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第1話
【男でも痴漢にあってもいいが、それ以上は別料金です!】
俺はそこそこタイムがよく、そこそこ有名な大学生のスイマー。
「オリンピックでメダルを!」と高らかに叫ぶほどの野心はないが、できるだけ長く現役をつづけ、引退後も業界で水泳関連の仕事をしたい。
が、スポーツの世界はきびしく、タイムが抜きんでて知名度も抜群なスイマーでないと、スポンサーやパトロンはつかず、活動資金の不足に悩まされる。
金づるをゲットするには多くの大会に出場し、好タイムを叩きだし、国内のランキング上位に食いこむ必要があるが、活動資金が足りなければ遠征できないし、費用をつくるためにバイトをしたら、その分、練習時間が削られて力がつかないから元も子もない。
にっちもさっちもいかず、焦るまま高収入の短期バイトがないか、大学で聞き回ったもので。
果たして友人の友人の知りあいが「ちょっと危ないけど」と紹介を。
裏社会の連中がからんでいるものはお断り。
いくら活動資金がほしいといったって、犯罪に荷担するようなバイトをしたら業界から追放されるのは目に見えているに顔をしかめたら「まあ聞きなって」と接近してひそひそ。
「ぶっちゃけると、満員電車で男に痴漢される仕事なんだよ。
基本で一回、乗車十分から十五分で一万円からの報酬をもらえる。
客とつながるのは管理人が独自に開発したアプリで。
この管理人がいい意味できびしくて、トラブルが起きないよう目を光らせているから、安全に痴漢プレイができるわけ。
アプリの使用料、報酬の5パーセントを払うだけで厳密なルールさえ守れば、管理人は指示や口だしをしない」
警戒しつつも、アプリを見せられたり、痴漢プレイの実体験を聞かされて心が動かされる。
といって新人はすぐに客をとれず、しばらく適正を見るための期間がいるらしい。
「こう見えて俺、人気があって、客が同じ時間帯に重なることがあるんだ。
お試し期間中にブッキングした客の片方の相手をしてほしい」
知りあいの顧客の相手からはじめるなら不安もすくない。
が、ひとつだけ懸念があり「俺、たぶん反応しないと思うけど、それでもいいの」と聞く。
「客もいろいろだから、もちろん下半身を反応させて悶えてほしい人もいるけど、無反応でもいいから触りたい、むしろそのほうが興奮するという人もいる。
俺の客には、あらためてお前を紹介するし、条件にあう人を選ぶから問題ない。
まあ、水泳で鍛えあげた、そのシックスパックを誇る筋肉美なら、突っ立ったままでも触りたがる人は多いと思うよ」
彼のいったとおり顧客に事情を打ちあけて俺のシックスパックの画像をお披露目すると、半数以上が「代わりオッケー!ていうか大歓迎!」と反応上々。
それにしても同性とは一切、経験がない俺にして男に痴漢されるのに抵抗がないのか?と思われるだろうが、ノー問題。
なにせ不感症のインポなのだから。
中学二年のころ交際をはじめたばかりの彼女に駄々をこねられ学校でエッチをしたところ。
途中で彼女が発作を起こして大事になり、大人に叱られるし、校内エッチが周知になるしで、刃物で喉をかっ切りたいほどの恥をかいたのだ。
以降、エッチができず、そもそも彼女をつくれず、もとより自慰もできず、触っても無感覚なら異性の裸を見ても無感動。
なんて哀れな体質になったに、おそらく男に触られても不快感も覚えなく、トラウマを甦らせる状況に身をおけば、逆に目覚めてしまう危険もない。
「危ないバイトだが、俺にはむいているかもな」と知りあいの手伝いをはじめたところ、思った以上に調子がいい。
基本の股間と尻で一万円、しかも拘束時間が長くても二十分となれば、大儲けで、追加料金五千円でほかの部位もお触り可能という設定とあり、多い日には一日一回で三万円くらいで稼げる。
【おっぱいみたいな俺のお尻を弄ばないで】
六才からはじめて大学までレスリング一筋。
たいした成果をだせなかったものを、理不尽な恋愛禁止のルールを守って情熱を燃やしながらひたむきに競技人生を歩んできて悔いはなし。
