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短編
人たらしと呼ばれる男が会社の同僚にいる。
『新島さん、今日飲みに行こ…?』
すり、と太股を触り、上司の男にしなだれ掛かる姿は扇情的だ。
俺の目の前で行われているこれはどこのキャバクラなんだろうか…?
(やってんの男だけど。そして種族も淫魔なんだが…)
妙に気に喰わないのは何故だろう。
「そ、そうだな。それじゃあ…行くかぁ!?」
『嬉しい』
性別は男、そして淫魔だと分かってるんだけど、なんというか…その姿は大変様になっていて大層エロい。
長い髪をポニーテールにしていて、胸ぐらを開けて中性的な容姿を惜しみ無く発揮している。
ネクタイをしていないし完全に仕事やる気ねーだろと思いきや、きっちり最速で終わらせる有能ぶり。
その為、同僚からは好かれ、上司からは大層可愛がられている。
見た目&態度詐欺だろと思いつつ眺めていると、同僚こと雨竜彩音(うりゅう さいね)と目があった瞬間そっぽを向かれた。
『新島さん。早く行こっ』
「おぉ、急かすな、急かすな!可愛いやつめ」
俺にとって雨竜 彩音は失礼なヤツである。
俺には始終素っ気ない態度なので、彼の事は正直苦手だ。
「あははははっ!また彩音さんに誘われなかったっすねー!」
俺の肩を叩きながら笑う馴れ馴れしいコイツは後輩である。
お調子者で良くミスをやらかすが、その明るい性格のお蔭でこちらも上司には可愛がられている(ある意味匙を投げられたとも言う)。
「アイツになんかしたか?俺」
「さあ?でも先輩だけ飲みに誘われてないっすもんね!」
「え?マジ?」
「他の人全員最低二回以上飲みに誘われてますよー」
それは気付かなかった。
雨竜は毎日違う人間を飲みに誘い、二人だけで飲みに行くので、俺だけ誘われていないというのは今はじめて知った。
「なんなんだアイツ…」
「ここだけの話、彩音さん淫魔だから飲みに行った先で相手と寝てると言う噂が…」
「そういうお前は?」
「俺は良く誘われるんすけど、普通に飲んで終わりっす」
「だと思ったよ全く。アイツが淫魔だからって変な噂立てんなよな。
淫魔は体のエネルギー変換が俺達人間と違うってだけなんだから」
「へへ…すいやせん!」
まぁ、だからと言って誘われない事や俺に対しての反応に何も思わない訳ではない。
「…つーかなんか腹立って来た。俺だけ誘われてないんなら俺から誘ってやろうか」
「お!良いんじゃないっすか?」
「明日誘ってやる。見てろよ」
「結果を楽しみにしてますね!!」
「おおよ。盛大に断られてやるわ」
「そこは成功させましょーよ!」
その後後輩と飲みに行くかという話の流れになったので会社を出て後輩に店選びを任せる事にした。
「この間良いお店知ったんすよー」
「ふぅん?どこだ?」
「ここっす!」
店内に入ると落ち着いた空間が出迎えた。
なるほど、店員の対応も素晴らしい。確かに良いお店だな。
「おっ!見てください先輩、彩音さんと新島さんっすよ!」
後輩が指差した先には二人の姿が。
対して向こうからは見えづらい角度。
「……お前わざとだろ」
「まぁまぁ!こっそり見てみましょーよ」
「はー…もう席に着いちまったし、しょうがねぇな」
艶っぽい雨竜と上機嫌な上司。
上司にお酌をして淫魔の黒い尻尾を優雅にくねらせている雨竜。
俺達も酒を飲み料理を摘まみながらそれを眺めていた。
「はー、彩音さんめちゃくちゃエロいっすね~…。俺も一緒に飲みに行った時めっちゃ体近くてドキドキしっぱなしでしたよ」
「男だろうが」
「男でも見た目めちゃ良いじゃないすか!体つきもエロいしもう男でも良いから一度付き合ってみたいっす」
「そんなもんかね」
上司が雨竜の肩に腕を回し、ほっぺにキスをした。
雨竜はクスクスと笑いながら上司の頭を撫でている。
何故だか今日は良く胸がざわつく。…まだ歳って訳でも無いのにな。
「先輩は興味無さすぎじゃないっすか!?性欲あるんすか!?」
「失礼なヤツだな。俺だって性欲位あるっつーの」
「ほーん。じゃあ最近いつオナニーしたんすか」
「一週間前」
「性欲無いじゃないっすか!!!」
「うるせーな普通にあるわ」
上司が雨竜の膝に頭を寝かせたのか、視界から消えた。
雨竜は上司の背中を撫で、微笑んでいた。
こうして遠くから見ていても色気が際立っている位だから上司は酔いが回るのも早かっただろう。
「俺なんかほぼ毎日っすよ!!!シコシコビームっすよ!!!」
「…さてはお前もう酔ってんな?」
「酔ってねーーーーっす!!!」
「酔うと記憶失くすタイプだからな…覚えてねーよな」
情けない後輩の面倒をみながら、ふと雨竜の方を見ると酔っ払った上司の肩を持ち、店を出ていく所だった。
俺らももう少し飲んだら出るとするかね。
「てゆーかぁ、彩音さんマジエロエロっすよねー、もっと密着して欲しいっすー」
「はいはい、好きなのは分かるがセクハラすんなよ」
「セクハラはぁ、犯罪、ですっ!!あっは~~~!!!」
「こんな酒弱いのに何度も飲みに誘われてんのか…やれやれ」
うるさい後輩をなんとか宥めて家まで送り、その日は家に帰った。
━翌日。
休憩時間になり、昨日後輩に話した事を実行しようと席を立った。
「雨竜。今日飲みに行こう」
有言実行。
早速雨竜を飲みに誘ってみたがどうだ。
『え…』
眉を寄せられ、微妙な顔をされる。
俺、やっぱ嫌われてるっぽいなと思って断りの返事を待っていたら雨竜の目が泳ぎ始め、顔がだんだん赤く…?
