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冬の帰り道

キンと冷えた冬の夜空の下。 夕食を外で共にした帰り道。 誰もいないからって繋いできた君の指があたたかい。 その手がふと離れたと思ったら、 「健太! コンビニ寄ろ! 肉まん買お!」 数メートル先、眩しく光るコンビニを嬉しそうに指差す君。 うんって言おうとしたら、それより先に朔がチラリとこちらをうかがいながら口にする。 「あ、これから…、健太んち寄ってい?」 もうすっかり俺んちに寄るつもりだっただろうに律儀に尋ねてくる。君のマフラーが冬風にビュッと揺れる。 「当たり前だろ」って、君の手を握ると、朔は今日一番嬉しそうに笑った。 「蒸し器で温め直して、こないだのお酒と一緒に食べるのどう?」 「健太んち蒸し器なんてあった?」 「買った」 「…肉まんとか温めるために?」 「そう」 「わざわざ?」 「そう」 面白そうに笑い出す君を「なんだよ」って俺も笑いながら突つく。 「あ、雪!」 朔の歓声に空を見上げると、ふわふわと少しずつ舞い落ちてくる白。 寒いはずだ。 2人で過ごす初めての冬。 君となら寒いのもきっと楽しいって思った12月の夜。

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