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第1話
俺のすきな人には恋人がいる。
相手は同性の千秋、恋人も同性の黒木。
もともと俺たち三人は会社の同期であり、ゲーム仲間。
毎週末に、親が資産家で、高級マンションに住む千秋の部屋に集まり、ゲーム三昧。
防音が鉄壁だから、酒を飲んではっちゃけたもので。
そんなごきげんな週末をすごしつづけて、二年経ったころ。
千秋と黒木から「じつは交際をはじめたんだ」と告白。
そのうえで、週末の三人の集いは今までつづけたいとのこと。
そう提案しただけあって、三人でいるときは、惚気たりせず、今までどおりに、ふるまってくれて。
まあ、さすがに俺も気をつかって、徹夜明けの土曜の朝は、二人を起さないよう帰宅したものだが。
そんなこんなで三人の関係性は良好なまま。
というわけにはいかなかった。
交際を知り、少しして、二人を見ていると胸が軋むように。
その症状はひどくなって、二人が見つめあったり、じゃれあうのを目にするたび、心臓が切りつけられるような錯覚が。
で、自覚せざるをえず。
俺は千秋がすきなのだと。
交際を知ってから自覚するとは、いやはや。
黒木も大切なゲーム仲間だから、横どりしたいとは思わないし、なにより今の三人の関係性を壊したくない。
となれば、俺が耐えればいいのだが、さりげない二人の触れあいを見るにつけ、自制が利かなくなりそう。
八方ふさがりとなって、悩んだ挙句、酒に逃げることに。
酒で感情や感覚を鈍らせれば、どうにか、やり過ごせるようだから。
それに酔うと陽気になるに、週末の愉快な集いに支障もでない。
がばがば酒を飲む俺を、はじめは「もう、よせよ」と宥めていたのが、つられてか、二人の酒量も増加。
前以上にゲームをやりながら、どんちゃん騒ぎをし、深夜一時二時くらいに三人ともつぶれるというのが定番に。
その日、いちばんに脱落した俺が、ふと目を覚ますと、二人とも床で睡眠。
すこし酔いが覚めて、ため息を吐きつつ、立ちあがって、二人にそれぞれのジャケットをかけてやる。
俺はタオルケットを拝借し、電気を消してから、床に寝そべったところ。
そばで物音がし、どうやら千秋が起きたらしい。
どきりとするも、目を閉じたまま眠りつこうと。
もしかしたら、黒木といちゃいちゃするかもしれないし。
と思ったのが、千秋の気配は俺のほうに近づき、おおいかぶさっている?
千秋の動向が読めず、硬直していれば「仁・・・」と熱っぽく呼びかけて。
仁とは、黒木の下の名前だ。
「お」い、と声をあげるまえに、口をふさがれた。
隙間から熱い舌をねじこまれて、口内をかき回され、ぐちょぐちょに。
「ふあ、う、くあ、ああ、ちあ、ふう・・・!」
自慰をしたら、取りかえしがつかないように思え、禁欲していたのが仇となったか。
俺を黒木とまちがえていると分かっていながら、口づけだけで体が爆発しそうに興奮し、ズボンが破けそうに張りつめ、あっという間にお漏らしでびしょびしょに。
千秋の固いのが股間にかすめたらもう、たまらず「ふうああ・・・!」と射精。
「俺、黒木じゃないのに」と切なくなりつつも、半端ない快感に心身が痺れきってしまい。
「今日は、すごいな?」と笑いを含んで囁かれて股間を揉まれたら、目がくらくらするというもの。
いや、このままではいかんと、なんとか手で押しかえそうと。
が、「ち、あき、だめ、お、俺は・・・」と云いきるまえに、手をひとまとめにしてネクタイで縛りやがって。
おまけに「こういうプレイがいいのか?」とくすくすとし、直後にYシャツ越しに乳首に吸いつく始末。
もう片手の指で乳首を引っかき「ひゃ、ああ・・・!」とまんまとヨがった俺は、胸の猛攻に耐えられず、早々、二回目の射精。
情けないったらないとはいえ「身代わりはごめんだ!」と歯を食いしばって、頭突き。
顔を反らした千秋は、でも、すぐ向きなおり、俺の体をひっくりかえして、うつ伏せに。
「やけに興奮しちゃってさ、もしかして嫉妬した?
さっき、宮村の頬にチューしたから」
頭をかっとさせ「だ、から、俺は・・・!」と再三、訴えるも、治まらない勃起をにぎられてしまい。
息を飲むうちに、ズボンを引きずり落とされ、尻の奥に指を。
初体験だったが、今の俺は、感情と裏腹に千秋のされることすべてヨがるらしい。
股間を絞めつけられたまま、指で掘られてあんあん悶えて、射精せずイってしまったし。
そして、とうとう尻を持ちあげられ、うしろから千秋に貫かれて。
「くあああ!」と叫んでしまい、今更ながら、黒木のことを気にする。
暗くて見えないが、起きてはいないよう。
「起きたら終わりだ」と唇を噛むも、千秋が荒荒しく腰を打ちつけるものだから、だだ漏れ。
いや、魔がさしたのだろうか。
唇をほどいたら、堰を切ったように喘ぎまくったもので。
「ば、ばかあ、ちあ、きい!ら、らめえ、お、おれはあ、あ、あ、あ、ああ、やあ、だし、ちゃ、らめええ・・・!」
俺のなかに注いだら意識を落とした千秋。
なんとか引っこぬいて、自分も千秋を身ぎれいにし、そそくさと帰宅。
二人が起きるまえに帰るのはいつものことだから、ばれていなければ、変に思われないはず。
果たして二人から「夜は楽しかったな」「来週は新作ゲームやろうぜ」とメッセージがきて、一安心。
かと思いきや、すこしして千秋からメールが。
「最高だった。また浮気プレイしよう」と。
そりゃあ、千秋の心理が読めず、頭を抱えたが、罪深くも甘い誘惑に惹かれる自分もいた。
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