じーっと見ていたらパッと書類で顔を隠されてしまった。
『は、は、はい…、飲みに行きたい、です』
え?なんだこの反応。思ってたのと違う。
しかも敬語。
「お、おお。じゃあ…仕事終わりに」
『は、はいっ!』
心なしか嬉しそうな声で返されて俺は内心動揺しながら席に戻った。
「成功しちゃったじゃないっすか!」
「あー、なんでだろう。めちゃくちゃ混乱してるわ俺」
なんなんだあの態度の違いは。
今まで俺を避けて来たんじゃなかったか?
なんでしおらしくなってるんだとか色々考えたがとにかく、俺を嫌っては無いという事がハッキリ分かってしまった。
「ていうか俺も一緒に行きたいんすけど!」
「却下」
「即答っすか!?さては喜んでますね!!このムッツリスケベ!!!」
「そろそろお前に先輩の恐ろしさを教えてやる時が来たらしいな」
「スンマセン!!!調子乗りましたッ!!!」
いやでも本当になんだろうなあの反応。
他のヤツらには上司相手でさえタメ口なのに俺だけ敬語というのもそうだが…。
今まで関わり合いになる事もほぼ無かったせいかも知れないが…気になる。大変気になる。
「飲みに行った時気まずくなったらどうするかね…」
「やっぱ俺連れて行きます?」
「酔っ払ったお前を介抱すんのが面倒臭い」
「ちょ、そこまで面倒臭く無いでしょ!?…え、無いっすよね?」
ノーコメントを貫かせて貰おう。
「ていうか彩音さんがOKなら行って良いっすよね!」
「あ?あー良いんじゃねーか」
「よっしゃあ!!彩音さーん!俺も飲みに連れてってくださーい!!」
『ごめんね』
「こっちも即答ッ!?」
一人で騒いでなにやってんだか。
仕事が終わると、雨竜がチラチラとこちらを見て待っていた。
「待たせたか?」
『い、いえ。どこに行くか決めてますか?』
「んー、特に決めて無い。どこか良い所知ってるか?」
『はいっ。じゃあ先導しますね』
雨竜のポニーテールが揺れる。
髪が揺れる度に白いうなじがチラチラと見え、なんとも言えぬ色気を醸し出している。
道を行く人々が振り返るような色気をばら蒔く雨竜。
その後ろを考え事をしながら無言で着いていく俺。
…というか今思えば一人だけ飲みに誘われないからと敢えて飲みに誘ってみたらOK貰えるって何事だろう。
普通それだけ避けてたらOK出さないと思うんだが。
雨竜の後ろ姿を眺めていても謎は解決しない。
二人で飲んでいる最中に頃合いをみて聞くしかあるまい。
『ここはいかがでしょう?個室なので落ち着いて飲みたい時に良いですよ』
「おお、それは良いな。俺の好みだ」
『ふふっ、そうだと思いました!入りましょう』
上機嫌なのか雨竜の淫魔の尻尾がゆらゆらひょこひょこと動いている。
『千歳(ちとせ)さん』
個室内の席に着き、雨竜が俺の下の名前を呼ぶ。
ちゃんと俺の名前知ってるんだな。
『僕、千歳さんと…その…。
いえ、やっぱり…お、お酒を飲んだ後で…!』
「ん?そうか」
雨竜の耳が下がり、先端が赤く染まっている。
チラチラと上目で俺を見ているが、敢えて気づかないフリをした。
「お待たせしました」
「ああ、有難う」
「ごゆっくりどうぞ」
酒と料理が机の上に並べられる。
二人きりの空間。
雨竜は『お酒、注ぎます』と俺に酒を注いだ後は両手で自分のグラスを持ってグビグビと凄い勢いで飲んでいた。
「そんなに勢い良く飲んで大丈夫か…?」
『ふぁっ!だ、大丈夫です、お酒強いので…!』
「そうか、それなら良いが」
だんだんと頬が赤く染まっているのを見て、昨日はもっと余裕のある感じだったのになと思ったらするりとその言葉が出ていた。
「随分様子が違うんだな」
『へ?そ、そうでしょうか……いえ、そうかもしれません』
「昨日飲みに行った時見かけたんだ」
『ひえっ!?』
なんなんだろうかこの反応は…。
まるでうぶな女性を相手にしているみたいでこちらの調子が狂う。
『あ、あ、あの。その、昨日とかはその、ビジネスというかその…』
「ビジネス?」
