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「………なんで俺を助けたんだよ…… っ…こんなことになるくらいなら…… お前のこと好きなまま……死にたかったんですけど……」 もう動かなくなって、 もう誰なのか分からないくらい顔がぐちゃぐちゃになっていて 赤い水の中に沈んでいる死骸を見下ろして 俺は笑いながら、泣いた。 好き、って気持ちがもう 思い出せない。 「俺を置いていきやがって……」

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