なんて清々しい思いで大学卒業と共に引退をし、スポーツメーカーの企業に就職。
恋愛禁止から解放されて、遅ればせながらに青春を謳歌し、早く童貞卒業をしようと意気込んだのだが。
社会人になって半年くらい経ち、仕事や一人暮らしに慣れて、時間や心に余裕がでてきたころ。
「そろそろ恋愛を求めての活動をしようかな」と思った矢先、風呂場の鏡に自分のうしろすがたを写して呟いた。
「・・・なんか、お尻がおっきくなってね?」
小学校から大学までほぼ毎日こなしていた、地獄で延々と拷問をうけるようなトレーニングと食事制限をやめた影響で、たしかに体脂肪率はアップ。
なれど今でもジムで定期的に鍛えているし、仕事で走り回っているから人並み以上に体は引きしまって、体重も平均を下回っているはずが。
全体的には細マッチョながらに腰回りだけ、やけに肉つきがよく、女性的な曲線を描く輪郭、白く艶やかな肌、触ってみれば、指がどこまでも沈んでいくように柔らかいったらない。
女性のようなお尻になったなんて男として認めたくないが、スーツのズボンに収めるのが大変だし、着られたとして今にもチャックが弾けとびそうに窮屈なのがまごうことなき現状。
ぞのうち、とうとうお尻がズボンにはいりなくなり、出勤するのを断念、そのまま退職することに。
「お尻がおおきくなっただけで」と呆れられるかもしれないものを、スーツ必須の仕事、しかも勤め先がスポーツメーカーとなれば死活問題。
爽やかな肉体美を誇る美男美女のスポーツ選手を広告塔にしている会社のイメージからして、従業員はスマートにスーツを着こなすのが基本。
お尻のサイズにあわせ、ぶかぶかのスーツを着て不格好なざまを晒すなんて言語道断、脂肪の塊をねじこんだところで、張りつめたズボンは否応なく目立ってしまい、男には笑い者にされ、女子には「わたしよりおおきいじゃん」と忌避され、謳歌したい青春が台なしになってしまう。
まともにスーツが着れないなら転職も難しく、探しに探してやっと見つけたのが工場。
作業服のつなぎはスーツほどフィットしなく、体のラインが見えにくいから都合がいいし、職人への憧れがあってのこと。
その工場はスポーツ用品を製造する老舗。
一般用のを大量生産しつつ、選ばれし職人さんはプロのオーダーを受けて専門的な仕事を。
レスリングをしてたころは、スポーツ用品にお世話になったからに、こんどは自分がスポーツ選手を支えるいぶし銀の職人になろうと考えたわけだ。
俺だけでなく、職人を目指す若いのが多くいて、おかげで前の会社を半年辞めての転職を疑われずに済み、スポーツメーカー勤務時代に何回か工場に顔をだし「そのときに職人の仕事を見て惚れたのだろう」とまわりに思われて好都合。
そうして問題なく工場勤務をはじめられたものを、下半身に爆弾を抱えているような身だから警戒を怠らず。
朝はなるべく早く出勤して更衣室に人がいない隙をついて着替え、退勤も同様、できるだけ遅く工場にとどまり、空き室になったところですばやく私服に。
更衣室で人と会うのを避けると訝しく思われそうなところ、この工場は仕事熱心な従業員ばかりだから。
「春に入社したやつらに遅れをとっている分、追いつこうと励んでいるのだろう」「まだまだ下っ端だが、職人の仕事ぶりを見て学ぼうとするとは殊勝な」と好意的にとらえてくれ、詮索してこないのがありがたかったもので。
まあ実際、転職組として焦っていることもあり「足手まといにならず、一人前に作業をこなせるようになりたい!」と朝早くから夜遅くまで仕事に没頭。
甲斐あってか半年くらいで、一年目の新入社員たちと遜色ない技量を身につけられ、無人の更衣室を狙っての早着替えもお手のものに。
今日も今日とて「稲造さんの手さばには時間を忘れて見いっちゃうなあー」とうっとりしながらの深夜○時近くの更衣室。
工場にのこっているのは俺一人だけ、鍵をわたされて戸締まりをまかされている。
着替え途中でだれかが更衣室にはいってくる危険がなかったから、渋さが光る職人技をじっくり眺めさせてもらった余韻に浸り、のんびりしていたところ。
