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番外編
耳責/羞恥/拘束/乳首責/へそ責/焦らし/挿入有/甘々
◆ ◇
【来月24日、25日空いてる?良かったら泊まりに来てほしい】
仕事終わり、まったりしていると陽太から一通のメッセージが届いた。
連絡不精なので今までは殆どきた事がなかったが、付き合い始めてからは短文ではあるが、ちょこちょこと送ってくれるようになった。
「空いてる」
【じゃあよろしく】
たったそれだけだが、次の予定が決まって自然と表情が緩んだ。
そして陽太との約束当日、定時で仕事を終えた俺は直様帰ろうとすると、朝からずっと別の部署へ応援に行っていた後輩がこちらへやってきた。
「先輩!間に合ったぁ!良かった!」
「お疲れ様、何かあった?俺今から予定あって」
「今日先輩の誕生日でしょ?これ、プレゼントです。今から彼女さんとデートですか?引き止めてすみません!たーっぷり楽しんで来て下さいね」
「あ」
そこで初めて、今日は自分の誕生日だったと気付く。綺麗にラッピングされたプレゼントを受け取ると、素直に嬉しくて、俺は後輩に微笑みかけた。
「忘れてた。覚えててくれてありがと、嬉しい」
「はぁー間に合って良かったぁ。じゃ、俺ももう帰るんで濃厚な夜を過ごして下さいねぇ?」
「るせ、一々からかうな」
バシッと叩いてからプレゼントを鞄へ入れ、ニヤニヤ笑った後輩に手を振って職場を出た。
自分の誕生日の事を思い出すと、わざわざ一ヶ月も前に誘ってくれたのは今日お祝いしてくれる為だったのかと嬉しくなりながら近くまで来てくれていた陽太と合流した。
「お疲れ」
「おー、陽太お疲れ。あれ、私服?」
「うん。今日明日休み取った。俺ん家で良い?」
「うん」
休み取ってくれてたなら俺も今日休めば良かったなと思いながらも、その後は何も会話する事なく二人で隣を歩き、いつもの陽太への家の帰り道を歩いた。
「お邪魔します」
「お腹空いてる?先風呂とご飯どっちがい?」
「風呂入りたい」
「んじゃもう湯は沸かしてるから一緒に入ろうぜ」
「おー」
スーツをかけてすぐに風呂場へ向かうと、先に服を脱いでいる陽太の体を見て早くもムラッとしてしまった。
「お前やばいな、何でそんな興奮してんの」
「してねーよ!!」
「すげーエロい顔してんぞ」
「してねーってば…」
「…先入っとくわ」
誕生日を祝うために今日誘ってもらえたと気付いたからか、無性に意識してしまいいつもみたいな対応が出来ないまま、俺も服を脱いで浴室へ入った。
「ヒロ、洗ったげる。座って」
「やらしい事すんなよ」
「ヒロ次第」
椅子へ座らされると、温かいシャワーが体へかけられた。真正面にある鏡はお湯の温度で曇ってくれていて、照れくさくてつい真っ赤になった顔を見られずに済むから安心した。
泡立てられたボディソープをのせた陽太の手が肌へ伸びてくると、体は小さく反応した。
「…ん、」
「体熱いな。熱とかない?…ただ恥ずかしいだけ?」
「ぅ…っ、ん…」
後ろから伸びた手は胸元へくると、ゆっくりと乳首をなぞられた。泡で滑りが良くなっているからか、今までにないシチュエーションだからか、異様に体が反応を示してしまう。
「ふ…っ、ぁ、」
「体洗ってるだけで何て声出してんだよ」
「お前の手が…変なとこ、触るから!」
「はぁ?胸洗ってるだけだろ」
「ん、だって…、やめ、…っ」
「もしかして体洗ってるだけで感じてんの?」
わざと感じる様に触りながら意地悪にそう言う陽太に何も言い返す事が出来ないまま、ビクビクと椅子の上で体を反応させていると、両脇に指が滑り込んだ。
「!あっ、まって、」
