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第146話

 ガギンッ  首の骨が折れた音  否  もっと金属質な音だ。  パラパラ、パラパラ……  破片が落ちていく。  お兄様の仮面の口許が割れて、薙刀の刃を歯で止めていた。  カラン、カランカラン 「国の代表にしては脆いな。安物か?」  歯で噛み砕いた刃が、派手な音を奏でて床に落ちた。 「ほう……身体強化魔法か」 「貴様は幸運だ。仮面が全て割れていたら、即死刑だった。しかし、仮面が全て割れなかったお蔭で……」  ペッと口の中の血液を吐き捨てる。 「暫しの時を長らえる事を許された後に、死刑だ」

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