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第3話:健二郎の場合、それはある意味初恋で。

土曜日の朝。 健二郎はいつもの週末の様に、カツミの寝室で目を覚ました。 体格のしっかりしたカツミでもゆったり寝られるキングサイズのベッド。フカフカでほのかに彼の好きな金木製の香りがする。 カツミと恋人になってからは、安心して甘えることが出来るし、料理も美味しいし夜はこれ以上ないくらい愛してくれる。 健二郎は自分のキスマークだらけの肌を見て、隣に眠っているカツミを見つめる。 普段おネエ口調の彼は、店ではいつも派手めな服装とメイクをしている。 が、今健二郎の隣眠っている彼は、ノーメイクの整ったハーフ顔。 実は堀が深くて整った顔をしている。 その綺麗な顔を見つめながら、昨夜の自分を抱いている最中の彼を思い出す。 一見肉食に見えるカツミだが、実はとっても紳士だ。触れはじめはとても優しくて丁寧。 健二郎の反応を確かめながら触れてくる。 挿入すると一気に男らしくなる。普通よりも大き目な彼のモノは、すぐに奥まで届いていいところを突いてくる。 最初は苦しかったが、今では入っていない時も、奥が疼くくらい気持ちがいい。 などと考えていると、健二郎は急に恥ずかしくなってきた。 こんなカッコいい男に抱かれていたのか・・・ 「ん・・・」 横を向いていたカツミが寝返りを打って、仰向けになる。 体格のいい彼の胸板を見ながら、彼の首筋に小さいキスマークを見つけ、健二郎は赤くなる。 眠っているが、なんだかまじまじと見られないくらいカッコいい・・・ 健二郎はとりあえずシャワーを浴びに飛び起きた。 数分後、 カツミは目を覚ました。 土曜日はいつもゆっくりと眠っているはずだが、 隣には健二郎はいなかった。 「健二郎?」 スマホには、仕事を持ち帰ってきていたのを忘れたので、帰るとのメッセージが残されていた。 そのメッセージを見ながら、 「朝ごはん食べていけばいいのに・・・」 と、ふうとため息を吐いた。 その翌週から健二郎の様子がおかしかった。 いつものように夕飯を食べにくるが、なんだか慌ててそのまま泊らず帰ってしまう。 それに以前よりスキンシップが減ったように思う。 カツミは健二郎の様子がおかしい事に、疑問していた。 「どう思う?」 と、ある夜に来ていた、元中学の同級生で現在は教師をしている佐藤に聞いてみる。 彼も恋人は男性で、彼とのなれそめについてはカツミも協力している。 「どうって?様子が変な理由ってこと?」 「そうね」 佐藤は、グラスを片手にうーんと考えてくれる。ウィスキーを一口喉に流し込み、 「なんか怒らせる事したとか?」 「アタシがそんなことするわけないでしょ?至れり尽くせりよ」 「だよね」 カツミがいつも健二郎に、異常なくらい世話を焼いているのは知っている。 「・・・夜無茶してる?」 「優しいってば」 何を話してるんだという顔をしている佐藤はさておき。 カツミも腕を組んで考え込む。そして、だんだんと不安になってくる。 「アタシって・・・重いのかしら」 「物理的に?」 「世話焼きすぎて飽きられたのかも・・・」 と、カツミは急に青ざめてしまう。頬に両手を当てて、あたふたしだす。 実際過去にお袋みたいだと言われて振られたこともある。 佐藤は半笑いで、 「ははっ、いやいや恋人になる前から、結構世話焼いてたろ?いまさら・・・」 と、冗談ぶるが、カツミは本気で心配になってきたようで、 「どうしよう・・・」 「いや、ちょっと落ち着いて」 「恋だって久しぶりだし、そんな駆け引きなんて出来ない・・」 「しなくていいよそんなの、健二郎くんって、そんなタイプじゃないんでしょ?」 「そうだけど・・・そういう恋にあこがれ始めたとか」 佐藤は、ガシッとカツミの腕を掴んて、 「落ち着いてってば。