「だれすか、のこっているのー?」と扉が開かれた
【画面越しに舐めるような視線に舐められまくる強情な格闘家はあの人の目が恋しい】
幼いころから両親は俺に無関心で放置。
そりゃあ中学生ともなれば、やさぐれて、似た境遇の子らと夜の町を徘徊。
わるぶった年上やさもしい大人にからまれたが、腕っぷしの強い俺がすべて返り討ち。
中学に上がるまで強制的に柔道を習わされていたおかげで、成人と遜色ない筋肉質な体格をして人並み以上に怪力だったから。
俺の強さに惹かれてとりまきは増え「利用できる」と踏んだのか堅気でない大人たちが、いい寄るように。
両親のせいで大人不信とあり「うまい話がある」との誘いには易々と乗らず「逆に利用してやる」とそういう輩とつきあっていたが、所詮は子供とあり、徐々に裏社会に引きずりこまれていって。
あと一歩で人生転落といった危うい状況に至って、手を差しのべてくれたのがジムのオーナーだ。
オーナーもかつて非行少年だったのが、格闘技をはじめてからプロいり、試合の連勝、日本チャンピオンに君臨といけいけどんどんに成り上がり。
満を持して世界大会に進出というときになって、練習中に倒れ、病院で脳の精密検査。
「日常生活は送れるが、激しい運動をしたら死ぬかもしれない」と医者に宣告されて引退したとはいえ、漫画のような成り上がりぶりはいまだに輝かしく語り継がれ、非行少年や裏社会の人間に純粋な憧れを抱かせている。
今はジムのオーナーをしながら、夜に町を歩きまわり、家出少年少女の支援を。
そう、俺も前から声をかけられ、鬱陶しく思っていたのが、そのときは本格的な犯罪に荷担しようとしたのを止めてくれたのだ。
相手はかなりの危険度が高い半グレの連中。
彼らは俺を仲間に引きこむつもりだったらしいものを、不良や輩に尊敬され、裏社会に独自のコネを持つオーナーの口利きによって、すんなり解放をしてくれた。
「余計なことすんな!」と暴れる俺を、オーナーはなんとか宥めながらジムにつれていき「住みこみでジムの手伝いをしながら、プロの格闘家を目指しなさ」と。
今から思えば、大変な温情だったとはいえ、当時は大人不信が極まってたから反抗的態度に徹して、なにかと噛みついては大暴れ。
そのくせジムから跳びださなかったのは、なんだかんだオーナーへの甘えがあり、また実家以外の居場所がほしかったからだろう。
オーナーが忍耐強くおおらかに接して面倒を見てくれたのと、所属選手や元非行少年が親身になって寄り添ってくれたおかげで、今や彼らを家族のように思い、この恩には一生をかけて報いようとの心がまえに。
恩返しとなれば、喧嘩が強い能力を活かし格闘家として名を馳せ、稼ぐこと。
なれど、不良時代、負け知らずだったのが、ジムで修行を積むようになってからは、てんで弱くなってしまい。
喧嘩相手をサンドバッグのように物と見なしていたのが、血が通った人間だと認識を改めたことが原因。
殴ったり蹴ったり、絞め技をかけて相手が苦悶すると、同じように自分も痛めつけられている錯覚をし、さらには胸がしめつけられ、それ以上、攻撃できなくなるのだ。
せっかくプロテストに合格して、試合にださせてもらっているというのに申し訳なく、オーナーに相談するも「人のことを自分事のように思えるなんて、すばらしいじゃなか」と誉められてしまうし。
「これじゃあ恩返しどころじゃないよ・・・」と頭を抱えてため息をついたのは、ジムの二階の居住スペース。
夕食をつくり終えて、野暮用があると外出したオーナーの帰り待ち。
なんだか手持ちぶさたで余計なことを考えてしまい、気をそらそうとスマホを手にとった、そのとき。
【アダルトビデオで秘書が過激SMプレイに興じていた件について話したい】
社会人になってから友人になった幹夫は、出会ってはじめのほうにゲイだとカミングアウト。
俺は気にせず、ふだん、あまり意識することもなく、幹夫も不必要にゲイであることをアピールせず、もちろん迫ってくることはなく、健全な友人づきあいをしていたのだが。
その日は幹夫の家で飲み会とお泊まり会。
