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好き好き2

羞恥に身を震わせながらも口内を弄《マサグ》られ、舌を吸われ擦られるのは気持ちが良かった。 頭の中が白く霞みそうになるのを必死で踏み止まる。 やがて、力強い腕が解かれ、唇も離される。 「はぁ……はぁ……」 訳が分からないまま肩で息をする。 「尚哉、もっとしたい」 耳元で甘く囁かれる。 したいって何をだよ。 問いたいが、朦朧とした頭では言葉が紡げない。 バサッと音がし、見ればコテツが上の服を脱ぎ上半身裸になっていた。 あー、クソ!良い身体してんなぁ……。 俺は均整の取れた体を見て悔しく思う。 「尚哉……」 さっきまで子どもの様にコロコロ表情変えて騒いでいたのに何だよそのイケボと艶っぽい表情は!反則だろ!! 「やめろよ。好きってそういう意味じゃない。お前オスだろ?俺もオスだ」 「性別なんて関係ないよ!好きは好きだよ!俺、優しくするから」 犬の様にハッハッと弾む息をしながら胸を張って言う。いやいやいや……メッチャ興奮してるじゃん。優しく出来ねぇだろ! 「だから好きとは言ったけどそう言う好きじゃないんだって!お前は犬だろ?!犬と人間は付き合えないの!」 「今は人間だよ!!じゃあ、人間の時だけでいいから!もう我慢出来ない!!」 「?!」 俺の上に馬乗りになったコテツは股間を俺の腹に擦り付けて来た。 硬くなったそれは俺のヘソ辺りを抉る様に押し込んで来た。 「待て待て待て!!お願い待って!!」 悲痛な声を上げ動きを止める。ちょっとオネエ入った。 「とりあえず今日は無しで!次!!次人間になった時は腹括るから!!そうだ!お前、これだけ言葉分かるなら昼間誰も居なくても大人しく出来るよな? な?この家に住めばいいじゃん!そうしたら俺とずっと一緒に居れるぞ!」 苦し紛れにペラペラ思い付くままにコテツの利になる事を言い募る。 「えー、ご馳走を前にそう言う事言う?俺、次いつ人間になれるか分からないし……」 コテツは俺の鎖骨をなぞりながら悩む仕草をする。 指の感触にゾクゾクしながら折れてくれ!と祈る俺。

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