『はいっ!あれは本心からやってるのではなくて、ですね…接待?的な感じと言いますか…!』
「ああ、なるほどな。確かに言われてみれば接待っぽかったな」
『そ、そうでしょう!』
まぁどうしてプライベートで接待をやっているのかとかは聞かない方が良いな。
多分エネルギー補給の為に接待してるんだろうし。
淫魔だってそういう事を聞かれるのは嫌だろう。
『わ、ワインもう二瓶!』
「お、おい…また頼むのか?今一瓶飲んだばっか…」
『だ、だ、だいじょーぶですっ!!』
運ばれてきたお酒を再びグビグビと飲み干す雨竜。
顔はかなり赤くなっていて妙な色気が漂い始めた。
『千歳さん…そっち、行っても良いですか…?』
「お?おお、構わない」
『ふふふっ。有難う御座います…。やっぱり優しい…』
いや、これくらい普通だろうと思いながらも、嬉しそうな様子に口は挟まない。
テーブルの向こうから回り込み、雨竜が俺の隣の席にぽすんと座る。
『ふふふっ、ふふふふっ…♪』
「上機嫌だな」
『はい…っ!千歳さんに誘われてこうして二人で飲める日が来るなんて思わなかったので、嬉しいです…♪』
この様子から俺の事を嫌っていたのだと思っていたのに実は逆で照れていたから…みたいな感じか。
他のヤツに対しての態度と全然違ったし、すぐにそっぽ向かれてたから勘違いしていた。
『千歳さんお酌します…♪』
「おお、有難う」
『いいえ…!♪なにかあれば言って下さい♪』
ぴとりと肩と肩が触れ合う。
くすくすと笑い目をとろりとさせた雨竜は色気がどんどん増していくようだ。
側にいると甘い淫魔のフェロモンがぶわりと香り、ちょっと居心地が悪くなって来た。
「おま…その妙な色気しまえ?男同士なのに変な気分になって来るわ」
『僕、淫魔なんで…勝手に色気とか、出ちゃうんです…。
でも…変な気分になってくれるの、嬉しい……♡』
雨竜が突然立ち上がって俺の太股に跨がり、止める間も無く正面に座られる。
見下ろすその視線にはチラチラとピンクな雰囲気が見え隠れしているような…まさか、そんな事…。
『千歳さん。僕…』
急にがばっと抱き締められ、俺は驚いてビクッと体を震わせ、慌てた。
「ちょ、なん!?雨竜…!!?」
『彩音って呼んで…』
熱い息が耳に掛かる。
ぎゅっと掴まれた背中も熱い。
脇腹を掴んで引き剥がそうかどうしようかと逡巡していると、雨竜の体から急に力が抜けた。
「…う、雨竜…?」
『… ……くー』
えっ。そんなベタベタな。
確かにあのままの様子で来られたらちょっと…いやかなり危なかったが。
「雨竜?雨竜?おーい…」
「…くー…」
ね、寝たぁ…!?
飲み過ぎてるとは思ってたけど、いきなり寝る事ってあるんだ…?
「あー、仕方ねーか…でも家知らねーし…ホテルにでも泊めに…」
━ぐっ。
「…ん、んー…?」
━ぐっ。
………離れない。
━ぐっ!
「え?いやいや…」
━ぐっ…!!
……雨竜の体が…全然離れないぃ………ッ!!
「え?体はこんなふにゃふにゃしてんのに!?」
背中側のシャツがガッチリと掴まれ、力を入れても全く離れてくれない。
「え、え、これどうしたら良いんだ…?」
困った。
めちゃくちゃ困った。
かと言ってこのままここにいる訳にも行かないしコイツの家には行けそうに無いしホテルにこのまま行くのも離れてくれない限り一人で泊めさせる訳にはいかないし周りに妙な勘違いされそうで…。
「あ~…俺の家に泊めるしか、ねーか…。
雨竜、起きろー。起きないと俺の家に泊めるしか無くなるんだが」
『ふふふ…千歳さぁん…♡』
ダメだ。
完全に酔っ払って寝言言ってる。
俺はタクシーを電話で呼び、頃合いを見計らってお会計をし(店員が少し顔を赤くしていた)、雨竜を抱っこしたままタクシーへと乗り込んだ。
「お客さん達、もしかして」
「ああ、酔っ払った同僚が手を離してくれないので仕方なくです」
「ありゃ、そうかい。美男同士だしてっきり…」
「ははは、ご冗談を」
雨竜の色気が駄々漏れなせいで周りに勘違いされている…!
