1 / 1

第1話

「上の連中には無理難題のノルマを押しつけられるし、それを達成しようとすれば、下の連中に不平不満をぶつけられて抗議されて恨まれるし、あー!中間管理職って辛い! つれてきたこの糞部下もさあ!仕事ができないうえに、根性がひん曲がっているから、ハラスメントで訴えられたくなければ、酒を奢れだとさあ!ひどくないか!?ひどいよなあ!?聖夜ああ!」 こういう場合、冗談と受けとめて「もー勘弁してくださいよ!係長!」とおどけるのが正解なのだろう。 そう頭では分かっていても、発言の一から十まで嘘となれば、なんだか調子を合わせられず。 「このままでは空気が最悪になる・・!」と焦りながら、金魚のように口をぱくぱくさせたら、ふと聖夜が目をあわせて、でもすぐに視線を落とし「それは大変でしたね」と宥めて係長をソファに座らせた。 それから三人で酒を飲んだのだが、聖夜はおっとりとしたそのペースを崩さず、飄々としたまま。 もちろん係長は俺にいやがらせをするためにホストの店につれてきたわけで、聖夜と親密に交流するのを見せつけ、これでもかと疎外感や気まずさを味わわせて、たまに「こいつ社会不適合で、まともに会話できないんだよ!」と急に殴りかかるように暴言を。 対して聖夜は俺を庇うでもなく、悪口に乗っかるでなく、赤ん坊をあやすようにひたすら慰めて、たまに係長の目を盗み、俺に顔をむけて困ったように笑いかけた。 濡れた布がへばりつく感触が意識されて、スーツフェチらしい彼の目に自分がどう写っているのかと想像すると顔から火を噴きそう。 乳首だけを視姦するように粘着質に眺められつづけ、羞恥心を煽られまくった挙げ句に「ああ・・・すばらしい、窮屈なスーツを着て、びんびんに立つ乳首を隠せない黒部さん、すばらしすぎる・・・!」と誉め殺しにされて、濡れた突起を扱かれてはたまったものでない。 いっそ裸で触られるほうがましなほど恥ずかしいし、濡れた布が張りつく突起をいたぶられると感電するように快感が走るし、ただ布越しのせいか、どこかもどかしくあり、がまんができず、聖夜の股間に精液と先走りが染みたズボンをなすりつけてしまうし。 「ああっ、いい、いいよおっ、黒部さぁ、ああぁ・・!」と聖夜が射精しつづけているように喘ぐのにも、精液と先走りが混じってくちゅぬちゅぁぬちぬちぬぷぬぷにちゃにちゃあぁ!とすさまじい水音が立つのにも、耳が犯されるし。 「やあぁ♡聖夜さぁ♡だめっ、だめですぅ♡はひっ、だめぇ、だめええぁ♡」と泣いて顔をふりつつ、腰を密着させてすりすりしている俺は、とんでもなく間ぬけだし。

ともだちにシェアしよう!