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第5話
行為が終わったもののベッドから動けそうもなかった。
タチの時とはまた違う疲労感。
ケツの辺りが特にしんどい...。
「大丈夫?隼也さん。ちょっと待ってて、なにか飲む?」
慶太くんが脱ぎ散らかしたままだったバスローブを羽織りベッドを降りると備え付けの自販機に向かう。
「コーラー、ビールー、アイスコーヒーに、烏龍茶、あとミネラルウォーターにー」
「...ビールで」
声、掠れちゃってる。
どんな声出してたんだ、俺。
恥ずかしい...。
「はい、ビール。あ、ゆっくりね、体キツいでしょ」
起き上がろうとする俺にそう声を掛け、ビールを渡された。
「ありがとう。...見た目によらず男前だね、慶太くん」
隣に戻り、烏龍茶のキャップを開けながら慶太くんは笑った。
相変わらず可愛らしい笑顔。
「そっかな、普通だよ」
「モテるでしょ?」
「んー?」
ペットボトルを傾け、ぐびぐびしばらく烏龍茶を飲むと、
「どうかな、普通。でも、そんなモテないよ。ほら、僕、見た目がこれだし」
「これ、て?」
「ウケに間違われるからねー。だから、いつもタチばかりなの、相手。根負け、て変だけど、大半はヤラせてくれるけど...」
一瞬、ギョッとした。
「タチをウケにしてるんだ」
俺みたく!?
「僕みたいなタチに抱かれたいウケ、なかなかいないもん」
「...そっか。それはそれで大変だね」
「んー...。男らしく生まれたかったー。でも隼也さんみたいなイケメン好物ー、僕」
「好物、て」
思わず笑った。
慶太くんもてへ、と可愛らしく笑って、なんだかほのぼの。
「隼也さん、明日、仕事でしょ?時間、大丈夫?」
「んー、ねえ。初めてのウケで体がちょっと、うん」
「ごめんね?」
本当に申し訳なさそうな切ない表情で隣の俺に慶太くんは謝った。
「いや、謝らないでよ。とりあえず俺、営業だしね、腰擦りながら、てキッついな、て。何とか明日は休むか、て。社会人としてダメダメだけど」
「体が資本だしね、いいんじゃないかな?無理して仕事にならずにミスしてもだし」
そう言うと慶太くんはぐい、と烏龍茶を飲んだ。
「だったら僕も休んじゃおっかなあ」
「慶太くんも?なんで」
「えっ、だって元はと言えば僕のせいでもあるし...体を動かすのしんどいでしょ?隼也さん。看病したいから」
「や、いいよ、そんな、悪いし」
「いいってー。僕ももう少し隼也さんといたいし」
にこ、と邪気のない笑顔が抜群に可愛かった。
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