事前にタクシー呼ばなかったら通り過ぎる街の人々にどんな風に思われたか想像に難くない。
タクシーにマンションの前に止めて貰い、金を払う。
人通り無いのが幸いし、誰にも見付からず家まで帰って来られた。
「雨竜、俺の家だぞ」
『ふぁあ~…千歳しゃんの匂いがしゅる……くー……』
「ダメか。ここで起きてくれたら少しは助かったんだが」
なんとか四苦八苦しながら鍵を開け閉めし、ベッドまで運ぶ。
「雨竜、ベッドだ。そろそろ手を離せー」
『むにゃ…』
「い、一緒に寝るとかは勘弁だぞ…」
主に俺の下半身的な意味で。
このフェロモンを一晩嗅ぎ続けるのはきつい。
ごろりとベッドに寝かすとそれまでが嘘のように背中の手がほどけ、俺の体から雨竜が離れた。
「…雨竜?起きたのか?」
『くー……』
寝てる…つーか……くそっ…ほんと色気がすげぇな…。
はだけたシャツから匂い立つような色香にクラッときそうになる。
いや、いかんだろ。しかも男だからな?
男が男に欲情って………。だ、駄目、だろ………?
『は…、っん…』
ってそこで艶かしい声を出すんじゃない!
本当に変な気分になる!!
「さっさと風呂入って寝るか…」
シャワーでざっと流し、ラフな格好に着替える。
雨竜も多少着替えさせた方が良いかとも思ったが…元々そんなきつい格好じゃねぇしな。
汗だけ軽く拭いてやり、ソファの上にごろんと横になる。
『ん、ぅ……』
艶かしい雨竜の声を気にしないように努めながら俺もなんとか眠った。
━くちゅ…。
「んっ…」
━くちゅ、ちゅぷ、れろ…。
「ぁ、は…っ」
甘い痺れが全身に回っている…。
━くちゅ、ちゅる、ぴちゃぴちゃ…。
「ん、んぅ…」
ペニスに痺れるような快感が走る。
ぬるぬるとしたものが俺のペニスを這い、時折先端が吸われるような感覚。
ピリピリピリッ!♡とペニスから下腹部に快感が広がり、俺は薄く目を開けた。
「━━ッ!!」
な、なんで…。
『ふ━━……ッ♡♡』
欲情した目、赤く火照った頬、シャツから覗く汗で光る艶かしい素肌…。
いや、それよりも。
俺のペニスが、雨竜の口に咥えられている…っ?!
「ッう…雨竜…ッ!」
俺がハッキリと声を出した瞬間、それまでとろりと蕩けて夢中になっていた雨竜の目が見開かれた。
『……ぁ』
雨竜の唇が半開きになり、口の端から白い液がつー…と垂れた。
そして。
『あ…っ、あ、あ、ご、ごめ……!』
「ちょ、うりゅ…っ!」
━ぱたぱたぱた…ガチャン!
雨竜は勢い良く俺の部屋を飛び出してしまった。
「…え、ま、マジ…?」
寝てる間にフェラされてて…俺が起きたのに気付いた途端涙目&顔真っ赤にして逃走、俺は勃起させられた状態で放置。
「ちょっ…雨竜ーっ!?」
何がどうしてこうなったのか説明してくれ!!!
