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第1話
高校生のころ、べつに将来の夢もなく、漫然と過ごしていた。
柔道部で活躍していたものを「今の時代、柔道家として食っていけなさそうだしなあ」と冷めた思考をしていたし。
が、先輩の誘いでプロの格闘家の試合に観戦しにいき「闘魂注入!」とビンタで吹っとばされたように、すっかり覚醒。
「彼らのように魂と魂をぶつけあうような熱き闘いに身を投じたい!」と奮起して、すぐにでもその世界へとびこみたかったものを「せめて高校卒業を!」と親に泣きつかれて二年後、晴れてジムへと。
入団テストに楽々、合格して「お前は基礎がなっているし、顔もよければ体つきもよくて華がある」とオーナーからは太鼓判。
オーナーをはじめ業界の関係者から期待され、鍛練に打ちこんだのが、二年間、鳴かず飛ばず。
その原因は俺がおおきな勘ちがいをしていたことにある。
「この世界は強ければ認められて、のしあがれるものだ」と。
格闘界は実力主義かと思いきや、案外、そうでもない。
ずば抜けての強さやスター性がある選手を除き、多くの格闘家の能力はどっこいどっこいとあり、そのなかで売れる売れないを分けるのは、パトロンやスポンサーの存在、人脈やコネといった根まわしの巧みさだ。
スター選手になりたいと切望する数多の格闘家がいるなか、まず人の目にとまり、関心を持ってもらわなければ、なにもはじまられない。
試合や大会を企画する人間たちに自分の存在を知ってもらうことが、すでに難しいわけで、プロデビューもできず去っていった選手はどれだけいるやら。
そんな第一段階を突破するには、パトロンやスポンサーの後押しが欠かせず、自ら体を張って営業していく必要があるのだ。
が、「そんなズルをしている暇があったら強くなったほうがいい」と偉そうにほざいて俺は鍛練に没頭。
憧れの格闘家が硬派だったものだら、真似して気取ったのが大まちがい。
ジムに所属してから二年くらい経ったとき、練習で俺に一回も勝ったことがない後輩がプロデューしたことでやっと目が覚めた。
悔しいより「どうして・・・」と呆気にとられたら、無邪気に笑う後輩曰く「俺の親戚、大手の会社経営しているんスよ!で、スポンサーになってくれて、そしたら、すぐにデビューできたんス!」とのこと。
それまで、さんざん「この業界は強さだけで生きのこれないぞ」と忠告されていたのが痛感させられて、硬派ぶっていたのから一転、オーナーに「なんでもしますから!スポンサーやパトロンになってくれそうな人を紹介してください!」と土下座。
オーナーは元世界チャンピオンのいかつい熊のようなハゲ髭だが、お節介でいい人だ。
今まで何回も何回も「企業のお偉いさんが、お前と食事をしたいそうだ」「試合を企画している人と飲みに行かないか」とうまい話を持ってきてくれたというのに。
その厚意を悉く蹴った俺が手のひら返しして泣きついてきても「ざまあ」と嘲笑せず、困り顔。
「お前がぜんぶ断ったせいで、業界ではもちろん、スポンサーやパトロンになってくれる人や企業の間でも評判がわるくなったんだ。
やっとその気になってくれて、ぜひ力を貸してやりたいが、業界の人間はなにを今さらそっぽを向くだろう・・・。
有力なスポンサーや名の知れたパトロンがつけば、関心を持ってくれるだろうとはいえ、断ったところは見向きもしないだろうし、わるいイメージが定着した今、新規の獲得は絶望的だし」
思ったより現状は厳しいようなれど、俺はもう二十才。
スター選手になるには、今デビューしないことには間にあわないし、これ以上、恋人の彼女のヒモでいるわけにもいかない。
「そこをなんとか!ほんと、なんでもしますから!」と命乞いするような気迫で土下座をしたら頭上からため息。
胸が冷えたものの「一人だけ、見こみのある人物がいるが・・・」と希望を持てそうな一言が。
思わず顔をあげるも、オーナーは渋面のまま「なんでもするんだな?」と念押し。
この場において「彼女」と口にするのはタブーかと思いきや、頬を上気させる彼は笑みを絶やさず、さきっよりもっこりがサイズアップ。
どうせ顔を背けられないのだから「許してえっっ♡」と目で訴えるも「許してあげません。ほら彼女以外の人間にイキ顔見せつけなさい」と冷ややかに見つめかえされ「はぐぅ♡んふうぅ♡あぅああくうぅ♡♡」ととうとう射精。
快感に痺れるあまり倒れそうになったのを、どうにか堪え、命令に忠実に恥ずかしさを飲んで、霞む視界に彼をとらえつづける。
余韻に震えながら「だめだ・・・やっぱりこれも、十分に浮気だ・・・」と後悔するも、のんびりと感傷に浸らせてはくれず、おそらく新しいナオホを突っこまれて「や、やめえぇ♡イった、ばっかでぇ♡んはあぁ♡ああうっっ♡」と大人のおもちゃを使った拷問のようないたずらは継続。
何回も何回も絶頂に叩きあげられ、さぞ、はしたないだろうヨがりようやイキ顔を彼に鑑賞されつづけるなんて、しかも顔を逸らすのも目を瞑るのも許されないなんて、死んだほうがましなほど恥ずかしい。
それでいて彼女とのセックスではとても得られない快感に体は酔いしれ「ああ、大人のおもちゃでいたずらされて淫らに躍動する肉体もすばらしい!」と彼の輝く目が誉めてくるのによろこんでいるようで「ああぁん♡そんな目でぇ、見ないでえっ♡♡ずっと、イっちゃうからあぁ♡」と際限なく射精しそう。
さらに辛いのは吸引器が装着されたままの乳首が限界まで膨れあがり、放っておかれていること。
無遠慮にナオホで扱かれて過剰な快感を噛みしめている分、余計に乳首の放置が耐えがたいし、手錠で拘束されて自分では触れないから「お願ああ♡乳首、めちゃくちゃ、掻きむしってええ♡」と涙目でおねだりしてしまう。
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