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3 緊張か?恋心か?

 久しぶりの舞台上。会場内に来ていたお客さんは、番組のスタッフによって番組を盛り上げる。  眩しいくらいの照明が春たちZEROメンバーを照らす。  久しぶりの舞台に少し緊張しているようだが、それ以上に胸をときめかせてくれるのは、今MCを務めているゴーなのかもしれない。  番組に慣れているのか、ゴーは春に向かい、色々と質問してくる。  そのトークの中で、ある質問が出る。 「どんな異性のタイプが春さんたちZEROのメンバーさんは好みなんですか?」  その質問に春は目をパチクリとさせる。だって、春にとって今が旬のトークだからかもしれない。  しかし、タイミングが良すぎるのか悪すぎるのか分からないが、そんな質問に、春は呼吸が乱れそうになっている。  少し前までは、ちゃんと異性のタイプを考えていたはずなのに、今は違う。 「〝目の前の君〝が……」と言いたいようだが、今は全国放送の番組中だ。それ以上はここでは言えないだろう。  春は一旦ゆっくりと深呼吸をしてから、異性のタイプについて話し始める。 「そうなんですかぁ、僕もそのタイプが好きなんですよ」  その場はゴーの言葉に笑顔になり、春は視線をゴーへと移す。  本当は会場に集まっている人々やカメラの方へと目線を向けなければならないのに、春はゴーから視線を外せない。  今の春は、本当にゴーに恋をしているようだ。今までの歌手活動の中でこんなことは初めてで、本当に歌詞のような出来事が起こるなんて思ってもいなかった。むしろ、この想いを歌詞にして君にだけ送りたいと思うほどだ。  色々と話をしているうちに収録時間も終わりを迎え、ZEROの歌も終わり、番組は終了となる。

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