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第30話 イッて、イッて、死んでしまう
ハアハア息を切らせる冷司に、光輝が身を起こして彼の顔を見る。
「大丈夫か?冷司」
冷司はヒイヒイ息を鳴らし、涙をボロボロこぼしている。
真っ赤でグチャグチャの酷い顔に、笑って横からタオルを取り汗を拭いてやる。
「あーーー、凄かったなあ。
はあーーー、やっぱり受ける方はきついかー」
ガチガチに固まった身体を撫でながら、申し訳ないような気分になる。
冷司はシーツを握りしめ、肩で息をして、快感どころじゃなさそうだ。
「ひい、ひい、ひい、ご、はあ、はあ、はあ、めん、はあ、はあ、はあ、」
冷司の腰を引き寄せ、光輝が抱きしめると、彼の肌の温かさを感じて、ようやく硬直していた身体が解けてくる。
「座ろっか」
「ん、はあはあ、うん」
震える手で抱き返すと、光輝が抱き上げ、ゆっくり起こして繋がったまま膝の上に座らせた。
「はあはあ、い、ひぃ!!……はあ、はあ、」
冷司の身体がビクビク痙攣する。
「どした?気分悪い?」
「はあ、はあ、はあ、ふ、深っ……い!んあっ!ひいぃっ!!」
奥の何かいいところに当たって、アナルがビクビク締まる。
「ははっ、そっか、深いか。
どうだった?気持ち悪いだけ?」
冷司が膝を立てて、抜けないようにお尻を密着させ、大きく息を付いてもたれてくる。
「き……もち、良かった。ビックリした。はあはあ、く、クセに、なり、そ……」
「そうか、良かった〜」
はあ、はあ、はあ、
冷司の呼吸が落ち着いてくる。
もう少し、もう少し、落ち着いてから。
「もっと、もっとーって、言わないの?フフッ」
「ふう、ふう、んー、ふふっ、だって」
「だって、何?」
冷司が光輝の首に手を回して笑ってのけぞり、何度か自分で出し入れしてグイグイと腰を押し付ける。
ああ、凄い、凄い、まだ光輝は堅さを失ってない。
ああ、座ると違った感覚が、お腹の中で快感が渦巻いて身体中ゾクゾクする。
はあはあ息を切らせながら、満たされた気分で目を閉じる。
やっと、やっと、僕は、 ああ、僕は、コウと、ちゃんとセックス出来た。
僕は、もっと、もっと一晩中、抱き合って、そして朝を迎えたい。
もっと、もっとしたいんだ。
「あっ、ぁはあ、はあ、ねえ、ああ、だって、ああ!気持ちいい。気持ちいい!!気持ちいいよお」
「冷司、冷司、ああ、冷司」
光輝がグイと彼の身体を引いて胸元に頬を寄せ、そして抱きしめる。
「コウ、光輝、ああ、愛してる」
ああ、冷司、キスしたい。
やっと、やっとお前と1つになれた。
お前の中は、なんて温かいんだろう。
溶けてしまいそうだ。
「ああ……冷司、好きだ。お前の全部が好きだ。
愛してる。ああ、どうしよう、お前をグチャグチャにしたくなる」
「コウ……」
光輝がゆっくりと冷司をベッドに横にして、見つめ合う。
冷司のうるんだ瞳が良く見えなくて、もどかしくて光輝が灯りのリモコンに眼が行く。
「冷司、ごめん」
リモコンを取り、部屋の電気をパッと明るくする。
冷司が驚いてアッと声を上げ、遮るように顔を隠した。
「いや!いやだよ!電気暗くして!」
「だって、お前の顔がもっと見たいんだ。
もっと、もっと、もだえる姿を見せてくれよ」
「いや、いや、本が見てる、本が!!いやあっ!!恥ずかし……んむぅ」
光輝が冷司の髪を掴み、顔を上げてキスをする。
ちゅっ、くちゅ、ちゅ、「ん、」くちゅ、くちゅ
舌を絡めて、たまらず息継ぎに大きく口を開けた冷司を、犯すように光輝が口中を蹂躙する。
必死で鼻で息する冷司が愛しくて、カッと火が付いた。
ぐちゅぐちゅ、ちゅっ、
「うおぇっ!えっ!うぐうっ!!」
光輝の激しさに、何度も喉を突かれて冷司がえずく。
「ハアッ!ハアッ!ハアッ!ハアッ!コウ……んぐっ!」
ぐちゅ、ちゅっ、ぐちゅ、ぐちゅ、ちゅぅ、ちゅっ
口中を犯しながら、激しく冷司のペニスをまさぐり、片足を上げるとまた抽挿を始める。
パンパンパンパンッ!
