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【New!】『君は知らなかっただろうけど、』- 12/7 新規配信
一目見た瞬間。
僕は彼に一目惚れをした。
そんな彼は引く手数多で、男女問わず沢山の人達と次々付き合っていた。
だから、僕なんかが入る隙はないと思っていた。
でも、それでも何もせずに諦める事はできなかった僕は、ある日。
意を決して彼に告白をした。
彼は、それに少し驚いたようにすると、目を逸らして言った。
「君はダメ」
君のためならなんでもする。
君の好みの男になるためなら自分の全てを変えられる。
ついに告白してしまったという勢いもあってか、大人しく引き下がれなくなった僕は、そう言って食い下がった。
すると彼は、また少し悩んた後、誰に宛てるでもなく小さく言った。
「……君は、本気になっちゃうから、ダメ」
そして、それだけ言うと、彼はそのまま足早に去って行った。
そんな彼の目元は、少し赤らんでいたように見えた。
僕の脳内では、大量の疑問符たちがどよめいている。
もしかして、いや、もしかしなくとも、今――。
今、僕は――。
大変まわりくどい告白返しをされたのでは――?
― 『 君は知らなかっただろうけど、』 ―
🍵 Thank you for your time... 🍵
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