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蛇、穴に入る!(エッチな意味で!)

冷たい水にジャブジャブと手を突っ込み雑巾を絞る。毎日水仕事をさせられ続けている手はあかぎれて、ヒリヒリと痛む。けれども凍るほど冷たい水の冷たさで感覚はすでに麻痺している。 真っ赤に染まり感覚のなくなった手をハァと温めると、吐いた息は真っ白に染まる。外では絶え間なく雪が降っていた。年越しの迫る大晦日のこの日、水守[[rb:千歳 > ちとせ]]は長い廊下を一人掃除していた。 「おい、何サボってんだよ。」 頭上からかけられた声に顔を上げると、弟の[[rb:百瀬 > ももせ]]が腕組みをして立っていた。 「……申し訳ございません。」 居住まいを正し、正座をしながら座礼をすると、その所作は美しく、それがさらに百瀬を苛立たせた。 「こっちはさぁ、当主代理にすらなれないお前の代わりに大変な仕事を引き受けてるわけ。それなのにお前ときたら家の役にすら立たないしなんなの?」 顔に鱗の様な痣のある子供は、当主にはできない。地元の名家である水沢家の古くからのしきたりにより、この家の長子として生まれたにも関わらず、千歳が当主およびその代理の仕事に関わることはできなかった。何故なら彼の頬には大きな鱗の様な痣が刻まれていたから。 「今から初詣の準備で村の集まりだから。夜も眠らず仕事なわけよこっちは!」 参拝者も少なくなってきたが、大晦日から三が日の間は、村の土地神様の元で参拝者たちをもてなさなければならない。それが当主の仕事であった。年子でまだ19歳である弟は、母が亡くなった3年前から当主代理としてこの仕事を務めていた。同い年の友人たちと初詣に行くことすらできないことにたまるフラストレーションの捌け口は、兄である千歳であった。 ガンっ!!!! その音と共に、バケツが蹴られ、体に冷たい水がかかる。冷気によって冷やされたそれは、痛みを感じるほどに冷たく、思わず悲鳴を上げる。 その態度にさらに苛立ったのか百瀬は千歳の頭を掴むと、バシャンっ!と床に溢れた水へと放り込んだ。 「うっせぇなぁ!!!クズが、役立たずのノロマなんだから家中掃除しとけよなぁ!?当たり前だよなそれがお前の仕事なんだからよぉ!!!!」 「承知……いたしました……。」 冷たい水の中に沈んだまま答える。服に水が浸透し、体を冷やす。けれども何か行動すれば、それがさらに彼を苛立たせるだろう。諦めと傍観。それがこの家で千歳が学んだ、身を守るための唯一の術であった。 反応のない千歳に退屈したのか、百瀬は片付けておけ、と吐き捨てる様に言って立ち去ると、しばらくして玄関の扉が閉まる音が聞こえる。神社へと向ったのであろうことにほっとすると、再び掃除を開始するのであった。 「しまったなぁ……。」 ガタガタと震えながら千歳は呟く。家の全ての仕事を終わらせ、自室に戻ってきた頃にはすでに夜も遅かった。新年の準備も済ませなければならなかったため、着替えたり風呂に入ったりする暇などはなかった。冷えた体のまま作業していたためか、体は重く、ガタガタと震えているのにひどく熱い。高熱が出ているのであろうことはすぐにわかった。 「明日も早く起きなければいけないのに……。」 服を着替え、とりあえず寝床に潜り込む。たとえ熱があったとしても、休むことは許されない。とにかく今日は早く寝て明日に備えよう。そう思うのに、徐々にひどくなり出した頭痛は彼を眠らせることをせず、だんだんと朦朧とする意識の中、ふと思い出すのは母親の顔であった。 前当主、母が生きていた頃はこの家はよかった。母は俺と百瀬を平等に愛してくれていたし、様々なことを教えてくれた。