…結局朝になっても雨竜は戻って来なかった(ちなみに勃起は何度かオナニーして鎮めた)。
荷物全部置いてったけど…大丈夫なんだろうか。
「にしても次どんな顔して会社で会ったら良いんだ…」
まさか寝てる間にフェラされるとか思わねーしよ…。
酒を飲む前の雨竜の様子からそんな事を勝手にするようなタイプには見えなかっただけに今、すげぇ混乱してる。
「はー…っ。いやでもまぁ凄い気持ち良…って、やめとけ俺」
気持ち良かったからと言って淫魔である雨竜に抜いて貰うなんて言うのは利用しているみたいでダメだからな。
そもそもなんか気まずいし…。
走って出て行かなくてもとは思うが逆の立場なら…うん、まぁ…。
「置いてった荷物どっかで返さねーとだし…向こうが嫌でも会うしかねーな」
無いと困るだろう。スマホとか。
とりあえず明後日出社して様子を見て逃げそうなら雨竜の机に荷物を置くって事で良いか。
「とりあえず飯…あ、切らしてたか」
それならとコンビニに行こうと家を出た。
のだが。
『あ…』
「ん…」
すぐに雨竜とばったり出会う事になった。
多分荷物の事で困ってウロウロしてたって所だろう。
みるみるうちに顔を真っ赤にする雨竜と、さっきの今なので心の準備が出来ておらず気まずい俺。
「あー、えとな、雨竜…」
『ご、ご、ごめんなさい…っ!!』
雨竜がペコーッ!!と地面に長い髪が付きそうな位の角度でお辞儀をした。
『千歳さんの体が…その………凄く、美味しそうな匂いがして…。
ちょ、ちょっと舐めるだけ…って思ってたら、美味しくて美味しくて…と、止められなくてですねっ………!!』
顔を上げた雨竜は目がうるうるして今にも涙が落ちそうになっていたので、何故か悪い事をしている気分になる。
「分かった、分かったから…。大丈夫だから」
雨竜に触れても大丈夫か分からなかったのでそっと肩に触れてみた。
ビクッとはしたが逃げる素振りはなかったので気にするなとポンポンと軽く叩いてやった。
「まぁ、びっくりしたけど気持ち良かっ」
『本当ですか!!?千歳さんさえ良かったら僕とセックスしませんか!!!!』
頬も耳も真っ赤に染め、目をキラキラさせながらガバッと俺に近寄って来た為、俺は驚いて仰け反った。
「あ、あの、雨竜…大声でそういう事言うのは…」
『ひゃい!!ご、ごめんなさい…!!こ、興奮しちゃって…ごめんなさい…』
あんなに上司や同僚を誘う時はエロさ全開なのに俺にはなんでこうも不器用なんだ。
その事が面白くてつい笑ってしまった。
『ち、千歳、さん…?』
「っはは…ごめ、雨竜って普段すげぇ余裕たっぷりなのに俺の前だとなんつーか、すごく可愛いなって思って」
視線を上に戻したら顔を真っ赤にした雨竜が崩れ落ちる所だった。
慌てて腕を伸ばし、その熱い体を受け止めた。
『ふぁぁ…ちとひぇひゃん…♡♡♡』
「う、雨竜!?雨竜ふにゃふにゃだぞ!?」
『ちとひぇひゃんしゅきぃ…♡♡♡
んひゅううぅ…♡♡♡……………はっ!!!ご、ごめんなひゃい!!!』
雨竜がはわはわしながら俺からバッ!と距離を取る。
そして顔を覆い、耳まで真っ赤に染めて尻尾をブンブンと鞭のように振った。
『ち、ち、千歳さんが好きすぎるあまり告白して…うひゃあああああ今のもナシです!!!ごめんなひゃ……ごめんなさい!!!』
走り去ろうとする雨竜の腕を掴む。
「ちょ、逃げるな」
『や、やです!!!無理です、記憶消して下さいぃ…っ!!!』
「大丈夫だから…っ」
雨竜の体を思い切り引き寄せて抱き締める。
度々おかしな挙動を見せたり可愛すぎる反応を見せる雨竜を気にならない訳がない。
むしろ…好きにならない方が無理ってものだろう。
「俺もお前に惚れたんだ。…だから、もう逃げなくて良い」
『ぁ、あう…あぅ、ぁぅ…』
雨竜が静かになり、代わりに背中におずおずと手が伸ばされた。
ぎゅうっと力が籠る手に愛おしさがわく。
足にも尻尾が巻き付き、ぷるぷると喜びに震えていた。
何分、何十分経っただろうか。
やがて雨竜は落ち着いたのか、恥ずかしそうにゆっくり尻尾をほどいて俺の顔を真っ赤な顔のまま見上げた。
正直またぎゅうっと抱き締めて頭をくしゃくしゃ撫でてやりたい位に可愛い。
『ごめんなさい、取り乱して…』
「大丈夫だ。でも始めに俺を好きになったのはどこでかは気になるかな」
『千歳さんを好きになったのは、その…働き初めの頃に…』
入って間もなく、仕事に慣れていない頃。
種族が淫魔だからなのか、偏見で不真面目だと怒られていた。
そこを俺が割って入って「新人なら上出来でしょ。仕事の出来に淫魔も人間も関係無いですよ」と言ったらしい。
すっかり前の事なので忘れていて俺は細部を覚えていなかったが助けたような記憶はある。
『一瞬で惚れちゃいました』
「確か…そう、五年位前じゃないか?」
『ずっと片想いしてました』
