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「…ぁ♡ あっ♡ …ぁ…っ♡」
――すっかり大きな絶頂に蕩けてしまった僕の腰を掴み、ソンジュさんはぬちぬちと僕のナカで抽挿を始めた。…そのテンポこそそう激しいわけでもないのに、気持よすぎて声が抑えきれない。
もう喉に力が入らず、声を噛み殺すことができないのだ。ただもう成り行きに任せて出てしまう僕の嬌声は、この浴室に反響してしまう。――じゃぶじゃぶとソンジュさんの律動に合わせて浴槽のお湯が揺らめき音を立て、僕のナカは激しくもないのに、彼のが大きく太いため、その全部がぐちゃぐちゃに掻き乱されている。
「んっあ…♡ だめ…あぁ…♡ ぁぁん…♡」
口を閉ざそうとしたらあぁんなんて、恥ずかしすぎる甘い声が出てしまった。――ソンジュさんの、カリが張っていて、子宮門をガリガリ引っ掻かれる。…子宮口がどんどん突かれて、前立腺に至ってはもう、ドーナツ状のそれが前も後ろも常に押し上げられ、その上で抉られているようだ。
「…はぁ…本当に可愛い声だな…、いやぁ俺、絶対浴室でユンファさんを抱きたかったんですよ……」
「…へ…? ん…♡ な、なぜ…?」
僕の腰の裏を支え、後ろに座りながら、ソンジュさんは自分の脚の上に僕を座らせる。――僕は自然とその人のうなじに腕を回して、ぼんやりとした熱い視界の中で、ソンジュさんのニヤけた笑みを見る。…いや、つい気分がのって、ちゅっとキスをしてからになったが。
「…ふふ…、そりゃあ…ユンファさんのえっちな声が反響して、より官能的に聞こえるからですよ…」
「……、…はぁ…は……」
なんと返せばいいのかはわからないが、にやける。
とにかくソンジュさんが本気で、僕の嬌声を可愛い、エロい、興奮する、と思ってくれていることは、これでわかったような気がする。――ぼんやりとした頭でも、嬉しいと気分が高揚し、幸せな気持ちで満たされる。
僕はソンジュさんのうなじに腕を回したまま、幸せな気持ちのまま、ゆるんだまぶたのままで、ソンジュさんのその水色の瞳を見つめ――自らゆっくり、ぬぷ、ぬぷ、と腰を上下させる。
「…ぁ…♡ はぁ…、…は…、…は…」
きもちいい…きもちいい…すごく、きもちいい…――はら、と熱い涙が、僕の目からこぼれ落ちた。…これに関しては、完全に僕の体のせいである。
きもちよくなってソンジュ…僕の体で、いっぱいきもちよくなって…お願い、お願い…――♡
「ふふふ…、可愛い顔だ…とろとろになって、うっとりしていますね……」
「…ん…♡ は…、んん…♡」
嬉しいやら、少し恥ずかしいやらで僕は、ニヤけた顔を斜に伏せた。――いま、僕は凄く甘い気持ちだ。…まったりとくねらせるように腰を動かして、とにかくソンジュさんに気持ち良くなってもらいたいと思う。
意図的にナカをきゅう…きゅう…と締めながら、僕は腰をくねらせ、じっくりと上下に、浅く動かす。――彼自身を奥へ吸い上げるように、無数のヒダを絡みつかせるように…すると自然、ソンジュさん自身の太さ、大きさ、形…それを自分の肉体で知る。
この形に、腹の底からむず痒いような幸福感が込みあげて、僕の鼻からふふ、と笑みがこぼれた。
「…きも、ちいい…♡ ソンジュのおちんぽ、きもちいい…♡」
「…俺もきもちいい、…その腰遣い、エロくて最高だ…」
顔を伏せたままにふっと目線だけで見れば、…動く僕の腰を支え、僕に笑いかけていたソンジュさん。綺麗なうす赤い顔、優しい切れ長の目、潤んだ水色…――好き。
「はぁ……はは、嬉しい…僕、…嬉しい…♡」
僕はもっと頑張ろうと、ソンジュさんの肩口を両手で掴み、膝を浴槽の底に着けて――一旦すべてを深く呑み込む。…奥を押し上げる彼のモノに腰がぞくん、として顔は歪むが、…ぎゅうっと締め、そのまま…ずるる…とゆっくり、上がってゆく。
「……はっふく、♡ ん゛…ぁぁぁ…♡♡♡」
ソンジュさんも気持ちよかったのか、「う゛、ぁぁ」と色っぽい声を出したのだが、…何より僕が気持ちよくて、ゾクゾクとした全身の震えがそのまま喉にも、すすり泣いているような甲高い声が、しどけなくもれてしまった。
彼自身の張ったカリが肉壁を、ヒダを、がりがり引っ掻いてきて、…ドーナツ状の前立腺は、ゆっくりと捲くれ下がり、…がりっと前立腺が引っ掻かれると、思わずビクンッと腰が跳ねた。…信じられないくらい甘ったるい。あふ、ともれた、湿った吐息混じりの自分の声が、いよいよ恥ずかしい。
「…きもちよすぎてだめ…はぁ、♡ あ、ごめんなさ、抜けちゃった…、…」
一旦にゅるりと出てしまったソンジュさんに、僕は支えるように触れた。――熱い、硬い、太い。…とろけた頭でも、今までにないこの大きさに、どこか負けを認めたような弱気な気持ちになってくる。
この大きな男性器こそ男だ、と、僕は思ったのだ。
「はぁ…は…、…ふふ……」
でも、僕もちゃんと男だ。
ナカに男性器を迎え入れたために、勃起こそ弱まっているが――当たり前だが…見下ろした先に、ちゃんと自分の男性器がソコにあった。ソレはお湯に濡れて赤くなり、膨れて、淫靡な艶を僕の目に映していた。
コレがきちんと愛された僕自身だからこそ、僕は今、そう認識できたのだろう。
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