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深刻な恋人不足に陥ると 2

1週間ぶりの八雲さんは、まるで狼みたいだった。 キスをしてるとき、執拗に追いかけてくる八雲さんの舌に絡まれて思った。 八雲さんはなんかもう、自分で言うのもアレだけどオレのこと大好きすぎる。 陶磁器を扱うかのように、優しく抱くのがいつもの八雲さん。 でも、今日の八雲さんはいつもと違う。 急いでるっていうか、がっついてるというか…八雲さんの欲がチラついてるかんじ。 いつも欲はあるんだろうけど、本当にオレのことを第一優先にするから八雲さんはそれを上手く隠してる。 「ごめん南……今日っ……優しくできないかも」 初めて見る余裕のない瞳と声に、ドキドキが止まらない。 「いいよ……オレはどんな八雲さんも好きです」 「もうほんと…勘弁して」 いつもより色っぽい声音で言った八雲の手が、オレの服の中に進入してくる。 お腹、脇腹、背中と少しずつ上に進む。 くすぐったくて思わずふはっと笑ってしまう。 気が緩んだ隙に、八雲さんの手が胸の突起を掠める。 「ひぁっ!?」 急な刺激に思わず高い声が出る。 八雲さんと会うのは1週間ぶりで、こうやってエロいことするのはなんだかんだ1ヶ月ぶりだ。 前までどうしてたかとか全然思い出せない。 八雲さんに変な声って思われてないか不安になる。 「南可愛い…もっと声聞かせて」 「あっ、やっ……やくも、さ…ぁっ」 八雲さんは、オレの考えてることが伝わってるんじゃないかって本気で思う。 掠めるだけだった指が、押しつぶしたり転がしたりいろんな動きをし始めた。 久しぶりの刺激に耐えられなくて、体を八雲さんから離そうとする。 「あっ、あっ、だめぇ…んんっ」 「こーら。逃げちゃダメ」 「あっ!?」 八雲さんがオレのことをベッドに押し倒して馬乗りしてきた。 両手は頭の上でまとめられ、左手でベッドに押さえつけられる。 キスと乳首をいじられて息があがり、抵抗する力がなく八雲さんのされるがまま。 そういえば八雲さんって両利きだったなーとかふと思い出した。 「なに?南は他のことを考える余裕あるんだ」 どうやら普段八雲さんが隠しているSのスイッチを押してしまったらしい。 腕を拘束したまま八雲さんはオレの胸に顔を寄せて、突起にキスをちゅっとキスをしてから口に含む。 「ち、がっ…ああっ!まって…っぁ…」 「ちょっと膨れてるね。可愛いよ南」 与えられる刺激が強くて、腰がビクビクと動いちゃって。 オレの口は、さっきから甘い声が絶え間なく溢れてくる。 ひたすら乳首をいじられて、頭がクラクラしてきた。 「っ…やぁ…まっ、てぇ…んんっ」 「本当に待ってほしい?南のここ、もうこんなに反応してる」 制服のスラックスの上から、自身をするりと撫でられる。 「んあっ!あぁ…そこ、そこっ…」 撫でられてるだけなのに、いつもより敏感に反応してしまう。 もどかしい刺激に、意識と反して腰が動く。 「っもう、ほんと、なんでそんなに可愛いことするの…」 「やくっ、やくもさっ…さわって…もっ、ぁっ…むりぃ」 「ん、可愛い声いっぱい聞かせて」 舌を絡めるキスをしたあと、八雲さんの手がオレのベルトに伸びる。 これから訪れる快感に期待して、自身がドクンと反応するのがわかった。

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