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1)初めてふたりで。

その日はいつもと変わらない土曜日の朝だった。 僕、茂は自分の部屋で目覚め、天井のシミをぼんやり見つめながら、胸の奥でざわつく焦燥感を抑えきれなかった。18歳になっても、女性とセックスする機会なんて皆無だ。勇気を出して女の子に話しかけることさえできない。いつもはエロ動画を見ながらオナニーで欲を紛らわせていたが、最近はその刺激すら色褪せて感じる。画面越しの快感では、もう埋められない空虚があった。 「本物ってどうなんだろか…」 そんな思いが頭をよぎり、胸が締め付けられるようにドキドキした。ベッドから起き上がり、窓の外を眺めても、曇った空は僕の心を映しているようだった。予定のない土曜日。どうせなら、友達の悠利とLINEで下ネタでも話して気を紛らわそうか。スマホを手に取り、いつものように彼にメッセージを打ち込んだ。 悠利は僕と同じく内気で、女性との経験がない。それでも、エロ話になると妙に熱が入る奴だ。僕たちはよく、頭の中で描いた妄想を語り合って笑い合っていた。タイミングを計りながら 「なあ、悠利。もしさ、俺たちで…何かリアルなことしてみたら、もっと興奮するんじゃない?」 冗談半分で送ったメッセージだったが、指先が震え、送信ボタンを押した瞬間、喉がカラカラになった。すぐに悠利から返事が来た。 「え、具体的には何?」 その即答に、僕は一瞬たじろいだ。冗談で流されると思っていたのに。心臓がバクバクと鳴り、顔が熱くなるのを感じながら、意を決して本音を打ち明けた。 「例えば…お互いの、アレ、触り合ったりとか?」 送信した瞬間、胃がキリキリした。悠利がどう反応するか、想像するだけで頭がクラクラする。しばらく沈黙が続き、スマホの画面を見つめる手が汗で滑りそうだった。やっと返事が来た。 「……試しにやってみるか?」 その言葉に、頭が真っ白になった。冗談が本気になった瞬間だった。胸の奥で何かが弾け、恐怖と期待が混じった震えが全身を走った。 「マジで?…じゃあ、今日、親がいないからウチ来ない?」 勢いで送った招待に、悠利はあっさり了承した。午後に僕の家に来ることになった瞬間、頭の中はパニック状態だった。冗談のはずが、どうしてこうなったんだ? 昼過ぎ、チャイムが鳴った。ドアを開けると、悠利が少し強張った笑顔で立っていた。 「よ。」 「うん」 言葉は軽いのに、声が微かに震えている。お互い、目を合わせるのが気まずくて、リビングのソファーに座っても無言が続いた。心臓の鼓動が耳元で響き、喉が詰まるような緊張感に耐えきれず、僕は勢いで口を開いた。 「じゃあ…やる?」 悠利が目を丸くした。「え、今すぐ?」 「うん、親が帰ってくる前に済ませないと…」 声が上ずり、顔が熱くなる。悠利はため息をつき、立ち上がった。 「わかったよ。で、服はどうすんの?全部ぬぐ?」 「いや、まぁ下着だけは。。な?」 お互い自分の部屋で服を脱ぎ、パンツ一枚になった。パンツの下ではすでに硬くなり始めているのが自分でもわかった。リビングに戻ると、悠利も同じ状態で、気まずさと興奮が交錯する空気が部屋を満たしていた。 「じゃ、始めるか…」 声が震え、喉が締め付けられる。悠利に近づき、ためらいながら彼のパンツの上からそっとペニスに触れた。指先に伝わる熱と硬さに、頭がクラッとした。悠利も同じように僕に触れてきて、彼の指が震えているのがわかった。まるで電流が走るような感覚に、全身の神経が過敏になった。 「…なんか、めっちゃ変な感じ」 悠利の声も上ずっていて、照れ隠しのように笑った。 「うん、でも…なんかヤバいな」 パンツの上からお互いを撫でる感触は、想像以上に生々しかった。布越しでも、悠利のペニスの脈動と熱が手に伝わり、僕の心臓は破裂しそうだった。でも、緊張が強すぎて、頭が真っ白のまま進まない。 「パンツ、脱いだ方がいいか…?」 悠利の提案に、僕はゴクリと唾を飲み込んだ。 「うん、直接の方が…多分、もっと…」 言葉にならないまま、僕たちはパンツを脱ぎ、全裸で向き合った。悠利のペニスが目の前にあり、僕のものも彼の視線に晒されている。羞恥と興奮で頭が沸騰しそうだった。僕は震える手で悠利のペニスを握った。温かく、滑らかな皮膚の感触。脈打つ硬さと、ほのかに湿った質感が指に絡みつき、まるで自分のものとは違う生き物のような生々しさに息が止まりそうだった。悠利も僕のを握り返し、彼の手のひらの熱とわずかな汗が、僕のペニスを包み込む。ゾクゾクするような快感が背筋を駆け上がり、膝が震えた。 「…なんか、変な感じ…」 悠利の声は掠れ、目が潤んでいるように見えた。 「うん、でも…めっちゃドキドキする…」 お互いの手を動かすたび、熱と滑らかさ、微かな脈動が手に伝わり、脳が快感で麻痺しそうだった。緊張がほぐれそうで、ほぐれない。下腹部の熱は溜まっていくのに、でも、射精にはまだ遠い。頭のどこかで「これでいいのか?」と冷静な自分が囁くが、感覚に溺れそうになる。 その時、スマホがけたたましく鳴った。母親からの着信だった。 「もしもし?…え、お母さん、今から帰る?…わ、わかった、すぐ片付ける!」 電話を切ると、悠利と目が合った。二人とも青ざめていた。 「ごめん。。」 「うん…」 急いで服を着直し、リビングを片付けた。心臓はまだバクバクしていて、頭はさっきの感触でいっぱいだった。 「なんか…うまくいかなかったな」 僕が言うと、悠利はニヤッと笑った。 「でも、ちょっとドキドキして気持ちよかったろ?また続きする?」 「…うん。。。」 悠利が帰った後、僕は一人で風呂に入った。湯船に浸かりながら、さっきの感触が脳裏に蘇る。悠利のペニスの温かさ、滑らかな肌の質感、脈打つ硬さ。それを思い出すだけで、下腹部が熱くなり、ペニスが瞬時に硬くなった。 「なんだ。やっぱり出来るんじゃん。。。」 シャワーを浴びながら、僕はオナニーを始めた。悠利の手の感触を想像しながら、激しく手を動かした。快感が全身を駆け巡り、頭の中が真っ白になる。 「はっ…イク…!」 洗い場に白濁液が飛び散り、膝がガクガクした。 満足感と同時に、さっきの不完全燃焼が新たな欲を生んだ。 「次は。。絶対二人で、、一緒に。。な。」と体を洗った僕は、一人で呟いた。

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