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第123話

「俺だけですか」 うわっ。 何言ってんだ、俺。 すごい重いやつだ。 「急にどうした?何かあったのか?」 更に優しい目をした社長がまた撫でてくれる。 その手をとって、ほほにこすりつけた。 温かい感触にほっとする。 「社長の彼女って人がいて……。秋野さん……」 「ああ……あいつはな。俺が遊んでいた時期があっただろう。その時に付き合っていた1人なんだが」 そうだ。 俺と付き合ってくれる前は、一度に何人もと付き合っていた。 それを見る度に、気配を感じる度に辛かった。 「今は……簡単に言うとストーカーだな。お前に心配かけたくなくて黙っていた。もし、関わられても気にするな」 それから、お前だけが全てと優しいキスを落としてくれた。

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