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3.Escape~逃亡の果て
まあ、後ろから追いかけてくる奴らが言うとおり、オレが盗みをはたらいたからだ。
今日1日分の食事を賑わってる市場から、ちょいちょいっと、な。
それでもってオレが両手に持っているのはまさにそれ。
真っ青な天井で輝いている太陽には負けるけれど綺麗な赤いリンゴみっつに長細いパン。
それから甘い果汁のメロンをひとつ。
え? それをオレが全部食べるのかって?
違う、違う。
この食材はオレとオレの家族で分けるんだよ。
オレの家族は病気で寝たきりになっている母さんと、今年7歳になったばかりの妹の3人。
父さんが出稼ぎで死んでしまってからというもの、働き手もないオレがすることといえば、こうして盗人になって、追っかけてくる奴らを振り切って、家に帰るだけだ。
そんなオレの住まいは、この活気ある街とは比べものにならないくらい、荒れ果てたスラム街にある。
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