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自分の気持ち7

 日光へ行ってから5日後、仕事を終えて家に帰ると玄関や、リビングダイニングの電気はついているのに千景の姿はどこにもなかった。それどころか甘い花の香りがしてくる。これは千景のフェロモンだ。ヒートになったのか。  とりあえずスーツを脱いで部屋着に着替えると千景の部屋へ行く。日光からの帰り道で鍵は閉めなくていいと言ったけれど開いているだろうか。ドアノブを回すとドアは開いた。  部屋の中は電気が消えていて、灯となるものはカーテンの開いている窓から差し込む月明かりだけだった。目を凝らすとベッドに横向きに寝て男根をしごいている千景の姿が見える。 「千景」 「嫌! 見ないで……」 「嫌じゃないだろ。抱くぞ」  千景に触れると驚くほど体が熱かった。ヒート時はこんなに体が熱くなるものなんだな。そんなことを考えながら、こちらへ向かせる。  俺を見上げる瞳は潤んでいて、フェロモンだけでもやられそうなのに、その瞳で我を忘れてしまいそうだ。  千景に口づけを落とし、乳首を右手で愛撫する。少し力を入れてつまんでやると、千景は甘い声をあげた。 「はぁん……」  そして甘い声をあげるとフェロモンはさらに濃厚になる。ダメだ。もう我慢できない。  乳首を口に含み、じゅるじゅると乳首を吸いながら手は後孔の周りをなぞると、そこはすでに濡れていて指はすんなりと一本飲み込んだ。  普段ならろくに愛撫もせずに指を入れるなんてしないけれど、今は千景のフェロモンにあてられて余裕がない。ほんとならこのまま自身をぶち込みたいところだ。  でも、千景にそんなことはしたくなくて、指を入れて慣らす。指をゆっくりと抽挿する。顔を見ると快感にとろけた表情をしていて、嫌な顔はしていない。  そして俺は抽挿を繰り返しながら千景のいいところを探す。そしてある一点に指が触れた途端、千景の体が大きくびくんと跳ねる。 「ここか?」 「ダメ、ダメぇ。おかしくなっちゃう」 「ここなんだな」  指でそこを優しく押すと千景の声はさらに大きく、甘くなっていく。 「あ、あぁん……。んぅ。イキたいよぉ」 「イキたいならイけ。何度でもイかせてやるから」 「ん……ん……イク、イク、イっちゃうぅ」  そう言うと千景は白を吐きだした。俺は入れていた指を二本、三本と増やし指をバラバラと動かしながらも千景のいいところに触れる。その度に千景は甘い嬌声をあげ、フェロモンをさらに濃厚にさせる。もう、これ以上は俺が我慢できない。 「入れるぞ」 「ちょうだい。陸さんの、ほしぃ」  熱に浮かされているような状態なのに、俺が誰なのかわかっているのが嬉しかった。  自身を千景の蕾みにあて、ゆっくりと挿入していく。指を三本までしか入れて慣らしていなかったけれど、そこは俺をきちんと迎え入れてくれた。そうしてゆっくりと全部を入れた。 「ん。陸さんの……うれ、し」  そう言って千景は微笑んだ。その顔は嬉しそうだった。  落ち着いた腰をゆっくりと動かすと、中は俺を離さないとでもいうようにうねり、締め付けてくる。クッ。こんなんじゃすぐにこちらがイってしまう。  息をつめながら抽挿を繰り返すと千景の声はさらに甘くなっていく。 「あぁん。イク、イク」 「ああ。イけ」 「イク、イクーっ」  そう言って再び千景は自分の腹を白で汚した。そのあと千景の体を四つん這いにし、さらに深くを突く。そして俺の目の前にはほっそりとした千景の項がある。  噛め――。  その項を噛め――。  本能がそう叫ぶ。けれど、焼け切れそうな理性でそれを堪える。まだだ。今はまだ噛めない。千景の気持ちがわからないし、なにより俺はまだ自分の気持ちに気づいたばかりで和真のことがまだ心に残っているから。だから今はまだ噛んではいけない。  千景の項を噛む代わりに、俺は自分の唇を強く噛む。痛くて血が出そうだけど、そんなことを言っている場合じゃない。今はまだ番えないんだ。  項は噛めないけれど、いくらでも逝かせてやるから、何度でも逝け。 「ダメ。あぁ。またイっちゃうぅ」 「俺も、クッ。限界だ……」  そう言って千景がイったあと、俺も堪えられず精を放った。  

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