母が死んでから自室に篭り出てこなくなった父も、あの頃は婿に来たこの家に馴染もうと積極的に集まりに出ていた様に思う。3年前……母が突然交通事故で亡くなるまでは。 この家は早くでまとまっていたのだと、今になっては思う。歯車が一つ欠けたこの家族はバラバラと回り始め、まともな機能を失った。 ゴーン、ゴーン……。 遠くから除夜の鐘の音が聞こえる。 朦朧としながらそれを聞いていると、その音に混じって、ずりり……ずりり……。何かを引きずる様な音が聞こえる。その音は、渡り廊下を通って離れにある千歳の自室に近づいてくる様だ。この家には今は父と千歳しかいない。父は離れに近づくことはまずない。であるならば、百瀬が家に帰ってきたのだろうか?何か問題があったのであろうか?であるならば、寝ているこの状況はまずい。 慌てて体を起こそうとするも熱のある体は重たく、思う様に動かせない。布団からずり……と這う様に出ようとすると、障子に影がうつった。それは人の形をしておらず、巨大な、長い化け物の様であった。 「ヒッ……!」 思わず悲鳴を上げた瞬間、障子戸が開けられる。そこにいたのは長い白銀の髪で切長の目をした、美しい青年であった。 「千歳、出迎えようとしてくれたのかい?」 青年は微笑むと長い髪を揺らしながら、いそいそと千歳の元に駆け寄った。 この長い髪を見間違えたのだろうか?とぽかんとするが首を振る。この人は誰だろう。心当たりは一切なかった。 「も、申し訳ありません……どちら様でしょうか……?なにぶん覚えが悪くお客様の顔を覚えておらず……。」 慌てて正座をしようとし、ふらつく体を青年が支えてくれた。 「良い良い、楽にすると良いよ。……おや千歳、熱があるじゃないか。」 青年が、千歳の額に手を当てる。その手はひんやりと冷たくて心地よい。思わず身を預けそうになるのをハッとして体を離そうとする。しかしギュッと抱かれた青年の力の強さに阻まれる。 「かわいそうに、かわいそうに。どれ、私が楽にしてあげよう。」 青年が額に手をかざして撫でると、清らかな水が体を流れる様な心地がして、あっという間に体が楽になり、意識もはっきりとしてくる。 その人技を離れた所業に千歳ははたと思い至る。 「かみさま……?」 「ん?どうした?」 その反応に確信を得ると千歳は驚いた。母の言っていたことは本当だったのだ。 千歳の母である[[rb:桃花 > ももはな]]は、千歳を眠りにつかせる時決まって聞かせる話があった。それはこの地に伝わる蛇神様の話と、この家の由来であった。 「この家はね、代々この地に恵みをもたらしてくれた蛇神様を祀るためにある家なのよ。だから千歳はね、二十歳になったら蛇神様の元にお嫁さんにいくの。そのために良い子でいようね。」 夢物語に聞かせてもらった話が急に思い出される。 「俺が……お嫁さんに……!?」 驚きを隠せず思わず声に声に出すと、嬉しそうにその青年……蛇神であるミズチは答えた。 「そう、桃花から聞いていたかい?千歳が二十歳になって歳神を迎えてくれたから、迎えにきたよ。」 にこにこと千歳の頬をなぞる。そこにはまるで蛇の様な痣がある。 「この家の子で痣がある子が生まれたら、私のお嫁さんにするんだ。そういう約束なんだよ。」 「だけど俺は男で……!」 「神に性別なんて関係あると思うかい?」 「……ないですよね。」 手をかざすだけで熱を治してしまうのだ。その奇跡の様な所業を目にしたら、性別など些末であることは否応なしに理解できた。 「でも神様……、」 「神様なんて他人行儀な呼び方はやめておくれよ。我が名はミズチ。