1 / 1

第1話

俺の恋人の千秋にお誘いをすると、三回に一回にしか応じてくれない。 仕事人間だから「明日早い」「疲れた」と断るのがほとんどで、しつこいと「生理だから」と真顔で返答。 そりゃあ、断られるのは辛いが、ノー問題。 はじめは「おい、やるんだろ」とそっけないものを、ベッドに乗ると俺を抱きしめ、しきりに唇を押しつけてくる。 目をつむって、積極的に舌をからませ、胸を撫でると「んん、ふう・・・」と喘ぎを漏らし、腰を押しつけてぐりぐり。 「さっさとやれよ」と投げやりだったのが嘘のようで、両乳首をつねって引っぱれば、早早に「くう、んんん!」と射精。 ベッドに倒れて、余韻に浸り「はあ、あ、あう・・・」と震えながら、潤んだ瞳をむけてくる。 涎を垂れ流しに「牧い・・・」と呼ぶのに応じて、これでもかというくらい愛撫しまくり。 胸を吸いつつ、濡れた股をぐちょぐちょ、しゃぶりつつ、尻の奥を指でかき回してぬちゅぬちゅ。 ふだんは不愛想で塩対応、すこしサドっ気がある千秋が、ベッドの上で俺にかわいがられると、赤ちゃん返りしたように初心で幼気な反応を。 じっくりゆっくりと愛撫をするのは、そのギャップ萌えを味わうため。 今にしろ、しゃぶっている俺の頭を指でこそがし「はあう、んああ、牧、牧いい・・・!」と泣きじゃくるのが、いじらしいったらない。 そのうち頭を爪で引っかきだして「くあ、ああ、牧い、も、もお、俺、俺え、んくあああ!」とおねだりする半ばで四回目の射精。 耳や首まで肌を赤く染めあげ、濡れた目で物欲しそうに見てくるのに、加虐心が疼くも、ぐっと堪える。 いじめるのは趣味でないし、プライドが高い彼が甘えてくるのは、エッチのときだけ。 ふだんは俺のほうが頼りがちだから、とことん甘やかしたいところ。 指をぬくと、彼の呼吸が整うのを待ち、剥きだしにした俺のを徐徐に埋めこむ。 奥まで届いたら、反応を窺いつつ、緩急をつけて腰を打ちつけては引いての繰りかえし。 「はぐう、ふあ、おおう!」とうれしそうに悶えるも「牧い、牧いい・・・!」と呼びつづけ、腰をくねくね。 「もっと、もっとお、牧のおちんちんでえ、俺を、ぐちゃぐちゃ、してええ!」 まあ、いじめなくても、もどかしさに耐えきれず、おねだりをするのだが。 「まったく千秋はかわいいな」と囁いてから腰を強打すれば「いい、いいよお、牧い!」と嬉嬉として鳴き、狂ったように乱れて。 「牧の、おちんちん、しゅきいい!うんああ!ま、牧のでえ、お腹、ぱんぱんしてえ、ああ、ああ、おおおふう!」 この日のためにナオ禁した甲斐あり、千秋が求めるまま、三回も注ぎこむと、体力が尽きて二人でばたんきゅー。 目が覚めたところで「うっとおしい」と突き放し、立ちあがる千秋。 昨晩の見る影もなく、いつものクールなイケメン。 「三回に一回が終わったかー」とため息をつくも、部屋をでていく前に千秋が「今夜、ホテルのディナー予約したから」と。 きょとんとすれば「お前の誕生日だろうが」と舌打ちをして退室。 いつもは、つづけてエッチしてくれないのが。 俺が生まれてきた日を祝って、二日連続抱かせてくれる彼を一生、愛そうと思う。 この小説を含めて10作収録したBL短編集を電子書籍で販売中。 詳細を知れるブログのリンクは説明の下のほうにあります。

ともだちにシェアしよう!