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俺の幼なじみ

天真爛漫、天然、明るい、自由奔放、表情豊か、たまに何考えてるかよくわからない、女の子みたいという訳ではないが、可愛いらしい顔立ち、な気がする。 俺、西岡蒼也の幼なじみ、志崎真尋のことだ。 175cmの俺より若干低い172cm、俺はサッカー部だが、真尋は長年、帰宅部。 とにかく、男にモテる奴。 中学の頃、 「同じ高校にしようよ!」 と誘われ、サッカー部もまあまあ有名だったことから同じ高校に志望し、互いに無事入学。 なにが悲しくて男子校...とも思わなくもなかったが。 偏差値もさほど高くはなく、ガリ勉する必要もなかったからだ。 「で。中学んときの彼氏、どうしたよ。最近、話しに出ないけど」 「んー?知りたい?」 「別に知りたいとかじゃないけど。いっつも惚気やら愚痴やら話してたじゃん、機関銃みたいに」 そう、こいつはゲイ。 別に気にはしてないけど。 とにかくこいつ、真尋は昔から男にモテる。 いつもいつも、○○くんに告られた、だの、○○先輩に告られた、だの、仕舞いには○○先輩とデート!だの、○○くんとエッチしたー、だの。 幼なじみの俺にだけ、まあ、ペラペラ自身のセクシャリティを喋る喋る。 「別れちゃった。女と二股かけられてたから」 俺の部屋でテレビゲームしながら、あっけらかんと真尋が打ち明けた。 「マジか」 「うん。でも大丈夫」 「なにが」 不意に満面の笑みで隣に座り同じくテレビゲームしている俺を向く。 「知りたい!?ねえ、知りたい!?」 「や、知りたくない」 途端。 ち、と真尋は舌打ちを打った。 「聞いてくれてもいいじゃん。あのねあのね、2年の高城先輩、て知ってる!?」 「高城?さあ、知らね。うっわ、武器、取り損ねた!引き返そ」 「バスケ部のエースなんだよー♡」 「それがどうした。おっ、ラッキー、こっちの武器、捨てよ」 「なんと!告られちゃってさあ」 「へー。あ、ヤバ、敵来たし」 「へー、て!もう少し感激してくれても良くない!?」 「あー、はいはい、良かったですねー。て、お前の方、死んでんぞ」 小学校まではまだ、カッコいい人がいる...、だの可愛いものだったが、告られただの、付き合うだの、エッチしただの、散々聞かされ、聞き飽きた。 「イケメンなら誰でもいいんじゃないか?」 「違うよー、わかってないなあ」 「うん、わかんない」 「幾らイケメンでも、エッチ下手くそならげんなりだし」 「....」 本当、幼い頃は純粋無垢で可愛い奴だったんだけどなあ...。 そんな俺たちだが、幼なじみかつ、友人、いや、親友?悪友? なにしろ、小3からの付き合いで家まで近所だ。 ある意味、腐れ縁。

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