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第1話

二十七才にして俺の初恋はまだだったのかもしれない。 これまで三人の女性と交際してきたが、彼女たちから告白され、彼女たちにフられて、さほど思うところもなく、流されているだけのようだったし。 比べて今回は熱烈な一目惚れ、彼女を見るたびに心拍数も体温も急上昇し、交流しているとこの上ない多幸感に包まれる。 ただし彼女は二次元の存在であり、乙女ゲームの主人公。 これまでゲームに疎かったから知らなかったが、ふつう乙女ゲームなるものの主人公、ヒロインは顔を見せないか、見せたとしてのっぺらぼうという。 プレイヤーが自分を投影させやすいように。 一方で俺が一目惚れした彼女は金髪青目の愛らしい令嬢で、ばっちり顔が描かれている。 それでも女性人気が高く、彼女たちが自己投影しやすいのは、十分に女らしくありつつ、どこか凛々しくあり、心の芯の強さがその表情や立ちふるまいに滲みでているからだろう。 あざとくなく、ぶりっ子でもない、たとえ王が相手だろうと媚びないとばかりに毅然としたさまに俺は惚れ惚れ。 時間が許す限り、ゲームに没頭して彼女と愛を育む日々を。 「いやいや、ゲームプレイすると、彼女がほかの男といちゃつくのを見せられて嫉妬しないの?」とツッこまれそうだが、ノー問題。 俺が自分を投影するのはヒロインでなく、攻略対象すべてのイケメンキャラだから。 ヒロインを操作して、自分を投影するイケメンキャラと交流を深めて好感度をあげ、最後には華々しく結婚式をあげてゴールイン。 なんて我ながらややこしいプレイをして自己陶酔を極めていたところ。 ゲームがアップデートされて悪役令息なるキャラが新たに投入。 おかげで炎上しったらしいものを、もともとゲームに疎かったのと、ネタバレを目にしたくなく、ネットの情報を見ないようにしていたに、その騒ぎについて露知らず、いつもどおりプレイ。 新キャラの悪役令息、グリエはショタキャラで、ヒロインと同い年の一七才なれど、見た目は十二、三才。 黒目黒髪の美少年ながらに目の下にどす黒いクマをこさえ、死んだ魚のような目をし、表情が陰鬱なら、性格も陰湿でかなりのメンヘラ。 「悪役」といってもメンヘラとあり、真っ向から喧嘩をふっかけず、陰謀を企てるでもなく、ヒロインが自分の意に沿わないことをすると「悲しすぎてぼく、そこの川に飛びこんでしまいたい・・」と自傷に走るふりをして脅してくる。 慌てて止めようとして従っているうちに、攻略したいキャラと引き剥がされてしまうわけだ。 ただ、いつ起きてもおかしくない、今、目を覚ましたら暴れられて、最悪、逃げられるかもと緊張して、震える手をグリエの下半身へ。 おそるおそるズボンのもっこりを撫であげれば「はあぅ・・♡んんふっ♡」としどけなく悶えながらも、瞼をあげず。 男同士は未経験の俺にして上々の反応を引きだすことができ、すこしすりすりしただけで「あはあぁんっ・・♡♡」と射精。 やや冷静になって「まかさ精通しているよな?」と今さら、性犯罪者になったような疚しい心持ちになるも、彼女の命がかかっているとなれば、あとには引けず。 「グリエに彼女を重ねて見るんだ!彼女を愛するように抱くんだ!」とこれでもかと自分に暗示をかけて、愛撫を再開。 シャツのボタンを外して露にした女性のように白い肌、ぷっくりした薄紅の乳首がこれまた幼さが際立って、劣情を掻き立てるようなれど「ジュリアナの豊満な胸だと思うんだ!」と自分を叱咤して乳首をいじりながら、ズボン越しに扱く。 肌に直に触ったからか、胸の感度がいいのか「はうぅ、はあんっ♡んふっ、あっ、ああぁ♡」と見ているほうが恥ずかしくなるほど、あられもない痴態を晒してヨがりまくり。 そういう趣味でない俺でも悶々としてきて「いやいや!ジュリアナ!あくまで彼女を重ねて欲情してのことだから!」とだれにともなく、言い訳をするも、舌をだして物欲しそうにちろちろ動かしているのを目にしたなら、つい喉を鳴らして口づけ。 狭い口内を舐めまわすのに夢中になり、興奮するまま愛撫を盛んにすれば、すっかり濡れたズボンから耳にくすぐったいような水音。 にゅちゅにゅっちゅにゅちゅぅっ!と水音がたつように扱くと、恥ずかしいのか、いやいやとばかりに顔をふり、そのくせ積極的に自ら絡めてきたに、それを強くに吸って、乳首を爪で弾き、先っぽに指を押しこみぐりぐりしたら「んむううぅっっ♡♡」とまた、すぐに射精。

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