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第1話        

今は夏。蝉が鳴き、日が照る時期。俺の愛しい人が亡くなった季節。  嫌な蝉の鳴き声が部屋に響いて生きるのも嫌になってくる。あの夏の日に出会ってなければこう思うこともなかったのかなぁ。普通に暮らして普通に死んでく。俺と出会ったからあぁいうことになってしまったんじゃないかって。 思いたくなくても一日中思ってしまって考えれば考えるほど虚しくなるのに、思ってももう戻ってこないのに。俺だけが取り残されてしまったことが嫌なのに。

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