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第3話 母の再婚3

 1ー3 ゴーレム  町に見慣れない旅人が訪れるようになったのは、ちょうどその頃のことだった。  その旅人は、魔王国の者のようだった。  魔王国というのは、この国と山を隔てた向こう側にある魔族が住む国のことだ。  よく、言うことをきかない子供に親が「魔王国に拐われて売られちゃうぞ」とか言うようなちょっと怖いイメージがある国。  それが魔王国だった。  といっても旅人を拒むわけではない。  その旅人は、母さんが働いている酒場の2階にある宿屋に泊まっていくようになった。  僕の母さんは、ちょっとぼんやりしたところがあって、みんなが怖がる魔族の旅人にも興味津々だった。  よく、家で俺にそのおっさんの話をしてくれた。  だが、次第に母さんの様子が変わっていくのがわかった。  僕にもわかるぐらい母さんは、華やいできれいになっていった。  男、か?  僕は、すぐにピンときた。  別に、母さんが好きな男ができたからといって僕は、反対したりはしなかった。  だって、僕、実は、母さんよりも年上だし?  母さんのことも子供目線というよりは、兄とかの気分で見てたし、幸せになってくれるならすごく嬉しいし。  僕たちは、もともと住んでた家を出て今では、爺さんの農場に住んでいた。  爺さんは、法律的にも問題なく農場をきっかりかっちりと僕のものにしてくれていたので町の連中からも文句を言われることはなかった。  町の人たちもいい人たちで、僕たち親子のことを優しく見守ってくれていたし。  まあ、僕もすごくがんばって働いてたし。  農場のこと、1人できりもりするのは大変だけど、僕には、チートな力があったのでなんとかなった。  僕は、土からゴーレムを何体か作っていた。  それも人形人形したものじゃなくもっと人間ぽく見えるやつな。  母さんには、よその町からきた人たちとかいってごまかしてたんだけど、母さんは、全然気づいてないみたいだった。  ちょっと心配になるぐらいのぼんやりさだし。  まあ、恋する乙女な母さんは、そんなことまで気にしてる暇はないし、ゴーレムもすごくよくできてたしな。  

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