「滑ったら危ないから良い子にして。激しくはくすぐんないから」
滑り込んだ指はゆっくり脇の下でもぞもぞと動き出した。椅子から転げ落ちない様に体を支えてくれる陽太に体を預けて、擽ったくて気持ち良い刺激を受けた。
「ぁ…ぅ、……っふ、ぁ…」
「可愛い。気持ち良い?」
後ろから耳へキスされ、低い声で囁かれるとそれだけで興奮してしまい、勃ち上がった自身を隠す様に足を閉じた。
「ヒロ、体洗われんの気持ちい?」
「…き、もちいい…っけど、」
「けど?」
「陽太の顔、見えないし…抱きつけないから…、早くお風呂出たい、したい、我慢出来ないっ」
「…あーもう、ご飯食べたらめちゃくちゃ可愛がってやるからまだ煽んな」
「じゃあエロい触り方すんなバカ!!」
「洗ってるだけで勝手にエロいとか言うなよ」
本当にまだするつもりはなかったのか、その後は普通にゴシゴシとお互い洗い合って一緒に湯船に浸かった。
お風呂エッチは初めてだし少し期待していた分淋しいが、お腹も空いたので我慢する事にした。
「…あー幸せぇぇ」
「この入浴剤、職場の人にいいって聞いたから買ってみた」
「すげー良い香りだな、落ち着く。あったかい」
後ろから抱き締めてもらう形でお湯に浸かりながら、陽太の肌の感触と温かいお湯と入浴剤の香りに疲れがぶっ飛んだ。
「…あー…気持ちい」
「良かった。また明日もゆっくり入ろ」
「うん」
「もう少し浸かってていいよ。俺飯の準備してくる」
「おーサンキュー」
ザバっと勢い良く水の音がして陽太が湯船から出ると、お言葉に甘えてもう少し浸からせてもらう事にした。
「はぁ…キスしたかった。もっとくっつきたい~~」
バシャバシャと無駄にお湯で音を立てながら本音を声に出した。飯も美味いの準備してくれて、きっとケーキもあるんだろう。
だけど、それ以上に陽太にもっと触れたい。キスしたい。
「…好き、陽太。ばぁか、風呂でキスくらいしてくれてもいーじゃん…」
「おい、そんな可愛くバカ言うな。あとで…その、嫌って程してやるから」
「聞き耳立ててんじゃねーよ!!」
「お前の声がでけーんだよ」
二人で軽く言い合いをした後、恥ずかしくて体が熱くなりすぎたので俺もすぐに風呂場から出ると、美味しそうな料理がずらりと並んでいた。
「うわぁぁぁあ!美味そう!やば!」
「普段ヒロより料理しねーから下手だけど…すげー頑張って作った。口に合えばいいけど」
「陽太が作ってくれたってだけで嬉しい!ありがと!」
用意してくれた料理やお皿、お酒を運んで一緒に準備をしてちょこんと陽太の隣へ座った。
「いただきます!」
手料理なんて母親以来なので感動しながら口へ運ぶと、めちゃくちゃ美味しくて、パクパクと食べ進めた。
「美味いぃ」
「良かった」
「嬉しい」
二人で仕事や休みの話、いつも通りに会話を楽しみながら酒を飲んでいると、相変わらずコップ半分くらいで少し眠くなり始めた。
「…ヒロ、もうお酒やめようか」
「うん…」
「寝る?」
「キスは?…いっぱい、可愛がってくれんだろ」
「…していいの?眠いだろ?」
「してくれないと怒る、いっぱい…したい…」
お酒の力を借りて甘える様に擦り寄ると、優しく頭を撫でてもらえた。それが嬉しくて自分から唇を近づけるとむぎゅっと口に手を当てられた。
「先に片付けるからベッド行ってろ」
「…うん」
言われたまま素直にベッドへ行き、ボスンとベッドへダイブした。陽太の匂いがするベッドは寝転ぶだけで幸せな気持ちになれる。
本気で眠くなってきてウトウトしていると、後片付けを終えた陽太がこちらへやってきた。
「ヒロ、寝ようか」
「寝ない、一瞬寝たら少し回復した」
「それなら遠慮なく」
起き上がって陽太へ抱き付くと、額へキスされて優しく服を脱がされた。
「…ん」
