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10愛してる

「わはははははっ、皆、殺せぇ!! フライハイト国の次期国王がこんなところにいるものかぁ!?」 「それがいるんだな、ここに。ちなみこれ、エガルテ国からの親書。エガルテ国王のサインが入ってるでしょう」 悪党はそんな余裕を持ったリオンの態度にその場で怒りか恐れで震えていた、そうしてまだ悪あがきをしようとしていた。 「なんだと、嘘だ!! そんな偉い方がここに……、いるわけない!! 戦えぃ、皆!!」 「もうこの館の周りを、エガルテ国の正規軍が囲んでいるよ」    まだ否定することを言って悪党は仲間をまだ戦わせようとしたが、リオンがいつものようにエガルテ国に根回しを済ませていて、エガルテ国の正規軍がこの館を包囲していた。 「これにて一件落着、さぁ皆でフライハイト国に帰ろう」  久しぶりに正義の味方ごっこができたリオンは満足そうだった、新入りの二人も面白そうに笑っていた。そうして俺たちはリオンの魔法『|飛翔《フライ》』でフライハイト国の城へ帰ってきた、リオンはとても満足していてお風呂の中で興奮して話すものだから、その背中を流してやるのに俺は一苦労した。 「ほらっ、楽しかったのは分かったから寝衣を着ろ!!」 「物凄く楽しかったでしょう、あの悪党の悪あがきときたら……」 「あんまりお喋りしてると、俺は自分の部屋に帰る」 「それは駄目!! クロは僕と一緒に寝るの!!」  そうして俺はいっぱい喋ったリオンと一緒に眠ることにした、リオンはすぐに眠ったが俺はしばらく眠れなかった。新入りのことを考えていたわけではない、空に浮かぶ月がもうすぐ満月になろうとしていたからだった。 「三日後は満月だ、俺は一人で寝るから誰かリオンの護衛を頼む」  いつもならここで「は~い」と仲間の誰かから声が上がるはずだった、でも今日はリオンがそうさせないでとんでもないことを言いだした。 「護衛はいらないよ、僕がクロと絶対に寝る」 「はぁ!?」  リオンが言いだしたことに俺は驚きを隠せなかった、人狼族にとって満月の夜は危険なのだ、人間を食い殺してしまったりするほど危険なのだ。そして同時に発情期でもある、リオンの言っていることは俺を性的に食べてしまうぞということだった。 「冗談じゃない、俺の好みは出るとこが出てる女だ!!」 「ふーん、そう。でも僕は絶対にクロと寝るもん、いろんな経験をしてわかったんだ、今のままだとクロを他の女にとられちゃう」 「俺の方に選ぶ権利はないのか!?」 「知りませーん、僕はフライハイト国の次期国王様だから、クロに一緒に寝るように命令しまーす」 「とんでもない命令を出すな!! 撤回しろ!?」 「絶対に嫌!! クロは僕と一緒に寝て愛し合うの!!」  小食堂で皆とご飯を食べながら俺とリオンは言い争ったが、リオンはどうしても命令を撤回してくれなかった。俺は食事の後、皆にリオンを説得してくるように頼んだ。 「俺様、リオンがどれだけクロが好きか知ってるから反対しないぞ」 「あたしもリオンが本当にクロが好きと知ってるから反対しないわ」 「お話を聞けばリオン様はずっと我慢されていたとか、クロさん優しくしてあげてください」 「俺も話を聞いたが随分惚れられてるじゃねぇか、それに面白そうだから邪魔はしないぜ」  仲間は誰一人として俺が、リオンに性的に食われることに反対しなかった。俺は男も女も抱いたことがない。女でも難しいのに男なんてどうしたらいいのか、さっぱり分からなかった。そして三日後になった。俺は王太子の部屋に放り込まれて、リオンと二人きりにさせられ扉には鍵もかけられた。 「り、リオン。冗談だよな、俺たちは今まで良い関係だったじゃないか」 「冗談じゃない、今夜はずっとクロと一緒んいて、必ずクロに僕を抱いてもらう」 「そんなことできない!!」 「本当に駄目? 僕じゃクロは全然興奮しないの?」 