「マジか」
避けられていたせいか、昨日までは雨竜には嫌われているもんだとずっと思っていただけに今の状況が不思議でならない。
雨竜が嬉しそうに目を細め俺を見上げる姿も、雨竜の見え方が180度変わった俺自身も。
ちょっとしたキッカケでこうまで気持ちが変わるものなのだとはじめて知った。
『あ、あの、ね、千歳さん…』
「どうした?」
『想いが通じた後で……えと、非常に言いづらいんだけど…僕、その…突っ込む方の淫魔なんだ…』
雨竜が俺から少し離れ、頭を垂れた。
『抱いて快楽を与えてエネルギーを摂取するタイプだから、その……。
ううん、千歳さんが抱きたかったら、僕頑張るから…!エネルギーは千歳さんの精液を飲むだけでも…』
雨竜の頭をくしゃりと撫でた。
「良いよ。食事ならしょうがないさ」
『…しょ、食事…な、だけじゃ…ない…です。
ち、千歳さんの事…だ、だ、大好き…だから…!』
可愛い。そして愛おしくも感じる。本当に不思議だ。
つい先日までは確かにエロいなぁとは思っていたがそれは客観的事実であって好きとか愛とかには繋がるようなものじゃなかった。
…いや、繋がらないように蓋をしていたのかもしれない。
胸の不快感は時折感じていたのだから。
「五年位前から俺に片想いしてたなら食事は普段どうしてた?」
『あっ、それは時折酔っ払って記憶を失くす人の体液を頂いてました。だから、そのぅ…セックスは久しぶりであまり上手く無いかも…』
「はははっ!良いよ。
俺も彼女いなくてご無沙汰だし、そっちの快感とかどんなのか興味ある。ゆっくりやってみるか」
『!!う、嬉しいです…っ!』
雨竜の尻尾がぱたぱた揺れる。
目が潤み、キラキラと期待に濡れている。
そうだな、今日を含め2日は休みだし…今からでも構わないか。
「彩音、今日明日は休みだし、俺の部屋に…」
『い、今…?』
「?彩音」
『…~~~っ♡♡♡♡♡』
また雨竜がふにゃふにゃと崩れ落ちそうになったので慌てて抱えた。
彩音と呼んで欲しいと言っていたからそう呼んだのだが、雨竜には刺激が強すぎたらしい。
『千歳しゃん♡』
「彩音、大丈夫か?」
『大丈夫じゃ、ないです…っ』
「そ、そうか…じゃあヤるのはまた慣れた頃━━」
『い、今からで!!!』
「お、おお!?」
いきなりしゃんと元気になったのでびびった。
両手を合わせ、『千歳さんとセックス…♡♡♡はぁぁ…♡♡♡』と呟いていたので、やれやれと思いつつ部屋に招き入れた。
『ああ、千歳さんの匂いが充満してて…もう、ほんと、堪らないです…♡』
「そうか?」
『はい♡あ、千歳さんはどんな体位が良いとかありますか?』
体位?うーん…俺がヤりやすい体位は寝バックだが、雨竜は何がヤりやすいのだろう?
「彩音の好きな体位は?」
『えっ!?ぼ、僕は千歳さんと出来るならどれでも…♡♡♡』
「ヤりやすいので良いぞ」
『そうですか?ではまずバックで挿入しやすくした後、正常位で抱き合ってセックスしたいです…♡♡♡』
正常位で抱き合ってか…なんか想像したら恥ずかしいかもしれん。
挿入される側=喘ぐ側…喘いでる姿を目の前に晒す事になるという事。
だが雨竜がやりたいと言っているのであまり考えないようにしなければ…。
『千歳さん…?顔…』
「バックだな!そこのソファで良いか?!」
『は、はい!』
雑な逸らし方をしてしまった。
とりあえずさっと服を脱ぎ、裸になって尻を向ける。
『は、はわわ…千歳さんのお尻…♡じゅる…』
雨竜は気にしていないらしい。良かった……ってじゅる?
『それじゃ失礼して…♡』
ぬるりとした感触が尻の割れ目に落ちる。
「っん…」
『大丈夫、ですか?これから、お尻の穴に舌を入れてほぐすのですが…』
「あ、ああ。大丈夫…少し驚いただけだ」
尻=出す所というイメージが強い為、入れられる事に対して違和感を感じるのは仕方ない。
雨竜の舌のぬるぬるとした感触が穴の中へ入って来ると、ゾクゾクとした感覚が尻や太股辺りに広がっていった。
「ん…はっ……なんか、違和感…」
『嫌だったら…言って下さい…』
「んー、多分大丈夫。尻ん中で舌がぐにぐに動いてんのが…不思議で…ん、んん…」
ぬるぬるがどんどんと奥へ進む。
ぴちゃぴちゃと音を立てるそれがはっきりと感じられ、腰辺りがぞわぞわする。
『快感を強める為にペニスも触りますね』
「あ、っ…あ!♡」
ペニスに触れられ、ゆるく扱かれながら中を舌でぐちぐちされると、一気に快感が強まり、声がでてしまう。
「あ、彩音…そ、れぇっ…!♡」
『前立腺固くなってきて…感度上がって来ました…♡
穴をほぐすスピードを上げますね』
ちゅくちゅくと動く舌、しこしこと俺のを的確に快楽を狙って扱く動きにゾクゾク感が上がっていく。
淫魔の持つテクニックは凄いらしいと耳に挟んだ事はあるが、こんなにも快感が伴うのか…!