夫婦になるのだからミズチと呼んでおくれ♡」 「……ミズチ様……俺は貴方様の伴侶には相応しくありません。」 俯くとそう告げる。今まで弟からかけられてきた言葉が重く心にのしかかる。 「俺はクズでノロマで……何もできない穀潰しなんです。貴方様の伴侶になるに能力が足りていません……。どうかもっと俺よりも優れた方を伴侶にお迎えください。」 そう言ってぎゅっと固く握りしめた拳を、ミズチは上からそっと握る。そしてその白く美しい指で、優しく撫でながら、一本ずつ彼を縛る固結びをほどいてゆく。 「私はずっと千歳を見守っていたんだよ。君は誰に対しても丁寧だ。先ほどだって見知らぬ私を邪険にすることなく丁寧に礼を尽くしてくれた。それに玄関の門松も千歳が飾ったんだろう?おかげで迷わず千歳の家へと向かうことができた。正月の迎え花も見事だったよ。桃花から習ったのかい?彼女は豪快な花だったが君は控えめだけど大胆な花で気持ちが良いね。それに丁寧に掃除をしたおかげで気の流れが良い。千歳のように清らかな流れをしているよ。」 誰も見ていないだろうと思っていたところまで丁寧に褒められて、冷たく凍りついた心が溶かされてゆくようで思わず顔を上げてミズチ様の顔を見る。そこには愛おしそうに自らの嫁となるものを見つめる、雄の顔があった。 「それに、優れていようがいまいが構わないさ。千歳だから私の嫁になるんだよ。他の誰かでは意味がない。」 ちゅ……と唇に軽いキスをされると思わず顔に血が上り真っ赤になる。 「初いねぇ♡私のために純潔を保ってくれて嬉しいよ♡」 ツツ……と腹部を撫でられる。純潔を保っていたのは蛇神様のためではないのだが……とは思ったが黙っていた。それよりも。 「あの……ミズチ様、嫁に迎える、とは具体的に何をなさるおつもりですか……?」 恐る恐る尋ねる。 「契りを結ぶんだよ。」 「契りって……?」 「そこまでウブなのかい?千歳は。現代社会は情報社会なんだろう?経験はなくともその知識くらいはあるだろう?」 ミズチは千歳を抱き上げると布団へと寝かせる。神様から出た情報社会などという言葉に目を白黒させながらされるがままになっていると、その上からミズチが覆い被さる。 「現代風に言うと……セックスするんだよ♡」 「かっ……神様がセックスとか言わないでください!」 カアッと再び真っ赤になりながら叫ぶ。 「なんで?神だってF◯NZAで◯ayPayするよ。」 「神だってF◯NZAで◯ayPayするの!?」 あまりにも俗な用語が飛び出して思わず笑いが込み上げる。神がF◯NZAで◯ayPayしてシコらないで欲しい。 「人の世は目まぐるしく移り変わるものだからね。私はそれが好きだから、水のように現代に合わせで生きているんだよ。」 助平なだけではないだろうか。 「なるほど……ふふふ、なんだか安心しました。ミズチ様が怖い神様じゃなくてよかった。」 覚悟を決めると、ミズチ様の顔に両手を添えて自らキスをする。 「貴方の伴侶となります。不束者ですがどうぞよろしくお願いします。」 「任せておけ♡今からこの処女尻穴にぶっといペニスを突っ込んで私のお嫁さんにしてあげるからね♡」 「前言撤回してもよろしいですか?」 思わずそう言った千歳に、現代に染まり切った、けれどもちゃんとした神様は「神への誓いは絶対♡」と言ってもう離してはくれなかった。 「あぅぅぅ……♡はぁっ♡あっあっ♡イクッ!!!♡イクイクイク♡♡♡!!!!またイっちゃ、んアッ♡♡♡!!!」 真っ裸にひん剥かれ、体中を舐められていじくりまわされながら、千歳は幾度めかわからない絶頂を迎えた。 「ああ♡かわいいよ千歳♡おちんちんと乳首一緒にシコシコグニグニされてイっちゃったね♡おちんぽからとろとろぉって、おちんぽミルク出ちゃってるよ♡」 「うぅ……♡神様がっそんな下品なことば、使わないでっ!