いつものメンバーでもう何回も泊まっているから、友人らは実家に帰ってきたようにくつろぎ、俺なんかノートパソコンを開いて「なあ、おまえのエロコレクション見ていい?」となんとも気安いもの。
すこしまえに、ほかの友人の選りすぐりのコレクションを見せてもらい興味深かったことから「じゃあ幹夫は?」と気になってのこと。
「デリカシーがない!」と怒られそうなところ幹夫はおおらかだから「いいよー」とブックマークの場所まで教えてくれて。
早速、ラインナップを見たところ「彼氏とおうちデートでいちゃついてエッチして最高の一日を」とか「はじめて彼氏とホテルへ、処女を捧げる記念の日」とか恋人同士、両思いの平和的なエッチものばかり。
「幹夫は温厚だし、やっぱ裏表がないんだなあ」と感心するも、ひとつだけ異色のタイトルが。
「お疲れの社長のあなたに従順で献身的で床上手な秘書が色香あふれる体で今宵も慰めてあげます」
開いてみると、これまた吃驚。
タイトルのイメージを裏切って過激なSMプレイものだったから。
「エロコレクションを見る限り二重人格みたいだな!?」と困惑するも、映像の時間は短く体験版のよう。
再生を押すと、社長にセクハラをされながら仕事をする秘書の映像がすこし流れ、以降はダイジェストでエッチシーンが。
スーツを着たまま、馬術に使うような鞭で打たれて「仕事中に相手社長に色目を使うとはなんだ!あいつが俺より年収が高いからか?顔がいいからか?権威があるからか?このお下劣淫売秘書があ!」と怒鳴りつけられて「あうう!も、申し訳、ありましぇ、んふお!わ、わたしがあ、お慕い、申し上げるのはあ、しゃちょお、だけえ、ひぐうう!」と膨らんで濡れたズボンから水滴をぽたぽた。
蝋燭の火が揺れる薄暗いところでスーツを乱し、覗かせる白い肌にロウを滴らされて「商談が蹴られたのはお前のせいだ。お前が誘うように流し目をするから、会長は俺に軽蔑の眼差しをむけたのだぞ?」と淡々と責められて「んぐうう!わ、わたしはあ、会社、しゃ、しゃちょお、ため、思って、くううあ!よ、余計な、ことお、ご、ごめん、なしゃああ!」と社長のもっこりに自分のを擦りつけてぬちゅぬちゅ。
そうして虐げられた跡をさらして裸になり、ついには首を絞められながら「お前がああ!お前のせいで契約を打ち切られたぞ!CEOに体を差しださなかったからあ!許さない!く、ふふ、ははは!でもほかの男とセックスしても殺してやるがな!」と理不尽な物言いをされて「はう、ああ、ああ、しゃちょお、わたしい、役立たずで、ごめえ、なしゃあ!んふうう、も、もっと、もっとお、しゃちょ、のお、おちんち、でえ、おしおき、してくださ、んひいい!」と白く艶やかな尻に(モザイクがかかっても透けて見える)黒い男根を抜き差しされてぶっぢゅぶっぢゅ!
社長に命令されて取引相手のお偉いさんに緊縛されたうえで視姦されたり、堅気でない人間に脅されて生け贄として差しだされて輪姦されたり、三百六十度に観客席があるステージで見知らぬ男に次々に犯されるという見世物にされたり。
なかなか、えげつない内容だったが、さっきまで動画を見ても「へー男同士って、こんな風にするのかあ」と無邪気でいられたのが、今は心拍数と体温をあげて腰をむずむず。
「やばい、このままじゃあ・・・」と腹に力をこめたとき「あーそれねえ」と幹夫がパソコンを覗きこんだ。
ぎくりとしつつ「なんか、おまえの趣味じゃなさそうだけど?」と平静を装って聞けば「いやさあ、この秘書が会社の秘書じゃないかと思って」と意外な答え。
【上司に抱かれて昇進した淫乱リーマンは部下にセクハラされて焦らされるのがお好き】
俺は二十代半ばにして課長に昇進。
異例のスピード出世には、もちろん訳がある。
営業の部署が陣どるフロア、その近くにある社長室。
「社員とは距離を近くして、まめにコミュニケーションをとりたい」との希望で、部署と社長室を隔てるのはドア一枚。
そのドアにはすこし隙間が。
向こうの部署が見えそうで見えないのに震えながら、手を噛みしめて「ふううん・・・!」と内蔵を押し上げるような衝撃に堪える。
「ふ、ふふ・・・べつに俺は声をあげてもらってもいいんだけどお?
