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2ー11 え? どういうこと?!

「じゃ、春さんは男性を好きになったことはありますか?」  ゴーは何故か瞳をキラキラさせながら春に聞くのだ。凄く興味がありそうな瞳からは嘘が吐けないような気がして、春はうんと頷く。 「良かった! 僕だけじゃないみたいで……こんなこと、誰にも話せることじゃないですか。ましてや、僕たちは有名人なわけですし。じゃ、春さんはどんな人が好みなんですか?」 「それは収録の時に言ったよ」 「あーあ! 可愛い子が好きだってことですか?」  流石は芸能界で働いているだけあるだろう。記憶力はいい。 「えっと……僕はあの時、春と同じって答えましたけど、ただ単に台本通りに答えただけなんですよ。ほら、僕のイメージってのがあるじゃないですかぁ? 本当の僕の好きなタイプというのはストレートに言えば、春さんみたいな人なんですよ」  今のゴーの言葉に春は目を見開く。  そう、ゴーの言葉は思ってもみなかった答えで驚くのも無理はないだろう。  ゴーの答えは春のことを指している。  しかし、どうしたらいいんだろうか? 本気にしていいってことか?  もうゴーが春のことが好きなのは分かった。だけど……確かに悩む必要はないはずなのに言葉にすることができない。  芸能人は一般の人のようには告白とかできないっていうのに、さらに男性同士という厚くて大きな壁が前に立ちはだかっている。  マスコミにこんなことがバレれば格好のターゲットにされるのは明白だ。ましてや、人気アイドルなゴー。間違いなくターゲットにされる。いや、男性同士ということならば男女の恋愛関係よりも自然じゃないだろうか。そうだ、春がもしゴーの家に行っても騒がれやしないのだから。

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