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第1話

外面がよすぎる姉は、反動で家では奔放。 家族がいる居間の大画面のテレビで18禁のBLゲームをしたり。 高校の部活帰りにエッチシーンを見せられ男の喘ぎを聞かされる俺の身にもなってほしい。 はじめのほうは大画面をあまり視界にいれないよう、居間に滞在しないよう気をつけていたのだが、なんだかんだ耳から情報がはいってしまい。 毎度毎度流れるエッチシーンの組みあわせがちがうのに、ついに「この高校のモラルはどうなってんだ!」と激昂。 ゲームの舞台はなんたら学園で、攻略相手はほとんど男子高生。 俺と年の変わらない連中が学校中に散らばってエッチしているなんてどうかしている。 「ゲームなんだから大真面目にツッコむんじゃないわよ」 「いくらゲームでも現実離れしすぎだろ! よく漫画とかで学校でエッチしているけど、実際しているのは、ほんの一握りのいかれ野郎だ! この学園、狂人しかいないのか!」 以降、姉とは喧嘩しまくり。 その間も続行するプレイ画面を見たり、姉の話を聞くうちに、すっかりゲームに詳しくなり、推しキャラも見つけた。 風紀委員の金義だ。 金義も攻略キャラの一人とはいえ不人気。 というのも、主人公と相手がいい雰囲気になると笛を吹いて「不純性行為は許さない!」と妨害をするから。 そりゃあ「BLゲームだろうと節度を!」と訴える俺が応援したくなるもの。 その声援が届いてか、金義がでしゃばり、攻略がままならず姉は苛苛。 「こうなったら、金義を落としてやる!」と宣言をし、それを聞いた夜に俺は眠れず。 だって金義には結婚を約束した女子がいて、彼女に「結婚して初夜を迎えるまで貞操を守る!」と誓っていたから。 主人公を「抱くほう」に設定してプレイする姉に、無理矢理その誓いを破らされるのを見たくなく。 たかがゲームのキャラのことで気を揉み、結局、一睡もできず。 睡眠不足のまま登校をし、赤信号で横断歩道に踏みでてトラックに吹っとばされた。 意識も吹っとんだのが、すぐに覚醒して、目のまえには教室で抱きあう男子高生二人。 反射的に首に下げた笛を吹くと、二人とも悲鳴をあげてとんずら。 笛から口をはなし、あらためて辺りや自分を見て、どうも例のBLゲームに転生し、風紀委員の金義になったらしいと認識。 さほど頭を混乱させなかったのは「これで俺が金義の貞操を守れる!」と思ったから。 さらに「俺がこのインモラルな学園を正してやる!」と奮起を。 それからというもの風紀委員として大活躍。 学校中で不純性行為をする輩を次々と取り締まり、追いはらってやった。 が、一人だけ懲りない強敵が。 やりチンでチャラ男の岩見だ。 たいてい俺が笛を鳴らすと、ほとんど逃げるのが、岩見は服を乱したまま、欠伸をしながら説教を聞いたり、なんなら続行をするし。 どれだけ妨害しても次の日もさらに次の日も学校でエッチをするし。 今日も今日とて、相手に騎乗位をさせたまま、笛に聞く耳を持たず。 やっと気づいた相手が着のみ着のまま逃げる一方、岩見は床に座って眠そうな顔を。 「きみは見られて興奮するタイプなのか!」と喚けば「まあ」とおもむろに立ちあがり、俺に壁ドン。 「おまえの気を引いて興味を持たせたかったかな?」 BLゲームとあって決め顔にしてイケボ。 画面越しでなく至近距離で対面すると、つい見惚れるし、さんざんエッチシーンを見せられた影響なのか、頬を熱くして口づけを受けいれてしまいそうに。 が、寸でのところで止まり「なーんてな!」と大笑い。 「じつは賭けをしていたんだよ! 頑なに貞操を守っているおまえを、だれが犯せるかってな! 俺はおまえに嫌われているから、だれも賭けなかったから大穴なわけ!」 相手の下衆ぶりに怒るよりぞっとして、逃げようとするも、腕をつかまれて壁に体を押しつけられる。 思い人、静江の顔が浮かび「それ以上のお金をだすから、やめてくれ!」と懇願するも「むかつくなあ!お坊ちゃま!」と下半身をまさぐられて。 あまりに、やだやだと叫んだからか、きつく握りこみしこしこ。 あんあんお漏らしをしながら「ねーちゃんが岩見でプレイしたときのエッチシーンまんまじゃん!」と戦慄。 エッチシーンは多少、操作ができて、姉は岩見に乱暴なエッチをさせたもので。 「なんて屈辱的な!」と歯を食いしばるも、生理現象はどうにもならず「ああん、だめえ・・!」と腰を振りまくり。 「やあ、そんな先っぽ!やだあ、岩見い、やめてえ・・・!合わせる顔が、ひぐう、はあううう!」 射精してへたりこむと、休む暇をくれずに床に仰向けにし、岩見の立派なのをお披露目して、そのまま尻の奥へと。 「やあ、静江、静江ええ!」と助けを乞うように泣き叫べば「うるさい!呼ぶな!」と固く閉ざされたそこに手加減なしの強烈な一発を。 BLマジックなのか、痛くはなく、むしろすさまじい快感が脳天まで貫き、メスイキ。 そのあとも俺に名を呼ばせないためか、間髪いれず腰の強打して、メスイキしっぱなしに、あられもなく喘ぐことしかできず。 「はう、ああ、ああ、あん!ご、めん、ごめん・・・!しず、はひいいん!あう、ああ、ああん、ごめ、ごめんなしゃあああ!」 翌日、学校に行きたくなかったが、親が厳しいので泣く泣く登校。 まあどうせ「風紀委員の処女を奪ってやったぞ!」と岩見が喧伝し、噂が広まれば、家にこもっていようと、静江との関係悪化は免れないが。 「といって、どう対処していいか分からないし」とおそるおそる教室のドアを開けたところ、何人か挨拶してきただけで、クラスメイトは俺に見向きもせず。 見回して、岩見と視線がかちあうも、すぐに顔を逸らされて。 その耳が真っ赤なのに、口をあんぐり。 以降も岩見は自慢をせず、なんと学校でエッチもしなくなり、耳を赤くして俺を避けまくり。 「レイプしておいて恋する乙女みたいな態度はなに!?」と謎のBL的展開についていけず。 そのくせ、俺の心のなかの静江と岩見を乗せた天秤が揺れてやまなかった。 この小説を含めて10作を収録したBL短編集の電子書籍の短編集を販売中。 詳細を知れるブログのリンクは説明の下のほうにあります。

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