「はっ、はっ、彩音…ぇ…♡」
片方の手を宙にさ迷わせる。
されるがままゆるゆると快楽を与えられ、何かを掴んでいないと気分が落ち着かなくなる。
それに気付いた雨竜がペニスを扱いていない方の手で俺の手を握った。
「はーっ…はーっ…♡」
俺が嫌がってる訳じゃないと分かっているからか、雨竜は確認を取らずそのままほぐしを進める。
昨日の夜にオナニーして出したばかりだというのにペニスがピクピクし、先端から先走りが溢れた。
くちゅくちゅと艶かしい水音が部屋に響いている。
頭を下げ、腹の向こう側を覗く。
雨竜の手が俺のペニスをイかない絶妙な力加減でちゅこちゅこと擦る手が見える。
時折尻の方から透明な液が垂れるのを眺めていると、やがてちゅくっと舌が引き抜かれる感触がした。
『千歳さん…正面、良いですか…?』
「ん…?もう、良いのか」
『はい…♡淫魔の体液には催淫の他に筋肉をリラックスさせて弛緩させる成分も含まれていますから』
「へぇ…!ん、尻がムズムズする…なるほど」
それに腹の奥がひくひくしてるというか疼くというか。
体勢を変え仰向けになると、雨竜は衣服を脱いでいる所だった。
『あっ、そ、そんなに見られると…は、恥ずかしいです…♡』
「…淫魔のペニスをまじまじ見たのははじめてだが…」
人間のペニスとそこまで変わりはないように見えるが、血管がかなり隆起していてぬるりとした粘液が時折ポタリと滴っていた。
『淫魔のペニスは人間とセックスしやすいように見た目はあまり変化は無いです。
ですが、挿入しやすいように表面は滑り、快楽を与える為にその人の体内にフィットするように形を変えたり膨らんだりします』
「そうなのか」
これからこのペニスを挿入されて快感を与えられるのだと思うと妙に心臓がドキドキする。
雨竜は快楽を与えてエネルギーを摂取すると言っていたので確実に快感が伴うだろう。
『し、失礼します…』
「…ああ」
太股を持ち上げられそれが尻にあてがわれる。
尻の穴がひくっ、ひくっと震えている。
腹の中も疼きが増し、まるで期待しているかのようだ。
くっ、と押し込むような感覚がしたかと思うと、すぐにずるんっ!♡とそれが入り込み…。
「あぁっ!?♡♡…んッ!♡♡」
こんな早いとは思わなかった。
もう少し緩やかに入って来ると思っていた為、一気に奥まで入ったそれに体が大袈裟に跳ねてしまう。
『あ…千歳さんの…中…っ♡♡は、ぅ…♡♡♡』
雨竜のペニスが中でピくピクピクッ♡と震え、どくんっ!♡と熱いものが腹の中に放出された。
「あっ…さ、彩音…っ?♡♡」
『はふぅ…♡♡♡気持ち、い…♡♡♡』
雨竜は体をぶるるっと震わせ、再びどくんっ!♡と射精した。
俺の体も雨竜の精液に反応してか、どんどんとペニスを感じるようになり、ピストンされずともペニスの脈動でうっすら快感を感じ始めていた。
『はぁ、はぁ…♡♡♡ごめん、なさい…♡♡♡興奮と幸福感で……イっちゃいました…♡♡♡』
「はっ、はっ…そこまで、俺の事…」
『はい…♡♡♡大好き、です…♡♡♡』
雨竜が俺の背中に腕を回し、首筋の辺りにぴとりと引っ付いて熱い息を漏らす。
そうしてる間にもドク、ドク♡と熱いものが少しずつ吐き出され、結合部から徐々に外に染み出している。
抱き合ってセックスしたいという雨竜の希望を叶える為に俺からも腕を回すと、雨竜の背がふるりと微かに震えた。
『あ、はっ…♡♡♡また、イっちゃいそ…ッ!♡♡♡♡♡』
再びドクンッ♡と精液が俺の中に吐き出され、快感が増すのを感じる。
射精した分雨竜が俺を愛しているのだと思うと、心までムズムズとして熱くなった。
「はぁっ、はっ……好きなだけ、イって良いぞ。俺の体が壊れない範囲でな」
『ふぇっ…?♡♡♡あ、あぅ…っ♡♡♡♡はぅうう~~~っ♡♡♡♡♡』
俺が許可した瞬間、ビュルルルルルル━━━ッ!!!と勢い良くそれが噴出し始め、その勢いによる刺激で腹の奥に強い快感がもたらされ、思わず背中が仰け反った。
「っあああっ!!?♡♡♡♡♡」
『はっ、はふぅっ♡♡♡♡♡止ま、らな…♡♡♡♡♡♡』
「ひ、あ、彩音…ッ♡♡♡♡♡あ、あああっ!!!♡♡♡♡♡」
ほぐす間は相当我慢していたのだろう。