うあん♡アッ♡やめて♡触っちゃダメ♡」 クチュクチュ♡ツンツン♡と千尋の言ったばかりの鈴口を虐めてやると、ふるふるふる、と可愛らしくペニスが震える。 「だってこう言われると興奮するでしょ♡」 余計なところで仕入れた余計な知識が存分に生かされて、しつこく、念入りに愛撫と言葉で溶かされる。 「ん〜♡かーわいい、私のお嫁さんは本当にかわいいね♡ねえほら、ちゅーしよ♡べろだして、私の長々先割ベロとベロチューしよ♡」 「ひゃいっ♡んあ……あぁ……んっ♡はあ……♡」 ミズチ様の舌は蛇らしく、長く、その先は二股に分かれている。その下が口内を蹂躙し、千歳の舌に絡みつく。 そのままぬちゃぬちゃと口の中を味わうように這われ、口蓋の上部の敏感なポイントをベロベロと舐められると思わずゾクゾクする。 体の部位で舐められていないところはないのではないかと言ってくらい、全身至る所を舐めまわされ、すでに千歳の目はトロンと溶けてぐったりとしている。 「ん〜、本当はもっと千歳を味わいたいんだけど、もうすでに限界みたいだからそれはまた今度にしようね。なんせ千歳は永遠の私の伴侶になるのだから、時間は無限にあるからね。」 チロ、と舌舐めずりをすると自らが惚けさせた雌を労るように頭を撫でた。 「えい……えん……?」 「そうだよ、君が最後の伴侶になるんだ。君のお母さんとそう約束したんだよ。お嫁さんになったら君に終わらない快楽の責苦を味合わせてあげるからね♡」 ニタリと笑うがこの神様の扱いを覚えてきた千歳はその辺りは軽く流せるようになっていた。 「ずっと一緒にいてくれるの?」 「はい、悲鳴をあげても離しませんよ♡」 そう言うと、ずるり……と音を立ててミズチの下半身が蛇へと変わる。蛇神の名に相応しく、真っ白な大蛇の下半身にはそれはそれは蛇神の名に相応しく、立派な昂りが二本。 ……二本? 「……なぜ二本あるんですか?」 「これはヘミペニ♡ 有鱗目のオスが持つ特徴的なペニスなんですが、知りませんか?よく蛇系の同人作品なんかで見かける憧れのあのヘミペニですよ♡♡♡」 蛇系同人作品が性癖なのかな……と思っていると、下半身の蛇の部分でぐるりととぐろを巻きながら千歳に絡みつく。そして抱き上げると、ブルン♡ブルン♡とペニスが二本、千歳のペニスの隣に並べられる。 「ほら、よく見て観察してください。人のペニスのサイズでのヘミペニ、凶暴でしょ……♡とげとげがついてて、長くて♡これが千歳の処女けつまんこの中を、ごりごりって入ってしまうんですよ♡全部入ったらここまで届いちゃいますね♡あ、これ言ってみたかったんです♡♡♡」 ペニスを腹部に当てながらその先のお腹を撫でる。どのエロ漫画で学んだ言葉だそれは、と思いながらも、千歳は自らが貫かれることを想像しぞくりとする。 「入るかなぁ……♡」 「大丈夫、千歳は私のお嫁さんになるため産まれたんです。身体も勿論、私との交わりが辛くならないように出来てますよ。」 すりすりと左頬の鱗を撫でる。ああ、俺はこの神様のために生まれ、そして今からその処女を捧げるのだ、と理解した瞬間、腹の奥がじゅわり……と熱くなり、誰も受け入れたことのないはずの尻穴がひくひく♡と雄を求めて開きだした。 「あっ!?♡♡♡なんか♡♡なんかへん。…♡♡♡お腹じゅくじゅくって、せつなくて、あついっ♡♡♡」 「私を迎える準備はできましたね?そろそろいきますよ……!」 ミズチはペニスの一本を後孔にあてがう。巻きつかれ、逃げれないように固定され、今まさに犯されようとしている。 「お嫁さんになってください、ネッ♡♡♡!!!」 ゴリュッ!