「本に、本に見せてやろう。俺達の繋がる姿を」
見上げると、並ぶ本が自分たちを見下ろしている。
その光景にゾクゾクする。寒気が走る。燃え上がる。
「いやっ!いやっ!あっ、あっ見ないで!いやっ!」
「見ろよ、本たち!ほらっ、ほらっ!俺達の!繋がってる部分を!」
グイと冷司の足を持ち上げて上に広げて押し付けると、抽挿する部分を本に見せつける。
「はあっ!はあっ!はあっ!はあっ!こ、コウ、コウ、あ、はあっ!はあっ!
いやっあっあっ、お願い、はあ、はあ、はあ、お願……あっあっあーーー!!」
冷司の身体が羞恥に燃え、右腕で眼を隠して左手で光輝の手を探り身もだえる。
光輝は興奮したまま腰を持ち、激しく打ち込んだ。
「いい、いいよ、冷司!
見たかったんだ、お前のもだえる姿を、もっと。
きれいだ、赤く花が咲いたようなお前がきれいだ」
パンパンパンパンッ!バンッバンッバンッバンッ!!
「でっ、電気……いっ!いっ!ああーー!イイッ!いいよおっ!ひいひい、はあ、はあ、
電気、消し、消してぇ、あっ、あっ、いやあっ!」
何度も打ち付け、グイッと身体を持ち上げると、ドンッドンッ!っと感じる部分に狙って来る。
「ひっ!ひいっ!」
ガクンと冷司の身体が突っ張り、抗うように宙に手を伸ばす。
光輝がその手首を掴むと、もう一方の手も掴んで思うままに腰を使う。
のたうつ冷司に被虐心がかき立てられ、尚更彼の行為は激しさを増した。
「ほら、ほら!ここだろ?ここっ!ここっ!一緒に行こう!一緒に!」
「ひっ!!ひいいぃっ!!こ、コウ!やめっ、ひいっ!イイッ!あっ、イイッ!
いあああっ!!ひいいいいぃぃぃっ!!ヒイヒイヒイヒイ」
激しい快感に、チカチカと閃光が走り身体中が感電したように、ビクンビクンと身体を大きく反らす。
心臓がいっそう激しいドラムを打ち、頭の中まで鼓動の音が鳴り響く。
大きく目を見開き、身体の動きを止めて、光輝にひたすら打ち込まれる。
ヒイヒイと呼吸しながら、呆然と自分たちを囲む本棚を見つめた。
ぐにゃりと、その本が、のぞき込むように見える。
ああ……
沢山の本が、自分たちを視姦している。
見られている。
お父さんが、大切に読んでいた本たちが!
されるがままに翻弄される冷司の、大きく開けた口からよだれがこぼれ、陶酔の中で快楽が大きく広がる。
心臓が限界まで鼓動を打ち、意識が次第に混濁して、快感だけが身体中を満たす。
ガクガクと、動きを止めていた両足が細かく痙攣し、足の指先まで広げて硬直する。
光輝の抽挿は激しく、叩きつけるように腸をこすって突き抜ける。
ああ……死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬ、死ぬよ、死ぬよ、死ぬよ、イって、イって、死んじゃう……
あまりの激しさに、大きく開けた口で、ひゅうひゅう息をする。
アナルの摩擦と腸に響く衝撃と、激しい快感が合わさり、全身を激烈に駆け巡る。
強烈な、初めて経験する快楽と暴力が意識を破裂させて頭が真っ白になって行く。
心臓が、口から飛び出すような脈の速さが、ピークを迎えた。
「ひっひっひっ、はあ、はあ、はあ、んはぁっ!」
「凄い、凄い、冷司、もっともだえて、凄い、はあ、はあ、エロすぎ!エロすぎだよ!
はあ、はあ、はあ、イケッ!イケッ!ほら!ほら!ほらっ!」
パンパンパンパンパンパンパンッパンッパンッ、パンッ
「いっ、いい、いいい、ハッハッ、あ、イイッ!イイイ!!…ひい、ひぃひぃ……
はひっ!んあっ!ヒイッ!ひいいいいぃぃぃっ!!ひい、ひいぃぃ……」
光輝がグッと突き入れて射精すると、冷司は白目を剥いてアゴが上がり、バーンと何かが破裂したように真っ白になって意識が飛んだ。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、
あ、はあ、はあ、冷司、ご、ごめ、
はあ、はあ、はあ、あー、気持ちよかった。
我慢が爆発しちゃったよ」
ペニスをヌルヌルと動かし、結合部のあふれるローションがいやらしくて、見ているとまた硬くなってしまいそうだ。
しかし、アナルがゆるんで冷司がピクリとも動かないことに、光輝はやっと気がついた。
持った手が重さを感じて、ぐにゃりと力をなくしている。
「冷司?」
光輝がその手をグイと引っ張ると、だらりと首がぶら下がった。
「冷司!冷司!冷司!!」
光輝の顔から、ザッと血が下がった。
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