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 垂れ下がった黒髪を一房つまむ。キューティクルのない少し痛んだ髪。 「手触り悪いでしょ」 「んー…役者魂を感じる」 「ふっ、なにそれ」  麻耶の柔らかい太腿と腹に顔を埋めると、麻耶は頭を優しく撫でてくれる。 「前も思ったけど、レイ君って意外と甘えんぼだよね」  ベッドボードに置いてあったiQOSを吸いながら片手間で撫でられるだけでもなんだか満たされた気持ちになって、細い腰に腕を回した。 「あったけー…」  女はみんな白くて細くて小さいのに、こうして触れ合うと大きく包み込んでくれるような安心感がある。 「…レイ君って女遊び激しいのに撮られないよね。事務所の対策が徹底してるの?」  ふと、疑問に思ったように問う麻耶の言葉に顔を埋めたまま答える。 「はる…マネージャーがよくわかんねーけどぶっといパイプ持ってるっぽくて撮られても潰してくれんの」 「え?マネージャーってあの綺麗な…」 「そー。今までやべーの何回かあったけど全部はるが潰してくれた」 「…そうなんだ」  麻耶の釈然としないような返事を聞き流しながら、それよりももっかい、と腰を引いて押し倒す。  ちぅ、と唇を重ねるたびに深くなるキスにまた空っぽの心が満たされるように感じた。

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