と音がして中に一気にペニスが差し込まれる。 「ウッ♡♡♡♡♡♡♡♡!!!!!!!」 その質量に胃から声が上がると、労るように額にキスが落とされる。 「千歳の大事な大事なはじめて♡奪われちゃいました♡♡♡って言ってもらっても良いですか?」 「ちとせの……♡アンッ♡だいじなだいじなぁっ♡ふあ……はじめて、うばわれちゃいましたっあっ!?!?!?なに!?!?!?中でおっきく♡♡♡うあああっ♡♡♡お腹おされてぇ♡♡♡」 「千歳のかわいい言い方でおっきしちゃいました……♡♡♡このペニスね、入れたら中で膨らんでぇ……トゲトゲがひだにぶつかって、射精まで抜けなくなるんですよ♡♡♡」 「そんなっ♡アッアッアッだめだめだめゆすらないでぇ♡♡♡♡♡♡んおっ♡♡♡♡♡♡きもちいい、きもちいいのきちゃうあぅんっ♡♡♡♡♡♡♡」 ゆっさゆっさとゆすられ、棘を持つペニスが体の中で暴れ回る。気持ちの良いところを、前立腺を、結腸の入り口を、ぐちゅぐちゅと攻め立てられ、幾たびも射精した千歳のペニスは、とろとろと勢いなく精液が溢れ始める。 「おや♡これが噂に聞くところてんですね♡気持ち良いのがいっぱい続いちゃいますね♡処女なのにど淫乱アクメ決めてイッちゃって可愛い〜♡♡♡お腹の中、幸せでしょ♡♡♡私のお嫁さんになるために生まれてきたってわかるでしょ♡♡♡」 絡みつかれ、まるで捕食の様に犯され、わからせられる。俺はミズチ様専用のメスなのだ。 「はいッッッッ♡♡♡はー♡♡♡♡あっあっあっ♡♡♡あっ♡ひゃっ♡い♡♡♡ちとせは、みずちさま♡せんようのっ♡♡♡メスで♡♡♡およめしゃんです♡♡♡」 「あっ♡かわいい♡♡♡そろそろ射精しますよ♡♡♡永遠に幸せにしてあげますからねっ♡♡♡!!!!!」 一際激しく動いたかと思うと、最奥に向けてゴシュッ!!!!!!と精液が発射された。するとさらに体中が熱くなり、千歳は同時に絶頂を迎えた。 「はぁーッ……ひっ……!!ああぁっ♡あっ……♡ん、ん゛ぅう゛っ!♡にゃに、こえッ!♡あついっ!!!♡体中、あちゅい♡♡イッちゃ、うぅ……っ♡あ゛ーッ♡とまッでえ゛えぇ……ッ♡♡あ゛っ♡♡お゛っ、ん゛んっ!!ひっ♡♡♡ひっ♡♡らめぇええ゛っ♡イっ♡あァ♡イッ、ち゛ゃうぅ゛う゛ッ!!!!!♡♡♡♡♡」 じわじわとお腹が熱くなり、同時に幸福感で満たされてゆく。 「なにコレ……♡♡♡幸せ……♡♡♡♡」 「千歳が幸せで私も嬉しいです♡♡♡これで千歳は私の、神様のお嫁さんになりました♡♡♡赤ちゃんも産めるようになったんですよ♡♡♡」 「えっ。」 「結腸の奥あたりに卵巣と卵管ができて、そこから毎月卵がぽこっ♡って出てくるんですよ♡生理みたいな感じです♡その卵に私の精子をかけてあげれば、私たちの赤ちゃんが生まれますよ♡♡♡」 「えっ……赤ちゃん……?」 「はい、でもそれは千歳が望むならで構いません。なんせこれから、あなたは永遠の生を得ますから。」 ずるり、と今まで圧迫していたものが抜かれ、思わずビクン!と体が跳ねる。 「見てください、今入れたのが右のペニス。これは人を伴侶にするためのもの。それからこっち……♡左のペニスは神のペニス。人に同格の命を授けるもの……♡」 まだ快感に呆けている千歳の手をもう片方のペニスへと持っていくと触らせる。 「ん〜♡千歳の手、あったかくて気持ち良いです♡♡♡」 ひんやりと冷たい蛇の肉体に抱かれ、心地よく感じつつも、なおも千歳の体のほてりは治らない。 「すごい……改めて見ると、凶暴ペニス……♡」 「ふふふ、すごいでしょう♡これをちゃんと受け入れられる千歳もすごいでしょ♡♡♡……さて、千歳。」 急に変わった声のトーンに、ミズチ様を見上げると、真摯に千歳を見つめる二つの黒い双眸と目が合う。 