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おまけ 夕暮れ寮の日々

前話で綺麗に終わってしまったけどラストにやっぱりイチャイチャしたいのでおまけで追加の巻。 -------------------------------------------  書棚の中は、電気や機械に関する書籍と参考書で溢れかえっている。備え付けのベッドに、持ち込んだミニテーブル。部屋は鉛筆を削った時の特有の匂いがして、それがなんとなく緊張すると、清は思う。 「前に住んでた時の荷物、どうしたの?」 「ああ? ああ――。あんなホスト丸出しの恰好、出来ねえし。ほとんどは後輩にあげたかな。服とか、アクセとか……」 「北斗くんとか?」 「北斗はキャラが違うだろ。もっと下の、新人とかだよ」 「確かに」  王子様キャラだもんね、と笑うと、背後から腕が伸びて来る。 「わきゃ」 「王子様だあ? この面食いが」 「ちょっ、夏音っ」  背後から抱きしめられ、そのまま口づけられる。舌をねじ込まれ、口の中を蹂躙される。 「んぅ……」  くぐもった声が、唇から漏れる。夏音とのキスは、何度しても新鮮だ。貪るように口づけられ、甘い声が漏れ出る。 「っ、ん……、かの……」  腰を撫でられ、ゾクンと皮膚が震える。清は夏音の胸を押し返し、僅かな抵抗を見せた。 「夏音っ……、寮ではダメだって……」 「なんで。良いじゃん」  そう言いながら、夏音は内心(研修中の身だけどさ)と思う。追い出されるような真似をすれば、研修生の身分は取り消されるだろう。騒ぎを起こさないのは必須ではあるのだが、目の前に可愛い恋人がいて、我慢しろというのも酷な話である。 「だっ……、声、出ちゃう、し……♥」 「……」  蕩けた表情でそう言う清に、夏音は(わざとか?)と唇を結ぶ。どう見ても、煽っているようにしか見えない。我慢できず首筋に吸い付き、清がビクンと身体を震わせる。 「あっ♥ 夏音っ……♥」 「声、聴かせてよ……。可愛いんだから……」 「っ……! だ、って……他の、ヤツに……聞こえ……」  嫌がるそぶりをしながら、清は夏音の背に腕を回す。口では否定しているが、乗り気ではあるらしい。服の裾から手を差し入れて、乳首を摘まんでやると、甘い声が漏れ出て来る。 「んぁ♥ あ、っ……んっ♥ 乳首っ……♥ 弄んな……っ♥」 「ここは、触って欲しそうじゃん……。嫌なの?」 「あっ♥ あ……♥ だっ……♥ きも、い……、じゃんっ♥」 「? きもい? 気持ち良いじゃなく?」 「うーっ……♥ 俺、の、声っ……キモい、だろっ……」 「は? 何でそうなる? 全然、可愛いが?」  むしろこの声が堪らないというのに。何を言い出すのかと、先端をつついたり、つねったり、捩じったりしてやる。清の腰がビクビクッと震えた。軽くイっているようだ。 (エロ。乳首だけでこうなるとか……)  自分の仕込みとは言え、堪らない。 (しかし、キモイねえ)  恐らく、知り合いの多い寮生からすれば、乱れている自分が気持ち悪いだろうと、そういうことを言いたいのだろう。第二の家族とも言える寮生たちに聞かれたくないという気持ちは、解らなくもない。北斗などは他人の目を気にしないタイプだったが、夏音はそうではない。 「エロい声、聴かせて」 「っん!!」  囁きに、ビクッと身体が跳ねる。涙を浮かべる瞳と、上気した頬。堪らない。 「オレは清の声、堪んないけど。……まあ、他の男に、聴かせたいとも思ってねぇし――我慢、して?」 「ふぇ……?」  夏音はニヤリと笑って、手元にあったタオルで清の口を塞いだ。猿轡をされ、清が欲情した表情で夏音を見上げる。 「興奮してんだ? 清」 「っ……♥」  指摘してやれば、ビクリと身体が跳ねる。肌がバラ色に染まって、夏音が欲しいと主張している。ニヤリと唇に笑みを浮かべ、夏音は清の服を剥がしていく。今すぐ、この肌に吸い付きたい。あますとこなく貪って、隅々まで味わいたい。  肌に手を滑らせ、愛撫していく。清の身体は敏感に、夏音の手や舌に反応する。焦らすようにしてやれば、切なげな顔で見つめられた。 「んぅ……、ん……っ♥」 「どうして欲しい? 最後まで、して欲しいなら――」  清がおずおずと、足を開いた。まだ触れていないのに、アナルがヒクヒクと期待して収縮している。 「久し振りに、奥まで可愛がってやろうか?」  耳元に囁けば、大仰なほどにビクンと身体を跳ねらせる。 「っ~~~~♥」  荒い呼気を吐き出して夏音を強請る清に、夏音は笑みを浮かべて額にキスを落とした。 本当に終わりw

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