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序話

「さいごのお願い――海が見たい」 「いつまでもメソメソ泣いてんじゃねーよ」 「……だって」 「たっく、しょうがねーなあ。これやるから」  いつまでも泣き止まぬ少年に、彼は姉のお気に入りであった人形を手渡した。

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