「可愛い」
下着も全て取り払われると、優しくベッドへ押し倒され、陽太も俺の上へ覆い被さった。
「…今日は縛んねーの?」
「ヒロが縛られた方が興奮するなら縛るけど、今日はいい。優しくする」
「…ん、じゃあ今日はこのままする」
「うん。分かった」
ちゅっと額や頬へキスをされると、我慢出来なくて唇を尖らせた。
「口、がいい…」
「口に何してほしい?」
「キス…してほしい」
「うん」
優しい笑顔が向けられると、ずっと期待していたキスを贈られた。
「…よ、た…好き…」
「俺も」
背中へ腕を回し、陽太の体温を感じながら必死に舌を絡ませた。それがとても気持ち良くて幸せで。
「口も体もあったかい、気持ち良い」
「きもちひ……」
「…可愛い」
深いキスを何度も繰り返した後、ゆっくりを肌を撫でられた。いつもなら陽太が大好きな拘束とくすぐりプレイになるのだが、今回は驚く程に普通のプレイで、少し物足りない様な恥ずかしい様な感覚にモゾモゾと足を動かした。
「ヒロ、可愛い」
「ん、んぅ…っ、はぁっ」
唇が離れると、ゆっくりと耳へ口付けられボソッと低い声で囁かれた。
「ふぁ…っ耳、っだめ、」
「ダメなの?…すげー気持ち良さそうだけど」
「あっ、…ぁっ!陽太、待って…っ」
「本気で嫌なら押し返して。その為に縛ってないから」
「ぅ…っん、やじゃ、ないっけど、恥ずかしい…変な声、出る…っ」
「いいよ、大きい声出そうな時はキスして塞ぐから」
「ひァッ」
塞ぐと言われた瞬間、耳へ舌を入れられてビクッと体が跳ねた。
「あ、あ、…っやぁ、」
「耳気持ち良い?」
「ゾクゾク、する…っ気持ちい、」
「…ん、良かった。ヒロ、好きだよ」
「ぅ…っ、やばい、ちょっと…!待って、」
「千紘」
「!?…やっ、待って!今、呼ぶなっ」
「千紘、好き。…可愛い、今日会えるのすげー楽しみにしてた」
「ふ、ぁぁぁ…!」
ボソボソと感じる様に耳元で囁かれると力が入らなくなり、押し返す事なんて出来ずに力無くしがみついた。
「なんかやばい、ゃぁぁぁ…」
いつもと全く違う優しくて蕩ける様な攻めは、異様に恥ずかしさを感じた。
「よ、たっ、何…いつもと、違う…恥ずい」
「ん…いつも激しかったから、今日は優しくしたくて。嫌じゃない?」
「やじゃ、ねーけど……」
頬にキスをされ、熱っぽい眼差しで見つめられるとそれだけでまた羞恥を感じて目を逸らした。
(こんなのめちゃくちゃ大事にされてる恋人みたいな前戯じゃん…!無理!キャラじゃない、恥ずい!)
実際恋人だし、今日は俺の誕生日だからなんだろうけど気恥ずかしくて目を合わす事が出来ず、ぎゅっとしがみついた。
「可愛い、恥ずかしい?」
「恥ずかしい……」
しがみついた腕を捕まれ、体を離されると両手を一纏めにされて頭上で押さえつけられた。
「あ」
くすぐられるかと思いきゅっと目を閉じると、首筋から鎖骨にかけてゆっくりと舌が這いピクンと体が反応した。手を掴まれて少し抑えられるだけで一気に興奮し、自身は面白い位に勃ち上がった。
「ふ……ぁ、ぁぅ…っ」
恥ずかしい位甘いだけの自分の声が部屋に小さく響く中、陽太は優しい舌の動きは変えずにゆっくりと俺の気持ち良いと感じる場所を攻めてくれた。
「ぁ…、よ、たぁ…やっぱ、縛って…っ恥ずかしい、けど興奮する……っ」
今日の陽太は甘々なので素直に甘えてみると、いいよと小さく耳元で囁かれた後、俺用に装着していた手枷に腕を固定した。
手が固定されたのを確認すると、特にからかう事はせずにまた上半身へ戻り、ゆっくりと胸元を舐められた。手は脇腹から腰の辺りを優しいタッチで撫でられブワッと鳥肌が立った。気持ち良すぎて蕩けてしまいそうな刺激。
「んぁ、っきも、ちっ…気持ちい…」
