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平凡Aくんはじめての 試し読み
どうも初めまして若林瑠夏 です。
モブA、平凡Aどちらでもいいですが作者には珍しく僕のような陰気な役を登場させてもらえることになりました。(深々)
作者さんは美少年が好きと………はぁ僕とは無縁の生き物ですね。
彼らはきっと輝いて見えてさらにはなんでも許されてしまう世の中……。
まぁ自分には関係ないですが。
とまぁ今回は平凡Aではなく可愛いらしい名前をもらいました。
見た目は可愛くないですよ、ボサボサ頭に度数のあっていないへんてこな眼鏡、部内から呼ばれているあだ名は『へたれ』です。
よくもまぁ本人前にして『へたれ』と呼べますよね。陽気って怖い。
仕事場を紹介したいと思います。
僕の会社ではお菓子を開発していて、事務を担当してます。
毎日毎日メールをチェックしては返して会議書類を作成しての繰り返しです。
そんな生活を早五年……。
新入社員は工場で勤務していたけど、腰を痛めてしまい、今やデスクワーク。
本当に神、三十歳になった今、どこぞの漫画である童貞なら魔法が使える……みたいな面白いこともおきず、僕はひたすらパソコンとお菓子と毎日を過ごしている。
お菓子の開発をしているから試作品というものを配られ、基本毒味をしている。
たまにへんてこなお菓子がくる、プリンのアイスだ。
人によってはへんてこじゃないかもしれない、しかしプリンはあのぷるぷるとした弾力を楽しみたいのになぜ固めてしまうのか僕には理解ができない。
まぁ仕事のことはおいて、全体をまとめているのは部長。
部長はキラキラしている、眩しすぎて説明できない。
ただただ女子に囲まれていて きゃきゃっ わいわい わはははとの声を遠くから聞いたことがある。
多分超絶なイケメンなのであろう、僕と交わることは決してない。
決してないがたまに会議に出席している、前に立つときは後ろのほうが明るすぎて眩む。
というか会議に出席している全員が野菜にしか見えない特殊な目を持っている。
そしてお菓子会社の社長、この人もキラキラしていて見えない。多分だが一度だけ挨拶をしたことがある。
でもあまり覚えてない、ただ部長と社長は高身長だった、というのは覚えている。
まぁ長ネギ二本が立っていたということで。
こんな元平凡Aのお話です。
それは数時間前のこと
僕はカタカタとひたすら会議書類を作っていたところだ。
「おじゃまします」とやたら元気な声で陽気はきた。
あれは営業だ。
きっと品物を変更するからちゃちゃっと書類を作れやなんだかんだの依頼だろう。
「えっと発売された『みかん大福(凍っちゃった)』がなんと会社トップになりました~~、
んで、『いちご大福(凍っちゃったパート2)』も売れ行きがみかんを追い抜くスピー ドで売れてます、なので部長が全員で飲み会に行こうと言ってくれました!! ってこと で事務今日行ける人ピックアップしてくれない?」
なるほど、僕には関係ない話だ。
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