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第1話
雨の百日紅
ああ。今日は盆の送り火。
朝流れてきたツイッターラインで
もうそんな日かと思いつつ、
新盆なのに母の墓参りもしていなかったことに気づいた。
「 新盆、キリスト教だったのに関係ないよね 」
と呟いた僕に、
横から
「 でも新盆だから、した方が良いよ、墓参り 」
「 そんなもん? 」
「 そんなもん 」
庭に出るというので雨の中
庭に咲く百日紅の花を取ってもらう。
百日紅の花の咲く下はちょうど池になっていて足場が悪いのに、
花ばさみで、もちそうな花を探してくれる彼。
「 もう、散り間際だけど、良いの? 」
「 うん、母が大切にしてた木なんだ 」
と言った時に不意に思い出した。
そうか、父が好きだった百日紅の花。
母が大切にした百日紅の木
伴侶……
小雨の降りしきる中、手を伸ばして花を取る君を
僕は
いつまでも
大切にしたい……
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