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第2話

「行ってきます。」 家を出てからワイヤレスイヤホンを装着して駅へと向かう。電車で二駅のところにある高校へ向かう間、haruさんの投稿を聴いている。朝からホント癒される声で幸せだ。 「おはよー。」 下駄箱で上履きに履き替えながら、イヤホンを仕舞う。 「またharuってやつの、聞いてんの?」 1年の時から同じクラスで出席番号も前後の都築咲夜(つづきさくや)が呆れた様子で聞いてくる。同中が誰もいなくて、入学早々に後ろの席だった、咲夜にharuさんの話を散々してたからね。 「咲夜も聞いてみなって。ホント良い声ですっごい優しいから。」 「無理。バイト帰ったらすぐ風呂入って寝たいし。」 「……宿題はやったの?」 「……んな、時間ねぇよ。」 「またかよ、いい加減にしないと留年しちゃうかもよ?」 「そんくらいでするわけねぇだろうが。たぶん……。」 「バイト、減らせばいいのに。」 「生活費もあるし無理。」 咲夜は両親がいなく、一人暮らしをしている。学費は遠方の祖父母が払っている。生活費は自分で稼いでるらしく、バイトを2つ掛け持ちをしている。勉強する暇があったらバイトしたいってのが咲夜の考え。 けれど、咲夜の両親が高校は卒業しときなさいと祖父母に話していたらしい。だから、高校は辞めれないらしい。 それもわからなくもないけど、休み無しで働いてるから普通に心配にはなる、友人として。

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