「良かった。ヒロすげー綺麗、可愛い」
胸元に這う舌は乳首の周りをなぞりながら、たまに乳首を掠めてくれて。その瞬間にビクッと腰が跳ねた。
「あ、ぁ…もっと、舐めて…っ焦らさないで、」
「どうされるのが好き?」
「ふぅ……っ吸ってぇ、甘噛み、して…舐めてぇ…」
「…あーやば、可愛い……いいよ」
素直におねだりすると、ちゅっと俺の好きな強さで乳首を吸い上げ、歯で優しく甘噛みしながら隙間から舌先で擽る様に舐めてくれた。
「うぁ…あっ、気持ちぃ……」
こんなにも恥ずかしげもなく"気持ち良い"なんて言った事あったっけ、とぼんやりと思いながらあまりの気持ち良さに陽太を見つめながら身を任せた。
ゆっくりと優しくて長い愛撫が続けられると、もう自身は先走りでびっしゃりと濡れており、限界を訴える様に震えていた。
「ぁぅ…我慢、出来ないぃ…下触ってぇ、入れて…っ」
ガチャガチャと手枷を鳴らして訴えるも、陽太は発言する事なくゆっくりと上半身を堪能した。
乳首から離れると、俺の苦手な脇へ到達し、舌先を上手く使ってくすぐられた。
くすぐったいよりも気持ち良いが勝つ優しい刺激に、ビクッと体が跳ねると、ゾワゾワと鳥肌が立った。
「ひぁぁぁ…!あっ、待っ、…恥ずかしい待って…変な事舐めんなぁ…!!」
相変わらず何の発言もしない陽太は脇の窪みをつつく様に舌先を押し付け、片方の空いている手で優しくくすぐってきた。
優しい愛撫で相当感度が上がっていたのでそれだけで体は強く反応し、ガクガクと足が震え出した。
俺が弱すぎたからか、陽太は脇への攻めは毎回必ず入れてくるので嫌でも少し開発されてしまい、今はくすぐったいよりも感じる方が強い。
「可愛い、くすぐったい?」
「気持ち、い方が…強いっ」
「ん、良かった」
クルクルと舌が動くとゾクンと腰が疼き、我慢出来ずに勃ち上がった股間を陽太へ擦り付けた。
「ぁ…あ、触ってぇ…も、下ぁ…!無理、我慢できなっ、お願い…」
「だーめ、もう少し愛撫させて」
「もぉぉ…!焦らすの、やぁっ」
「はいはい、分かったよ」
俺が余裕なく体をバタつかせると、ゆっくりと舌が脇腹へ降り、ちゅっと腹部へキスされた。
「ふぁぁぁあっ!」
「お臍も好きだよね。少し舐めたらちゃんと下、触ってあげるから」
臍の周りをゆっくり舌でなぞられるとガクンと腰が反った。
「ふぁ、あっ、ぁぅ……やぁん、」
周りをなぞっていた舌がお臍の穴へ侵入すると更に身体中に快感が走り、腰をくねらせた。
「はぅ…はや、くっやぁぁあ!やば、いぃ…」
「可愛い、すげー震えてる」
臍から離れた唇はそのまま下へ降りていき、俺の濡れまくった自身までやってきた。
「ぁ…あ、早くっ、陽太っ早く、早く!!」
「そんな焦んなよ」
体を移動させた陽太は、俺の股間へ顔を埋めると自身には触れずにゆっくりと鼠蹊部や自身の付け根に舌を這わせた。
それも気持ち良いがもう頭はイキたくて仕方ないので焦ったい刺激にボロボロと涙が溢れ出た。
「…ごめん泣かないで。一回イこっか」
泣いている事に気付いた陽太はすぐに自身を咥えてくれて、優しい舌使いを披露してくれた。
「ふ…っ!あっ、イク、イクっ、出る、口…離しっ」
自分でも笑える程の早さで射精感が高まると、ジタバタと体を捩った。流石に口に出すのは申し訳ない。
「あぁァッ!よ、たぁっ……離してっ、離せ、だめだって…口に、出しちゃうからぁぁっ」
「出していいよ」
咥えられたまま喋られるとその刺激でまた我慢が効かなくなり、ブルッと身震いして勢い良く口内へ欲を吐き出した。
「ん…」
俺の出した欲をゴクンと飲み込んだ陽太は、綺麗にする様に先端を舐めてくれたのだが、達したばかりで敏感になったそこを刺激されると耐えれなくてビクビクと体が跳ねた。