「全然できないわけじゃないが、そんなことしちゃいけないつーか」 「誰がクロが僕を抱いたらいけないって言うのさ!! 僕にクロがしちゃいけないことなんてないよ、クロ」  そう言ってリオンは俺を部屋の端まで追い詰めた、それからいつも以上に濃厚でエロいキスをしてきた。俺はそのキスで勃起しないように我慢したが、いつもと違って今日は満月の夜だ。体がほてって誰でもいいから抱きたい気分だった、そこにリオンが濃厚でエロいキスをしてくるものだから、我慢をしたが俺は勃起してしまった、リオンがすぐにそれに気がついて嬉しそうな声をだした。 「ああ、良かった。僕のことこれで抱けるよね、クロ」 「いやいや、これは体の自然な反射だ!! 俺の意志じゃないから駄目だ!!」 「お願い、クロ。僕を抱いて可愛がって、ううん乱暴にしてもいいからとにかく僕を抱いて」 「り、リオン!? 俺のものに触るな、こらっ、舐めようとするな!!」  俺は一生懸命にリオンに抵抗したが、リオンはベッドに俺を押し倒して、そしてフェラをはじめていた。正直なところ初めての体験だったから、俺は興奮したし丁寧に舐められてリオンの口の中に出してしまった。リオンは満足そうにそれを飲み込んで、今度はまた勃起した俺のものを自分の中に入れようとした。満月の夜で発情期のために頭がスッキリしなかったが、俺はリオンにそれは止めさせてリオンに本気で聞いた。 「リオン、お前は良い男だ。いくらだって色んな女を抱ける、でも俺に手をだすならもう他の女は抱かせないぞ」 「いいよ、クロが手に入るなら、他のどうでもいい女なんていらない」 「俺の大切で馬鹿なリオン坊ちゃん。他にいくらでも良い女はいるのに俺が欲しいのか?」 「うん、クロが欲しい。クロだけが欲しくて堪らなかったんだ」  リオンが嬉しそうにそう言うから俺も本気になった、リオンに濃厚でエロいキスをして、リオンのものも同じように愛撫してやった。リオンの後ろも慣らそうとした、だがリオンがそんなこといいとキスをしてきた。インキュバスだから大丈夫なのかなと思って、俺はそのままリオンのことを抱いた。 「あっ、ああっ!! クロのがはいってくる、やああん!! もっと激しくして、クロ」 「いいぜ、もっと激しくしてやる!!、愛してるぜ、リオン!!」 「ああっ!! あああああっ!! クロ、本当に僕を愛して? 本当、本当なの?」 「いくら満月の夜の発情期だからって、嫌いな奴は抱けない。俺はお前を愛してるぜ、リオン」 「僕も、僕もクロが大好き、愛してる!! やああん!! もっと、もっと激しく抱いてぇ!!」 「愛してるぜ、リオン。人狼族の愛情から逃げるなよ、ほらっ、夜はまだまだこれからだ」  そうして俺はリオンをなるべく優しく、でも激しく抱いてやった。人狼族の愛情はお前だけを愛するから、お前も全てをよこせってのが当然だ。リオンは俺に激しく愛されてよがり狂った、あんまり大きな声で喘ぐものだから、外に聞こえやしないかと俺は心配になったくらいだった。そうして満月の夜を俺たちは過ごした、朝方近くまでリオンは俺に抱かれて眠ることもできなかった。そして短い睡眠をとって、俺たちは遅めの朝に目を覚ました、目を覚ました途端に俺はリオンから熱烈なキスをされた。 「おはよう、クロ。これでクロは僕のものだよね」 「おはよう、リオン。そうだぜ、でもお前も俺のもんだからな」 「うん、そうやって僕をクロのものにして」 「もちろん、もうお前は俺のものさ」  そうして一緒に風呂に入ってから小食堂で俺たちは皆に遅れて朝食を食べた、リオンの足元はふらついていて俺が抱き上げて運んだ。それからは執務中の何気ない時にリオンから軽いキスをされたりしたから、俺もリオンを愛してると心を込めてキスを返した。時々、そんな場目に遭遇する仲間たちは笑っていた。 「やっとクロを手に入れた、愛してるよ。クロ」 「もうお前を手放さないぞ、リオン。俺も愛してるよ」

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