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第96話 待てないのは僕※
キヨくんが肩まで浸かって頭を露天風呂の縁に載せている後ろ姿を見て、僕はリラックスしているのだと嬉しく思った。同時に、これから甘い時間が始まるのかと思うと、身体が反応してしまって恥ずかしい。
僕は腰に薄手の温泉タオルを巻き付けて、カラカラと引き戸を開けた。直ぐにキヨくんが僕の方に振り返って、欲情した眼差しで僕を見た。僕はキヨくんのその眼差しで見つめられると、本当に興奮してしまう。
食べたいと言わんばかりのその眼差しに射抜かれると、ドキドキしてしまって、まだ温泉に浸かってもいないのにのぼせそうだ。
「玲、おいで。気持ち良いよ。」
そう言って微笑むキヨくんが委員長っぽくて、僕は少しおかしくなって笑った。
「何?」
僕は首を振って、かけ湯してからゆっくりと湯に入った。最初はピリピリしたものの、すぐにちょうど良い温度になった。キヨくんは立ち上がるとコントロールパネルを操作していた。
「露天風呂の温度、ちょっと下げるな。のぼせちゃうと困るから。俺ももうすっかり熱くて。」
そう言うキヨくんの身体は、確かに赤らんでいてすっかり温まっているみたいだ。ぼんやり僕がキヨくんの首元を見つめていると、不意に手を引っ張られてキヨくんの腕の中に引き込まれた。
キスされる?そんな僕の邪な気持ちは空振りして、キヨくんと一緒に山と空の景色を見上げる羽目になった。何となく物足りない気持ちでキヨくんを見上げると、キヨくんは僕をじっと見て言った。
「ここで手を出すと、止まらないだろ?絶対湯あたりして玲は倒れちゃうから。…温まったら部屋に戻ろう。」
そう冷静な顔で言うのが面白くなくて、僕はキヨくんにのし掛かって目を見開くキヨくんに呟いた。
「わかるけど、分かんない。僕キヨくんとイチャイチャしたいっ。」
そう言ってキヨくんの唇に触れるか触れないかの距離に近づいて、舌先を伸ばしてゆっくり舐めた。ビクリとした柔らかなキヨくんの唇は甘くて美味しい。僕が悪戯に受け身のキヨくんの唇をなぶっていると、キヨくんが僕をザブリと引き起こして言った。
「まったくゆっくりやってやろうと思えばこれだ。玲って可愛い上に、エロくて最高なんだけど。」
そう、怒った様に僕を露天風呂から引っ張り出して、バスタオルでざっと拭いてくれた。すっかり勃ち上がった僕のあそこを指で弾くと、ニヤっと嬉しげに笑って呟いた。
「期待には答えたいけど、俺も破裂しそうだから最初はごめんな。でも時間はたっぷりあるから。」
そう言って僕を見下ろすキヨくんが凄く色っぽくて、僕はもうめちゃくちゃにして欲しくなった。…僕って変態かもしれない。
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