「ひぅっ…待っ、待って舐めなっ、でっ、やぁぁあ!」
ジタバタ足をバタつかせると、動きを制限する様に足を押さえられ、ゆっくりと自身に舌が這った。
「~~、だっ、めぇぇぇ…陽太ぁっ、だめ、やば…また、イッ…ちゃう、イッちゃう!!」
「いいよ、好きなだけ出して」
「ふ…ぅぅぅ、~~っ!!」
止まらない舌の動きにあっさりと二度目の欲を吐き出すと、陽太は俺から離れて洗面所の方へ走っていった。
流石に二回も出して申し訳ないとは思いながらもいつもと違う甘い責めに動く事が出来ず、必死に息を整えた。
「はぁ…っはぁ、…やばい、もう…」
「ごめんただいま。水飲む?疲れてない?」
「ん…飲まして…喉乾いたぁ…」
「いいよ」
ペットボトルの蓋を開けると、溢れない様に口元へ持って来てくれたが、フイと顔を逸らした。
「ん?飲まねーの?」
「……飲まして」
「は?飲ましてやってんだろ?」
「……違う、陽太の口で………」
「…あー、そういう事。口開けて」
コクコクと潤す様に先に陽太が水を飲んだ後、水を含んだ口が近づいて来た。
ヒヤリと冷たい水が注ぎ込まれると美味しくてコクコクとゆっくり飲み込んだ。
「…美味しい」
「うん」
「陽太、入れて……」
「うん、休憩しなくていい?」
「もう我慢出来ねーから、早くして……」
「へいへい」
近くに置いてあるローションを手に取り、たっぷりと指へ垂らすと、期待をしている蕾へ挿入した。
「んん…っん、」
今日して貰えると思って少しだけ自分で慣らしてきたのであまり痛みを感じる事はなかったが、一瞬陽太の顔が曇ったのが分かった。
「…一ヶ月振りなのに結構慣れてない?」
「あ」
もしかして俺がまた誰かとやったと思ったのか、今までの優しい指の動きは強さを増した。
「違う…っ、」
「…何、お前自分で解したりしなくね?何で?」
「…陽太が、今日…空いてる?って結構前から約束…してくれたのが…う、嬉しくて堪んなくて……少しでも早く繋がりたくて……じ、自分で…指、入れてみた…」
「………あー、やば…」
「引いてんじゃねーよバカ…」
「お前には昔から散々引かされてきたけど、今回は引かねーよ」
「いや、俺はそんな引くことしてねーよ。つーかお前の方がドン引き要素あったろ」
「そんなドン引き要素ある俺を好きになってくれてありがとな?」
「…るせっ」
「可愛い」
「…俺、お前しか見えてないから。絶対他の奴に触れらせたりしないから、安心して」
「ん、ごめん。ヒロの事になるとなんか心配でさ。俺に似た奴指名するし段々可愛くなって色気も出て来てるし、俺に似た奴指名するし」
「…お前ねちっこいな。あん時付き合ってなかったんだから別にいいだろが…っひぁ!?」
喋りながらもずっと動いていた指が曲げられて前立腺を掠めると体が激しくのけ反った。不意打ちだったので甘い声も漏れて顔が熱くなる。
「ヒロのおかげで早く入れれそう。なぁ、気になるから今度自分で指入れてるとこ見せろよ」
「あっ、…やだっ、絶対見せなっ、い、」
グリグリと前立腺を突かれると上手く言葉が出せずに指の動きに合わせて腰が跳ねた。
「んぅぅ…入れて、入れてぇぇ…っ、もういいっもっと強いのほしい…っ」
「慣らせてるとはいえまだダメ。もう少しだけ慣らしてからな」
「やーだぁぁあっ、早く、早くしろよぉ…」
「…じゃあ指増やすから良い子にしてろ」
指が増やされると一瞬体が強張ったが、空いている手で自身を扱いてくれたのでスムーズに進んで行った。
「ぁ、あ…陽太ぁ、好き…っ早く、欲しい、陽太ぁ」
「あーもうあんま煽んないで。俺も我慢してんだから」
「意気地なしぃぃ…とっとと入れろよぉ…」
「何だよそれ、良い子にしてろって言っただろ」
