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白銀と帰宅
「で、裕太はあいつに何を言われたんだ?」
白銀の部屋に着くと、裕太をじっと見つめて問いただしてきた。動揺しているのか、白銀のもふもふ尻尾が逆立ってぶわっと膨らんでいた。
「な、なんでそんなに白銀が気にするんだよ。別に対したこと・・・ ・・・」
「泣いてたくせに・・・ ・・・」
「うっ‼」
裕太はデパートで買ってもらった洋服を並べ、どれに着替えようかほくほくしていた。オーダーメイドの服も沢山作ってもらったが、完成まで時間がかかるので、既製品の洋服も買いそろえた。高額なだけあって、生地がサラサラしていて気持ちがいい。裕太は触り心地が良い服を抱きしめて、タイガに言われた事を完全に忘れようとした。しかし頭の中で同じ言葉がぐるぐるとしていた。
「・・・ ・・・淫乱・・・ ・・・」
「は?」
「淫乱って言われた」
「さっきの奴か?」
白銀は顔をしかめた。
「ぼくが前の仕事をしているときに、雑誌に載ったことがあるから知ってたんだと思う。『タイガ』ってトラの、ホワイトタイガーの『干支シリーズ』だよ」
「トラだから『タイガ』なのか。随分分かりやすいな」
タイガの由来を聞いて、白銀はくつくつと笑った。
「あいつも『干支シリーズ』だから、もしかしたら友達になれるかもって思ったけど・・・ ・・・最悪だった」
「まぁ、いきなり誘拐しようとしてくる奴と友達にはなれないよな」
「誘拐・・・ ・・・あっ‼白銀も・・・ ・・・‼」
裕太はハッとして白銀を見つめた。
「私は誘拐じゃない。それにただの友達はあまり気が進まないな。裕太には特別に見てもらいたいからな」
「・・・ ・・・特別な誘拐犯・・・ ・・・?」
「コラ」
白銀は裕太のほっぺたを抓った。
「ひ、ひはい、いたい‼」
「裕太にとって悪いことはしないって」
確かに、最初に強引に身体の関係を結んだものの、裕太に触れる手は優しかった。愛されてると勘違いしてしまいそうな愛撫は正直裕太には耐えがたかった。もしかしたら本当に自分を思ってくれているのかもしれないが、会ったばかりだしあり得ることかと裕太は不安だった。
「・・・ ・・・確かに、白銀はタイガと違うと思うけど・・・ ・・・」
「ん?なんでだ?」
白銀は期待したのか大きな耳をパタパタ動かした。思わずもふもふ動く耳に裕太は触りたくなるが、我慢した。これでは白銀の思うつぼだ。
「し、白銀はいくら何でもあんな酷いこと言わないと思って・・・ ・・・乱暴に引っ張ったりもしないかなって・・・ ・・・その、え、エッチだけど」
裕太は言いながら白銀に抱かれたことを思い出してしまい、フシュフシュと喉を鳴らして興奮してしまった。
「そんなに『淫乱』は嫌か?私は裕太が淫乱でも、愛しているぞ?」
「『淫乱』で愛してるって・・・ ・・・嬉しくないっ‼」
若干『愛している』の言葉にくらっときてしまった裕太だが、ハッとして自分のペースに戻した。
「あれ?裕太、フシュフシュはもう収まったのか?」
「収まったの‼」
裕太が顔を背けるのと同時に、後ろから白銀が抱きついてきた。
「それより裕太、買ってきた洋服でファッションショーをしよう。さあ脱いで」
「は・・・ ・・・⁉」
白銀はそう言うと、あっという間に裕太の服を脱がせにかかった。
「ちょ、ちょっと待って‼だったら自分で着替えるから・・・ ・・・‼」
「じゃあお願いしようかな?」
裕太はほぼ脱げかけた服をゆっくりと下ろし、靴下を脱ぎ、下着一枚になった。
「ねえ白銀、どの服を着ればいい・・・ ・・・んっ‼」
がっしりといきなり白銀が抱きしめてきた。裕太の太腿に、白銀の大きなモノがより一層固くなって当たった。
「やだ、白銀、固い・・・ ・・・カチカチ・・・ ・・・んふっつ」
裕太の言葉は、白銀に塞がれた。分厚い舌がねじ込まれ、激しく接吻される。
「カチカチとか・・・ ・・・エッチなこと言うなよ、裕太」
「だってほんとのこと・・・ ・・・ふう‼」
裕太は小さいハリネズミの半獣の尻尾を掴まれた。性感帯なので、じんじんとする。負けじと裕太は白銀の尻尾に触った。
「‼」
白銀は驚いて、言葉を失っていた。白銀のもふもふ尻尾を上下に扱くと、掠れた声が聞こえてきた。体格差がある白銀を自分の手で感じさせていると思うと、裕太は興奮した。
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