦付けており、顔にはめんどくさいと書いてあった。
「しゃあねぇな…ほら」
寝転がったペルシアンヌスにお尻を向けて腹ばいで跨ぐようにされて、見上げるほどそそり勃ち、黒くて血管の浮き出た凶器に舌を付ける。まずいが、ペルシアンヌスを満足させないと蟲を出してもらえない。パデュノは必に舌を使った。
「うわーえげつねえ、いつ見ても」
晒している蟲姦ショーを間近で見ながらペルシアンヌスが唯一の観客として、感心したように言う。
「誰のせいで…っ!!」
「これが戦士の尻穴かよ?」
「はぅっぅ…」
淫蟲の粘膜とパデュノの淫液が混ざった粘液でトロトロの秘肉はペルシアンヌスの太い指を滑るように受け入れた。グチュリと聞くに耐えない音がする。
指は巧みで、淫蟲と共闘してパデュノのしこりを引っ掻き押しつぶす。パデュノは引き攣れた声を出したが、さらにペルシアンヌスを調子づかせただけだった。指はさらに奥へと進み、これ以上無いというほど根元まで咥えこまされていた。舌に感じるペルシアンヌスはこれ以上ないほど硬く脈打ち、興奮を伝えてくる。
「ああっ…ん、もうっ抜い、てっ、蟲抜いて…ペルシィ…っ!!」
「いいぜ」
「ああああぁ…っ」
グチグチ中を弄っていた指が蟲を捉えて引き出そうとするが、蟲は意に反して抵抗し、パデュノのなかから出ようとしなかった。ペルシアンヌスの指が暴れて、蟲がうねって引っ掻き、グチャァ…と淫蟲が取り払われた時、パデュノの孔は、蜜が溢れて小刻みに震えていた。パデュノはもう息も絶え絶えの状態だった。後ろは何度極めたかわからない。前は触らずとも硬く勃ちあがりぬらついていたが、一度も精は出なかった。
ペルシアンヌスがパデュノの手を解く。パデュノに逃げる選択肢はない。頭は霞んでどこか遠くに感じているのに、勝手に収縮する泥濘みと、出したくても出せなかった精がもたらすもどかしさだけはリアルだった。
でももうイける体力は残っていない。
「も、…も、むり…」
「冗談だろ?」
ペルシアンヌスは、パデュノの弱音を鼻で嗤い、足を開かせて腕を回し抱き上げた。
「ぅあっ…!」
「お前は落ちないよう、おとなしくしてりゃいい」
殊勝なことを言いながらペルシアンヌスが立ち上がる。パデュノはバランスを取るため、咄嗟に太い首にしがみついた。同時に開かれた泥濘みに熱を感じて…。
「え…うそだ、…ゃ…ぁ、……」
あっと思った時には既に淫道は拓かれ、自重が悦いところを押しつぶし、パデュノは声もなくペルシアンヌスの腹まで温かく濡らしていた。太くて鋭いものが刺さっているのに重みで抜けない。もう目の前がまっしろだった。
「はは、前も触らずイケるようになったのかよ?」
からかう声を聞きながら、しがみついた腕が力を無くし、出したくて出せなかったものを呆気なく放っても、頭がついていかないまま体だけが気持ちよさにガクガクと震える。
ペルシアンヌスはパデュノの膝下から力の抜けた手を取って抱え直す。繋がっているところだけが二人の接点だ。もうペルシアンヌスの思うままだった。腰を入れると、パデュノの体が弾む。ぐちゃぐちゃだ。
「…ぁ…ぁぁん…んっ……んっ……っ……んんんっ…は……ぁ」
お腹の奥が熱く濡らされた感覚で、ペルシアンヌスがイったことがわかるが、全然萎えない。娼館から警戒されている性欲は、こんなものでは満足しない。
パデュノの声がかすれて、頭が落ちるまで延々と続けられた。
ベッドに体を放り投げられても、頭では逃げたほうが良いとわかっていたが、体がいうことを聞かなかった。
しかし、ペルシアンヌスは何度放ったかわからない性液で泡立つ場所に指を付き入れて撹拌しながら、数回吐き出しただけでは萎える気配がないものを自分で扱いていた。パデュノは、また湧き上がってくる絶頂の予感に、泣きながら懇願する。
「ああぁぁ…んぁぁ…ん…も…やめて……うぁあ…ぁん…っ…!」
「これ、まだ奥に挿入いるな?」
「…ぁっ…?」
何が?と間抜けなことはさすがに言わなかった。
「ぐちゃぐちゃでドロドロに柔らかく吸い付いてきたぜ。…すごいな?パデュノ…」
うつ伏せにされて片足を上げられた。足の間にペルシアンヌスが陣取る。
指で敏感にされたところにまたも切っ先が充てがわれる。ゆっくりと水音を立て、奥へ引き入れるようにして泥濘みが波打ったのがわかり、パデュノは、快感だけではない、羞恥で身悶えた。
「ほら、この奥」
ペルシアンヌスがパデュノの尾骶骨の上の辺りをコツコツと突く。
この先に?ここで終わりじゃないの?