俺の言葉を止める様にキスされると、自ら舌を絡めて深いキスにした。
「ん…お前キス好きだな、すげー指締め付けてくる」
「好き…陽太だから、好き…もっとキスしたい、から、早く入れてぇ…」
「…ん」
漸く慣れてきたからか指を引き抜かれると、ゴムを装着した陽太の自身が当てがわれた。
「あ…」
期待した声が漏れると、グッと腰を掴まれてゆっくりと挿入された。先端だけで苦しいが、それ以上に繋がれる喜びが増し、俺は笑顔を見せた。
「…も、その顔反則。可愛い」
余裕ない表情の陽太は遠慮がちにしながらも腰を進めてくれた。
「陽太、キスして…っ」
「うん」
ゆっくり挿入を進めながら前屈してキスされると、その瞬間に奥まで腰が進められた。
「ッ----!!」
チカッと目の前に光が散ると、あまりの刺激に声が出なかった。
「ヒロ、口開けて」
「~~ッッ、」
ゆさゆさと腰を動かしながらキスされると、幸せ過ぎてぎゅっと拳を握り締めた。
やっぱり抱き付きたいから腕解いてほしいなと思っていると、陽太はキスを続けながら手枷を外してくれた。
「んぅぅ…」
解けた瞬間に背中に腕を回して強く抱き付くと腰の動きが早くなり、ぎゅうっと締め付けた。
「…ちょ、緩めて。イキそう」
「イッてぇぇ…」
「…もっと気持ち良くさせたい」
「十分、気持ち良かったぁ……今、の俺のお願いは……お前に気持ち良く、なってほしい…っ」
「俺も十分気持ち良いよ。すげー幸せ」
「好き…陽太ぁ、」
「ヒロ、俺も好き。……お誕生日おめでと、ベタだけど…生まれてきてくれて、その……あ、りがと」
「…照れながら、言うなよ…可愛いな、もぉやばい、ばかっ」
「ちょ、きついきつい、イクってば締め付けんなよ」
「早く、イケよバカっ」
ちゅっと俺からキスをして舌を絡めると、陽太はビクッと体を震わせて俺の中へ欲を吐き出した。
「…はぁ、気持ちい…ありがと、陽太、大好き…」
「俺もすげー好き」
ぎゅっと抱き締められた体はとても温かくて、甘える様にしがみついた。
今まで色んな人に誕生日を祝ってもらったけど、心と体も満たされたのは初めてで。
ポロポロと流れた涙が止まらなかった。
「…え、何で泣いてんの」
「幸せすぎて涙出た。来年も、ずっと祝って。ただ隣に居てくれるだけでいいから、ずっと、」
「…お前が嫌って言っても離さねーからな」
「うん、言うわけねーだろそんな事」
「…千紘、好きだよ」
「俺も大好き。陽太」
体を離してお互い柔らかく見つめ合い、軽くキスをした。
◆ ◇
「今日は随分甘々だったな」
暫くしてお互いベッドに寝そべると、ピロートークが開始された。
「いつも激しいから誕生日位は優しく抱こうと思って。こっちの方がいいならこれからも甘々多めにするけど」
「………が、いい」
「ん?」
「いつもの、激しいやつ……も好き、これからもそっちがいい。でも今日もやつも愛されてるって感じがしてすげー良かったから…毎年誕生日は甘々にして」
「…可愛い、わかった。じゃあ明日はいつもみたいに激しく抱いてやるから今日はゆっくりしよう」
「うん、明日も楽しみにしてる。あ、そうだ。今日後輩からプレゼント貰ったんだけど見て来て良い?」
「おー」
ふと思い出して鞄を探ると、小さく可愛い包み紙が出て来た。陽太も気になったのかこちらへやってきたので、開けてみると、なんと。
「…お前、これ媚薬じゃん。なんつーもん貰ってんの?」
「いやいやいやいや、違う違う違う!」
「違くねーだろ。…お前、妬かせたいの?」
先程とはガラリと表情の変わった陽太がプレゼントと共に俺をベッドに押し付けたのはその直後の事だった。
end.
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