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第22話 ※
「もう……イく……」
「いいよ。ジスの出して」
「出していいか?」
緋色の瞳が燃え上がる炎のように揺らめいている。
「うん。出して。僕の中、ジスのもので満たして」
「っく……」
どく、どく、と僕の胎内で脈打つ音が聞こえる。この間よりも多く出ているらしい。しばらく、ジスが荒い呼吸をして僕の身体にくっついてくる。
「ぁ……」
静かにジスの怒張が引き抜かれる。
出ている……ジスのものがたくさん。溢れている。
そんな感覚に身体が発熱するように熱くなる。僕は後孔に指を持っていき、垂れ落ちてくる白蜜を手に乗せて、ジスの前に持っていく。
ぺろ、と白蜜を舐めてみた。するとジスが口をぽかんと開けて僕を見てくる。
そんなに変なことしたかな? 僕。
そうしたら、ジスの顔がぶわぁと真っ赤に染まり、目を泳がせ始めた。
恥ずかしがってる? 照れてるのかな?
「ああ、ダメだ。こんなにかわいい子を天上の国の王子などに抱かせたくない」
ぎゅう、と脇腹が痛くなるまで抱きしめられる。ジスの言葉に胸の奥から嬉しさが込み上げてきた。
「僕も、最初で最後に抱かれるのはジスがいい」
自分の素直な気持ちを伝えると、ジスは僕の頭に頬をすりすりと擦り寄せてきた。僕はごろごろ、と猫のように喉が鳴りそうなくらい気持ちいい。
「さあ、湯浴みをして眠ろうか」
「うん」
しばらく抱き合っていると、ジスが僕の身体から離れて、身なりを整え出す。
2人して露天風呂に入り、お湯をかけ合う。
最後には僕のことをジスが後ろから抱きしめて、うなじにキスを落としてくれた。
「そなたのことが好きだ」
「うん。僕も。大好き」
心地いい声音のジスにそう言ったら、背中にあたる彼の怒張。
そのまま露天風呂でしてしまった。お湯の煙にほわほわして、あまり鮮明に覚えてないけれど、とても優しく愛を示してくれたように思う。
そんな一面もいいな。
なんてお花畑なことを考えて、僕はジスの腕の中に閉じ込められた。
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