パデュノの声なき疑問は、すぐに答えが返ってきた。
ペルシアンヌスがパデュノの腰を掴んで狙いを定めてくる。
「お前のここに…、もう一つ入口があるんだよ」
「えぁ?」
入口からの入口?意味が分からず内容が入ってこない。
しかし、ペルシアンヌスはそれ以上は言わず、角度を変えて勢いよく付き入れてきた。
「んお…っ…あ…?」
「よし、入った…あー…めちゃめちゃ吸い付いてくる…」
「ああ…っあー…、ぁ…はっ…ぁ…あぁ…はぅ……ん…ぁ」
口からペルシアンヌスのペニスが出てくるのではというほどに深く貫かれ、もう気持ちがいいのかすらわからなかった。ただ目の奥ではパチパチパチと火花が散って、前からはとめどなく白濁としたものが溢れ、それがだんだん薄くなっても止まらなかった。
「あーあ、飛んでやがる」
それでもペルシアンヌスは絶妙に亀頭を締め付けてくる感覚を気に入って、何度も奥の入口を出たり入ったり、揺らして拡げるように動いた。
しかし、数回吐き出した頃にはさすがに飽きてしまい、パデュノの筋肉が張り詰めた、今は柔らかい腹をぐっと押した。
「ぐぁ…ぁ!」
「おら、起きろ」
「なに…、んっあぁぁ…っ、や、」
ペルシアンヌスがパデュノの腹に指をめり込ませて、肉越しに中に挿し込んでいるペニスを掴んで腰を動かしてくる。
パデュノの息をするだけで感じるようになってしまったしこりは、重く潰されて形を変えていた。
そのまま腰を高く上げさせられ、さらに動きが早くなる。
「もぅ、っうん!…もっ、…やだぁ…っ!」
与えられる快感を快感として処理できなくなっているのに、絶頂感だけはちゃんとあって、もう怖いほどだった。
し、死ぬ…、殺される…。
涙と鼻水でべしょべしょになって喘ぐパデュノの姿は、ペルシアンヌスの支配欲と庇護欲と苛虐心を満たした。大きな水音を立てながら、抉るように腰を動かせる。ペルシアンヌスももう終わりが近い。
「あぁっん!も、っや!」
「おら、じゃあ絞めてみろっ」
「絞めてる…っ…んっ…ぅんっ…」
「ユルユルじゃねーか、おらっ」
「ああっ!痛いっ!」
怪力のペルシアンヌスにお尻を叩かれて、パデュノが大声で叫ぶ。
「お、やればできるじゃねぇか」
パンッ、パンッという音に合わせて、パデュノの尻肉が波紋を生む。
最初の一発こそ痛くて涙でが出そうなほどだったが、二発目からは手加減をされているのか…それでも痛いが、痛みと気持ちいいのを同時に覚え込まされた。弱くなっていた快感が痛いほど鮮明に戻ってきて、脳が焼き切れそうだった。
力を入れると奥の奥に居座るペルシアンヌスの存在を感じてすぐに力が抜ける。また叩かれて…、それの繰り返しだった。
「あああっ!」
「やればできるじゃねぇか、え、パデュノ」
「ぅあっ、…あ…」
もう出ないのに、射精感だけあって、辛い。
もう感じたくないとくぐもった声はシーツに吸い込まれていく。
その時、パデュノのなかから、疼痛にも似た痛みが体を突き抜けた。痛みは一瞬で、その後には射精とも排泄とも違う何かが突き上がってくる感じがして、慌ててペルシアンヌスの手を掴む。
「っあ!…だめ!」
「なんだよ」
赤くなった尻を撫でていたペルシアンヌスは、邪魔をされてつまらなさそうに聞き返す。
何って、何かは分からないけれど、なにかが迫り上がって来るような感覚が急速に高まってきて、なにか危険な感じで。
「もう…っ!離せって…っあ、んんっ、な、なん、か来るからぁ…!」
離せと言われて素直に離すペルシアンヌスではない。
パデュノの腰を指が食い込むほど掴んで引き寄せる。更に腰を進めて、結腸の壁に熱り立ったペニスをめいっぱい擦り付けながら、パデュノの手を引き、股の上に座らせた。急に内の角度が変わり、パデュノの腹が突き上げで膨らむほどの蹂躙を受けて、なにかが決壊した。
「あああぁーー………っ!」
「おお…すげ」
「………ぁ…」
透明でさらさらした液体が放物線を描く。
シーツに濃い染みができる。
「お前…ははっ、…前も触ってねぇのに、潮吹いてんじゃねぇか…ほらっ」
「あっ!」
ペルシアンヌスの動きに会わせてぷしゅっと透明な水が吹き出る。
「パデュノ…、これ、気持ちいいな?」
「ぁっ、も…ペルシ…んっ…っいいっ…いいからぁ…も、やぁ…っ」
パデュノの声は届かず、ペルシアンヌスは新しいおもちゃを見つけたかのように気の済むまで潮を吹かせて愉しみ、やっと満足したのだった。
「てめーこの性欲ばかっ」
「あ?お前も愉しんでたろ?」
「死にそーだったわ!」
優秀なヒーラー系戦士であるところのパデュノは、一晩寝て起きたらすっかり疲れも取れて、クリアな頭になったところで怒りが再燃し、張本人にキレ散らかしていた。
「勝負に負けたんだから、ゴタゴタ言うな。それより、あの乱れっぷりは戦士としてちょっとやべーんじゃねぇの?」
「ゔ…っ」
鼻水垂らして泣いた記憶のあるパデュノには心当たりがありすぎて痛い言葉だ。
おかしい、ぎゃふんと言わせるつもりが…。
「戦士なんかやめて、俺のオンナにしてやろーか?」
「はぁーーー?!寝言は寝てから言え!お前…覚えとけよ!!!」
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