どんどんと腹の奥に熱い精液が流れ込み、結合部からも止めどなく雨竜の精液がビュルルルッ!!と凄い勢いで出て行っている。
こんなにも快感が強いとは思わず、若干自分の発言を後悔した。
『千歳しゃ…♡♡♡♡♡しゅ、きぃ…♡♡♡♡♡』
「んあああっ!!!♡♡♡♡♡あっ、はっ、ああああ━━━っ!!!♡♡♡♡♡♡」
雨竜の腰がようやく動き始めた頃には快楽が強すぎて雨竜の体にすがって体を大きくビクビクと跳ねさせ、白目を剥いていた。
淫魔の体液を体に吸収させすぎたという事なんだろう。
『千歳しゃん…千歳、しゃ……ッ!♡♡♡♡♡♡』
「あ"っ、あ"っ、あ"あ"っ、あ"あ"━━━…♡♡♡♡♡♡♡♡」
一際強く体が跳ねた後は覚えていない。
人生初めての淫魔とのセックスはなかなかに強烈過ぎたらしい。
『ご、ごめんなさい…千歳さんが好き過ぎたのとエネルギーが美味しくてついヤりすぎちゃって…!!!』
「あ、ああ…ダイジョブ、だから…」
『で、でも、千歳さん動けない位食べちゃいました…!!!』
その日の夕方頃に起きたら体がめちゃくちゃだるく指一本動かせなくなっていた。
雨竜が言うにはエネルギーが枯渇しかけているとの事。
「気にすんな…ヤって良いっつったの、俺だから」
『ち、千歳しゃんんっ…』
「ほら泣くな……腕が動かせたら頭くしゃくしゃにしてやるんだがな」
そう言うと雨竜が頭をぐりぐりと俺の首筋に埋めて来たので微笑ましくなる。
「今日と明日で体力回復させられるように頑張るよ」
『千歳さんを動けなくしてしまったので、身の回りのお世話しますっ…!』
「お?本当か?じゃあ手料理とか食べられたりするのか?」
『料理得意です…!!何か食べたいものはありますか?』
「そうだなぁ…」
セックスはとんでもなく気持ち良かった上に翌日も雨竜に世話して貰えるってんなら、悪い事無いな。
買い物して来ると言って出て行く雨竜の背を見つめ、俺は密かに笑った。
「最近彩音さん上機嫌っすね」
「そうだな」
「ていうか彩音さんに飲みに誘われなくなったんすけど、先輩が原因なんじゃないっすか」
「そうだが」
付き合い始めてから彩音が俺とのセックスでエネルギー補給出来るようになったからか、職場の皆とはパッタリと飲みに行かなくなってしまった。
それを悲しむ者が大勢出ているらしい…。
「ってちょ、マジっすか先輩!?!?酷いっすよ!!!抜け駆けっすか!?!?」
「抜け駆けっつーか…」
先に好きになられてたというかなんというか。どう説明して良いもんやら。
『千歳さん♡』
噂の元、彩音が頬を染めて俺に挨拶しに来た。
『おはようございます…♡』
「ああ、おはよう彩音」
「彩音さんおはようございますっす!!!」
『うん、おはよう』
「この差っ!!!??」
俺と周りへの態度が違いすぎる彩音に呆れた目を向けるが、彩音は嬉しそうに俺を見返し、耳まで赤く染めていた。
そんなに俺が好きか…可愛いな、全く。
「彩音さん正直最近冷たすぎっすよ!いきなり先輩と親しくなっちゃうしどうしたんすか!?!?会社のアイドルやめたんすか!?」
「なんだ会社のアイドルって」
『千歳さんと念願叶ってお付き合い始めたから会社のアイドル卒業だよ。僕、入社した当時から千歳さん一筋だから…♡』
あっ、あっさりバラしやがった。
「……嘘だと言ってくれっすー!!!!」
『ごめんね?』
「おいトドメ刺すなうるさいんだから」
『えへへ』
彩音が俺の頬にキスをした。
『今夜、またアレしましょうね…♡』
「ん、そうだな」
「アレってなんすかー!!!!しかもちゅって!!!ちゅって!!!」
「はいはいはい落ちつけ」
「無理っすー!!!酷いっすー!!!」
アレはまぁつまりアレだ。
うるさい後輩をなだめつつ、夜に待っている快楽を想像して体をぶるりと歓喜に震わせた。
【その後のお話や補足】
セックスは週一、毎回金曜日。
毎回美味しすぎて食べ過ぎちゃってバタンキューするので。
付き合い始めてからますます美貌に磨きが掛かって周りが千歳を妬…羨んでいる。
彼らもまさか千歳が受け側だとは思うまい。
裏話としては雨竜のいる職場は独身率が高いです。
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