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第1話 出逢い①
母方の祖母の申し出で夏休みの間だけ田舎のばぁちゃんちで生活することになった
正直、嬉しかった
これで息が出来る生活を送れる
両親は3つ年下の弟を可愛がるのに必死で、俺のことなんかほったらかし
でも、何かあらを見つけては干渉してくる
いや、俺的にはむしろ完璧に無関心でいてほしかった
俺がテストで100点とっても、成績上がっても、彼らは誉めてくれなかった
でも、弟が絵のコンクールに入選するとその日は豪華な食事が出た…
一方で、俺の成績が落ちると彼らは拳を振り上げて罵ってきた
でも、弟が成績落ちても、彼らは「次頑張ろう」と笑って、その日は弟の好きな物ばかりテーブルに並べた…
そんな空間に吐き気がしていた
玄関を開け家に入ると、見えない何かが俺にのしかかり、眩暈も止まなかった
息が出来なかった…
だから、俺は思った
ゲーセンもカラオケもスタバもファミレスもないド田舎でも引っ越したい!!と…
あの家から解放されるならどんなことだってする…
そして、俺は独り、ばぁちゃんちにやってきた
息の詰まる自宅から電車で2時間、バスで2時間
見慣れた都会からどんどん離れてたどり着いたのは…
「うわぁ~…マジ田舎…」
バスから降りて、眼前に広がるのは360度全て緑色の野菜畑
どこをみても緑!緑!緑!
緑一色
そんな、田舎
いや
ド!田舎
そんな場所でも俺にとっては、あそこに比べたら天国なわけで…
ものすごく解放感に満たされていた
そして、そんな気持ちで足取り軽くばぁちゃんちに向かった
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