ちゃんと本人に聞いてみた方がいいよ」 冷静に言ってくれる佐藤は本気で言っている。 佐藤の冷静な顔に、カツミはとりあえず落ち着きを取り戻す。 「うん・・・」 次の金曜日、 久しぶりに健二郎が、仕事終わりでカツミの店を訪れた。 だいぶ気軽に話してくれるようにはなったけど、 それでも以前よりも目が合わない。 「おつかれ。お腹すいてるでしょ?今用意するわね」 すると、 「うん。ありがと」 少しだけハニかんで笑う。 そんな些細な事でも、カツミは心の中が温かくなるのを感じた。 他の客が帰った後、カツミは店の看板の電気を消して施錠した。 カウンターでちびちびとお酒を飲んでいた健二郎は、 片付けをしているカツミをただじっと見つめていた。 あらかた片付け終わって、その視線に気が付いて、ふとお互いの目が合う。 すると、健二郎はクルッと椅子を回してカツミに背を向けた。 それにカツミは反応する。カウンターから 「・・・なんでそっち向くの?」 「べ、別に・・・」 しどろもどろに答える健二郎。 カツミは静かにカウンターの椅子に座る健二郎の側に歩み寄り、 「先週家に泊まってから、なんか変よ」 「え?」 「アタシと視線が合わないし、触れあってくれない」 静かに呟くカツミ。 「・・・そんな、こと」 健二郎は力なく呟く。 カツミは彼の隣の椅子に腰かけ、 「アタシ、何かした?あんたが嫌がること」 その言葉の中にある寂しさを、健二郎は察する。誤解させている。 「そんな事されてないよ」 「じゃあ、こっち見て」 と、健二郎は椅子をくるっと回される。 2人が見つめあう。 カツミは健二郎の顔を見て驚く。予想とは全く違って、健二郎は顔を真っ赤にして熱っぽい視線でカツミを見上げている。 対してカツミの悲し気な表情を見て、 健二郎は彼が不安に感じていた事を知って、予想外だった。 カツミはそのまま健二郎の唇に、そっと自分の唇を重ねた。 そっと、優しく。 「なんて顔してるのよ」 「だって」 と、健二郎はまた顔を赤くする。 「前回泊った時に、なんだか急にカツミがいつもよりカッコよく見えて、その・・・今までどう接してたか忘れちゃって」 「えぇ?」 「仕事中見てると手際のよさとか、お客さんや従業員さんに対してもよく気が付くし、どんなに疲れていても笑顔で接するし、酔っぱらったお客さんに絡まれても綺麗にかわすし、2人きりの時はずっと優しいし、世話焼いてくれるし。じっと見つめてくれるし、いつだって気持ちいいし・・・」 言いながらも、健二郎はどんどん赤くなっていく。笑みをこぼしながら。 「触れたいし触れられたいのに、顔を見るだけで恥ずかしくなって、で、どうすればいいか考えてて、昨日、その・・・カツミで抜いたら少し平気になったから」 その発言にカツミは顔を覆って俯く。 「そしたら、どんどん触れてほしくなって・・・」 言い終わる前に、健二郎はカツミの膝の上に抱きあげられ吸いつくように唇を奪われる。 「んっ」 深く深くキスしながらカツミは健二郎の背中からシャツの中に手を入れる。直接肌に触れられて、健二郎の股間が反応していく。それに気が付いたカツミは彼のベルトを緩めて背中から今度はズボンの中へ手を滑らせながらお尻の穴に指を入れると、 「あっ・・」 健二郎が小さく喘ぐ。 もう柔らかくなっていてカツミは健二郎を見つめた。準備してきたんだ。 「このまま挿れていい?」 「え、あっ」 カツミは健二郎の腰を浮かすと、自分の硬くなったモノをズボンから取り出すと、そのまま健二郎を膝の上に戻しながらゆっくりと彼の中に挿入していった。 「んっ」 「あー・・・やばい、すぐ出そう」 言いながらカツミは自分の上に跨っている健二郎の腰を支えながら上下に揺らす。 「んっあっ」 揺らされる度に喘ぐ健二郎を見ながら、カツミも余裕がなかった。 2人で一度イッてから、 カツミはソファに健二郎を仰向けに寝かせる。 