いいね、ほんときみ生粋の淫乱リーマンだねえ、声を噛み殺して俺を睨みながら、涙目でもっともっとお!っておねだりして、はやくはやくう!ってばかりに腰をふって絞めつけちゃってさあ」
俺の足を持ち限界まで広げ「もっと苛めたくなるう!」とさらなる腰の強打を畳みかけるのは社長。
まだ四十代ながら跡取りとして社長に就任し、悪化していた業績を急速V字回復させたほど、経営手腕、知性、カリスマ性、容姿、人徳、人柄、どれをとっても申し分ないお人だ。
が、少々やんちゃなところがあり、すくそばに営業の部署があるというのに、目で覗けるほどにドアを開けたまま、真っ昼間にエッチ三昧。
うん十万するという高級な机の上で仰向けになり下半身丸だし、手を噛んで泣きつづける、新任課長の俺相手に。
「ほら!覗いてるよ!営業部のやつらが覗いてるよ!」と嘘と分かっていても煽られては、その声量に冷や冷やすることもあって「んん、くうう、うううん!」と否応なく高みへと突きあげられる。
「俺はばれてもいいけど!?むしろお披露目したいね!仕事中に愛しあう俺たちを!」と刺々しい笑いと肉壁が焼けるような摩擦に追いつめられ、呼吸がままならず、手から歯をぬこうとした、そのとき。
「ああ!営業部に喘ぎが届いちゃう!」と絶望しかけたところで社長の口づけ。
おかげで声は漏れなかったものを、社長とは初めてだったし、余計に呼吸困難だし、舌使いが巧みで恍惚とするような、でも、同時に巧みな腰使いで暴力的な快感を叩きつけられ「あ、ああ、気もちよしゅぎてえ、辛いよおお!いっそ、殺してよおおお!」とえらい情緒不安定に。
えげつないほど水音が響くものだから、脳が舐め回されるような錯覚がしてたまらず「っっっっんぅ!」とメスイキ。
直後に顔を引いた社長が口角を高々とあげてみせ、ドリルのように先端を回しながら注ぎこんできたのに「ふうああ・・・!」と昇天しそうに。
が、この場で失神したなら大惨事だ。
ぎりぎりで正気を保つも、引きぬかれたなら、ひどい虚脱感に襲われて高級机から起きあがれず。
精液まみれの下半身を剥きだしのまま、ぼうっと天井を見つめる無作法さを社長は叱ることなく、顔を覗かせて「よかったよお」とベルトをかける音を立ててかちゃかちゃ。
「こんどはドアを開け放って、きみの手を縛って、公開処刑をするように犯してやろうか!」と屈託なく笑ってみせてから、遠ざかっていきドアの閉まる音が。
ほっと一息ついて、でも、だれかがいつノックするとも限らないから、とりあえず机からずり落ちて床に女の子座り。
呼吸を整え、動けるようになったら、持参した紙袋からタオルをとりだして体を拭き、新しいパンツとズボンに着替え。
よごれたタオルとパンツとズボンを紙袋にいれて退室。
社長室をでると目の前に広がるフロア、そのデスクにつく営業部の連中が「またあいつか」「ちょくちょく社長室にきているけど、何者?」といわんばかりの視線を寄こすのに、そそくさと廊下に逃げる。
一旦、更衣室に寄ってロッカーに紙袋をいれ、自分が課長の席をおく商品開発部へ。
長く息を吐いてから、部署に踏みこむと、冷たい視線が集中。
顔をひきつらせる間もなく、一斉に完全無視。
当たり前の態度とはいえ、いまだに慣れず、肩を縮めて自分のデスクに座ったならすぐに「これ、頼まれていたやつです」と何枚かのプリントを投げつけられた。
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