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第6話 セフレの役割※
初めてで体調を崩して以降も、生徒会長が時々僕の部屋に来る様になった。気まぐれにやって来ることが多いので、僕は例の準備もできなくて、結局ただの触り合いやキスに留まっていた。
今日も消灯後の夜の10時、部屋のシャワーを浴びて出て来ると、タカはベッドに座って僕を待っていた。髪が湿っているからシャワーは浴びて来たのかもしれない。
タカがいつ来るのか分からないので、最近僕は夜11時を過ぎる迄部屋の鍵を掛けないようにしていた。
「…来てたの?」
僕が髪を拭きながら腰タオルで近づいていくと、タカは僕の手を引いて腕の中に引っ張り込んだ。僕だって身長が173cmあって、そこそこ普通の男だと思うのに、タカの190cmを超える身長と横に分厚い身体と比べると何だか弱々しい。
ベッドに横たわった僕に、タカは濡れるのも構わず僕の髪に手を差し入れてキスしながら、もう片方の指先で僕の胸を#弄__マサグ__#った。唇の内側を舌で撫でられて、気持ち良さに甘く呻くと、僕はタカの湿った短い髪に両手を這わした。
タカに舌を吸われてキスに夢中になっていると、すっかり敏感になった僕の胸のてっぺんを苛めるタカの指先に腰を揺らしてしまう。すっかり昂った僕自身もタオルを突き上げていて、僕だけ裸で心許なかった。
「タカも脱いで…。」
タカは眉を顰めて僕に噛み付く様にキスすると、ニヤリと笑って囁いた。
「なんだ、#奏__カナデ__#は随分おねだりが上手くなったな。」
僕はカッと恥ずかしさでいっぱいになったけれど、大好きなタカに捨てられない様にもっと頑張るしかないと決意していた。あの初めての時に寝込んで以来、最後までしていないのも、きっと僕に飽きてしまう要因になってしまうだろう。
僕はネットの情報で自分なりに柔らかくした成果をタカに見せたいと思った。それにいつタカが来ても良い様にと、ついこの間から毎日後ろの準備をする様になっていた。
「ね、今日は後ろも触って…。さっきシャワーで準備したから。」
僕はそう言いながら、こんなにあからさまに言ってしまって、どんどん恥ずかしくなっていった。急に熱くなった身体にため息をついて静かになったタカを見上げると、そこには目をぎらつかせたタカが僕を強張った顔で見下ろしていた。
僕は無言でベッドの引き出しからネットで買ったジェルとゴムを取り出してタカに渡した。タカはやっぱり無言で受け取ると、サッとTシャツを脱いで放り出した。そして僕の腰のタオルを開くと僕に見せる様にジェルを手のひらに出した。
僕はドキドキしながら、タカがひんやりとした透明なジェルを僕の股間に塗り広げるのを感じた。それは自分でするよりもずっと気持ち良くて、思わずため息が出てしまった。
ふいにタカが僕の尖った胸に吸い付いて、僕はビクンと仰け反った。それと一緒にタカの指先がクチクチと僕の窄みの周りを撫でながら時々ツプリと挿れるのが分かった。
以前のあのジェルもない、僕の吐き出した白濁頼みのお粗末な初めての痛みの記憶に少し怖さを感じたけれど、今のタカの指は優しくじわじわと僕を犯していた。
何度もゆっくり出し入れされて、僕はビクンと反り返って喘いだ。
「…ここが良いのか?」
少し掠れたタカの声に僕は甘く喘いだ。途端に執拗に撫で擦られて、僕はバカみたいな気持ち良さに吹っ飛んだ。以前のあの痛さなど感じなかったし、違和感も直ぐに気持ち良さに忘れた。それと同時に僕の昂りを咥えられて、僕は我を忘れて善がってしまった。
「かなで、静かに…。他の部屋に聞こえる。」
そう耳元で囁かれて、僕はタカの顔を引き寄せてその唇に舌を突き立てた。キスしながら僕の中を広げる様に指を増やされて、僕は甘くため息を重ねた。
「挿れるぞ…!」
タカの汗が額から滴れて僕のおでこを濡らすと、僕は声にならない呟きをタカの口の中に押し込んだ。
『挿れて…。』
ヌルついたタカの昂りには、きっとジェルを塗りつけてあったんだろう。グッと押し込まれたそれは、苦しい場所を過ぎるとズブズブと沈み込んだ。そして僕の疼く場所をグリっと撫でられたら、僕はタカの口の中で喘ぐしかなかった。
男同士の気持ち良さに僕は初めて開眼したものの、もっとゆっくりして欲しかった。けれどもタカは僕を抱きしめて必死に揺さぶって、あっという間に果ててしまった。初めての時は余裕が無くて訳が分からなかった僕だったけれど、今回は思う所があった。
僕の首に顔を押し付けながら荒い呼吸をするタカに、僕はぼんやりと呟いた。
「タカって、もしかして男は初めてだったんじゃない?…なぜ僕をセフレにしたの?」
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