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第12話

「なんて?」  夏休みも後1週間というところで、俺はおじさんに大発表をした。  その返事が↑ 「お前この時期に志望校変えるとか…しかも格上に変えるとか…大丈夫か???」  夏期講習の最後の試験で、何と俺様は平均点を上回る430点を叩き出し、S大どころか東京の有名私立大学まで範囲内になっていたのだ。ピース! 「ピースはいいんだけどな…」  おじさん俺の言うこと信用してないな!唯希さんと典孝さんに助けを求める顔してる! 「まぐれではなさそうなんですよね。その前の試験も400点台出してるし…」 「僕の教え方が良かったんですね」  メガネをクイッとあげて、典孝さんドヤってくるけどそうすると 「あたしに決まってんでしょー」  ほらー、争いに転じる…醜いよ2人とも。俺の実力に決まってんじゃん。 「まあまあ、2人ともよくやってくれた。それならS大完璧なんだからそれでいいんじゃねえのか?」  おじさんね、わかってないね。自分で俺を呼び寄せといて…こんな楽しい目に合わせておいて…地元の大学行けなんて無理! 「俺はKO受けます!」  イエーイ 「お前、はしゃぎすぎだろ…俺は和代さんになんて詫びれば…」 「え、母さん?母さんもKO行くなら大歓迎だってさ。おじさんのこと信頼しきってるからねー、うちの母さん」  頭抱えなくたっていいじゃん♪ 「まあ、頑張れるならいいけど、そんなに浮かれてると足元掬われるからな、気を引き締めてけよ」  叔父らしいこと言ってくる!まあ、それも判ってるよ。家に戻ったら唯希さんも典孝さんもいないしさ、自分で教わった事とやり方をやって行かなきゃなのは判ってる。  でもさ?上を目指すのはいい事でしょ?ねえおじさん? 「よし判った。KO受かったらな、ここに住まわせてやる。バイト込みで。まあ受かったらだけどな」  いい事とやなこといっぺんにいうよな…でも受かればここに住めるの?マジで?やったー。カップも買っちゃったし、ご飯の茶碗もお椀もお箸も買っちゃったしね。  でもバイト込みってなんだろ?まさか探偵の助手なんてやらせないよね。危ないもんね。 「ほんと?俺頑張る!まじで唯希さんの教え方で色々わかってきたんだよ俺。頑張ってみる」  あ…典孝さんの教え方も覚えましたぁ…睨まないでよ〜。  塾も終わって残り1週間。そんな余裕はないけど、少しは遊ぶぞー!少しはね… 「唯希さん!原宿連れてって!」 「オッケー!この問題集の、こっからここまで終わったらね」  まだまだ暑い夏だったよ…。  色々あったけど楽しかったな。  結局おじさんが俺をここに連れてきた理由って、やっぱり勉強の強化だけだったらしいんだよね。  甥煩悩なおじさんだねえ。

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