「これをあなたの中に入れて、精を放って仕舞えば、あなたは人の[[rb:理 > ことわり]]から外れます。」 千歳の頭を撫でながら言う。 「人の理から外れるということは、今この世にある人々と歩みを違えるということです。それは人として生まれたあなたにはひどく残酷なものとなるでしょう。永遠というものは人の身には到底重すぎるものなのです。」 淡々と述べるその姿はひどく神々しく、目の前にいるのが自分とは違う上位の存在であるのだと否応なしに理解する。 「今ならばまだ、人の身のまま私の嫁となり、人の時間を私と共に生き、そして人のまま死ぬことができます。どんなに苦しいことがあっても、悲しいことがあっても、健気に立ち上がり続ける、美しい人の生をあなたは謳歌できるでしょう。選びなさい。他の誰でもなくあなたが、あなたの人生を。」 そこまで言うと、神様はにっこりと笑った。 「……右のペニスと、左のペニス。どっちを入れる♡?」 今までとは打って変わって急に俗な発言に戻る神様に、思わず吹き出した。そして笑う。 「神様……、俺は……、」 自分で自分の人生を決める。ずぷっ、と自ら、選んだ運命を、突き刺した。 〜〜〜〜〜・・・・・ 「おや、痛ましいこと、桃花よ。」 真っ白な姿をした神の足元には、真っ赤な血の海が広がる。 その海の中心に横たわりながら、桃花と呼ばれた女性は、自らが仕えていた神を見上げる。 「……ミズチ様、ここでお暇をいただきたく存じます。」 「私にはその血を其方に戻し元通りに直すことも可能ですよ。」 「いえ、私の生はここで終わる[[rb:運命 > さだめ]]なのでしょう。このまま人の生を全うさせてくださいませ。」 「……子らはどうするんです?まだ幼いでしょう。」 「ふふふ、あの子たちはもう13を過ぎております。昔ならばとうに成人しておりますよ。」 「そうか、人の子はあっと言う間に育つんでしたね。」 「……ミズチ様、お願いがございます。」 「なんですか?」 「我が子を……千歳を貴方様の最後の嫁としてくださいませ。」 「それは千歳に永遠の生を与えよ、ということか?」 「はい……我が一族からの、最後の嫁としてあの子を祀り上げてください。人の世は移り変わってゆくものです。この先……あなた様への信仰は薄れてゆくことでしょう……。あなた様へ嫁ぐことに喜びを覚える人の子ももうおりますまい……。」 「随分とはっきり言うもんだね。」 「ええ、そう思っていたからこそ我が子を貴方様に捧げるのです。これは当主としてのあなた様への忠誠の言葉です。」 「これは、と言うと?」 「はい、次に、これは母としての、あなた様への言葉です。」 終わりゆく人の生の中で、母親が最後に残す言葉。 「……絶対に、幸せにしてやってください。」 その言葉を最後に桃花は琴切れた。 〜〜〜〜〜・・・・・ しんしんと雪の降る中、見上げる。庭の桃の木には、すでに小さな蕾がついていた。 「こら、身重なのだからこんな天気の日に外に出てはいけないよ。」 「……あなた見て、桃の木に蕾がついています。」 「ああ、本当だ、こんな寒い時期から花は芽吹く準備をしているんだね。」 「はい、なんだかそれが嬉しくて。」 「ふふふ、花が咲いたら花見をしよう、それから青葉がついたら桃の葉茶を、桃がなればその実を使っていろんな料理をしよう。」 「尽きないものですね。」 「あぁ、やることはたくさんあるよ。」 穏やかに微笑む二対の夫婦は、新しい春を待つ、小さな蕾を見上げて、心底幸せそうに微笑んだ。

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