店は閉店後で、店の鍵を閉めた後、照明を数個消しているがいつも抱き合うよりは明るくてお互いの姿がよく見える。 見られて恥ずかしくなってきたのか、健二郎は自分の上にいるカツミの熱っぽい表情を見てその彼が、こちらの裸をマジマジと見つめていることに気が付いて、 「明るすぎて、恥ずかしい・・・・」 「いつもより良く見えるわね」 カツミは、そのまま彼のシャツのボタンをゆっくりと外していく。シャツの中に来ている白いインナーのシャツをグイッと胸より上にめくり上げる。カツミはじっとそのあらわになった健二郎の肌を胸から脇腹、おへそ、そしてさっき弄られた下半身へと視線をゆっくりと滑らせる。健二郎はその射抜くような視線で触れられているかのように恥ずかしくなる。 触れられてないのに、下半身がヒクヒクと反応してしまう。 おもわず照れて視線をそらしながら、 「あ・・んまり、見ないで・・・」 まるで初めて抱かれるかのような、健二郎の反応に、カツミは自分の服を乱暴に脱ぎ捨て組み伏す彼の両手を優しく握り、 「健二郎も、ちゃんとオレを見て」 カツミのオレというセリフに、健二郎はゆっくりと自分を上から見下ろしている男を見つめてドキッとした。 汗で光るカツミの裸体は引き締まっていてハリがあって、男らしさの中に色気を感じるまるで彫刻の様に綺麗な姿で、そんな彼が欲情まるだしで自分の中に侵入してきた。そのつながってる部分から彼の熱が伝わってきて、健二郎の中は急に鼓動が早くなって熱くなる。 「んっ、あぁ」 中が疼いて健二郎のモノの先から先走りが漏れ出す。そのまま彼の中に侵入しているカツミのモノをきゅうっと締め付ける。 「ちょっとっ、急に締めないでっ・・・」 急に締め付けられてカツミはたまらずイッてしまう。小さく吐息を漏らしながらふと気が付くと健二郎がじっとカツミを見ていた。 「・・・何見てんのよっ」 少し照れながら毒づくが、健二郎は顔を赤くしたまま、 「カツミさんがイッた時の顔、初めて見た」 「見るんじゃないわよ」 「・・・かわいい」 自分も赤い顔をしているくせに、幸せそうにハニカむ健二郎。 カツミの顔にそっと手を添えて、彼にチュッとキスをした。 「なんだか、カツミさんにもう一度恋したみたい」 そのセリフに、カツミは驚いていたが、急に優しい顔をして、 「オレなんて毎秒惚れてるし」 ふふっと嬉しそうに笑う健二郎。 「オレって言わないでよ、かっこよすぎる」 「えー、する時だけ言おうかしら」 「それは、いいかも」 お互い顔を合わせて、くすくすと笑い、 また肌を合わせた。 翌朝。 カツミはベッドの上で隣で眠る可愛い恋人の寝顔をまどろみながら見つめた。 数日間、彼に触れられなくて正直らしくないが不安を感じていた。 また、お母さん見たいと言われて振られてしまうのかと。でも違った。今までよりも好きになってると、初めていわれた。 自分も健二郎のすべてが好きで、嫌いになる要素なんてどこを探しても見つけられないほど、重症だと思う。 でも、それもいいと、今では思っている。 カツミは健二郎の額にチュッとキスをする。 「ん・・」 健二郎は吸い寄せられるようにカツミの腕の中に潜り込んでくる。彼に抱きつきながらまた気持ちよさそうに寝息をたてた。 それをみてカツミは優しく彼を抱き締め返す。 「大事にするわ、・・・一生」 小さく、まるで願うようにつぶやくカツミ。 すると数秒して、 「・・・おれも」 カツミの腕の中から小さいつぶやきが聞こえる。 顔は見せないまま。 「起きたの?」 「・・・寝てる」 その返事に、カツミはふっと笑い、 「ふふっ、寝言かぁ」 「んふふ、うん」 2人でクスクスと笑いあった。 少しだけ涙目な2人は、お互い笑いながら胸がいっぱいだった。 こんな日がずっと続けばと、 強く願った。 終り。

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