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キッスの日♪
いつものダイニング。
唯希はダイニングテーブルでパソコン作業をしており、時臣はソファに座りAmazonプライムのエクソシストを見ていた。(暇探偵)
唯希もホラーの耐性はあるので、パソコンの上から時々画面を見ながらの作業。
「ディレクターズカット版じゃなくなったんですね、よかった」
つい声を出してしまい、ー見てんのかよーと時臣に笑われた。
「見ちゃいますよ〜、エクソシストは好きな映画ですからね〜」
どうせなら一緒に見ちゃお♪と思ってダイニングを離れ時臣に近づきながら、ふとさっき見たネットの情報を思い出した
『今日はキスの日』
暫くしてないなあ…などと思いながら近づいた時臣の後ろに立ち、今日くらい…ちょっと攻めちゃおうかななどと考えて、ソファに寄って行き時臣の後ろから腕を回し頬を寄せて画面を見る。
「どうした?」
時臣は笑って首に巻きつかれた腕に手を添えて、頬をすりすりした。
「今日何の日か知ってます?」
「今日?5月23日か?なんだろ…語呂合わせもできなそうだし」
唯希は抱きしめた腕に少しだけ力を込めて、合わせていた頬をずらして自分の唇を時臣の頬に当てる。
そうしてからーチュッーと音を立てて唇を離して
「キスの日だそうです」
ふふッと笑ってもう一回ほっぺにちゅ
「へえ、いろんな日があるんだな。まあ今は理由はどうでもいいや。で、唯希 は頬 で満足なん?」
唯希がえ?と言う間に時臣の手が唯希の手首を優しく掴み、立ち上がってソファの背もたれを乗り越えて唯希の前にやってきた。
そして左腕を唯希の腰へと回し、右手で唯希の後頭部に手を当てると
「せっかくのキスの日なら…こう言うのしないと…」
時臣の顔が唯希に寄せられ、唇が重なってくる。
思わず目を瞑りその唇を受け、まさかこんなことになるとは思わなかったものだから舌が迷っていると、それを捉えて時臣の舌が誘うように絡んできた。
時々ちゅ…と音をたてて唇が合わさり、何度も角度を変えてキスをした。
いつも思っていたことが現実になった…ボスの唇柔らかい〜
いつの間にか両手で抱きすくめられて、少し背伸びをしながら、時臣は少し屈みながらキスをする。
「ああ…幸せ」
いつも触らせてもらえない胸板にも手を当てて堪能できている。
ー今日はなあに?何のご褒美?ー
長く唇を合わせ、唯希の腰も蕩けそうになってきた。身体が揺れる。これは震えなの?これからもっと先を期待しちゃってもいいの?
ワクワクした気持ちで身を任せる覚悟をした…
「…き?唯希?起きろ〜」
身体を揺さぶられて、『はえ?』と間の抜けた声で起き上がると、どうやらダイニングで作業中に寝てしまっていたらしい。
とーてーも、いい夢を見ていた。さっきネットで「今日はキスの日」と見て、何となく『ボスとキスするとどんなかな〜』などとポンヤリ考えながら寝入ったらしい。いい夢だったのに〜と思うけど、起こしたのもキスしてた相手だったので、顔を見た瞬間ドキリとした。
「疲れてるか?最近無理させちゃってたからな。何なら帰ってもいいぞ?」
心配そうにそう言って、時臣がコーヒーを入れる作業をしていた。
「あ、私が…」
と立ちあがろうとして
「あわわ!」
と、慌てて椅子へ戻る。
「いいよ、俺がやるから。唯希 も飲むだろ?」
椅子について身体を硬直させている唯希は
「ハイ、スミマセンイタダキマス」
などとロボットのような声を上げながら、夏でも膝に掛けているニットの膝掛けをお腹の上まで掛け直した。
いい夢だった、官能的なキス、扇情的な手の位置、身を任せちゃおうまで思った抱擁…自分にとっては完璧だった。完璧だったがために、唯希もこんなでいてオトコノコ♪
身体に異変が起こっちゃっても仕方がない。
ーわぁわぁ…ひっさし振りだわ…朝だってこんなのない(汗)ー
スカート…しかも今日はあまり外に出ないかな、とミニのフレアを着てきてしまったために、立ち上がったらもろに前が上がってしまう(赤面)女性用下着はこうなってしまうと収められないから…。
今は動けないわ〜と俯きながら耐え、作業すれば治るかなとパソコンのキーを叩き始める。
「無理しなくていいからな」
時臣が唯希のピンクストライプのカップを置いてくれて、その手を見て夢なのに後頭部や腰に残っている手の感触を思い出し、身体の変調はますます荒々しく…。
「ア、アリガトウゴザイマス。チョ、チョトトイレニ」
カタカナにもなっちゃう現状で、もう逃げるしかないわ〜とトイレに避難
「何でカタカナなんだ?」
膝掛けを持ったまま、そろりそろりとトイレに向かう唯希を面白そうに見ながら時臣は再びテレビの前のソファへと戻っていった。
「今度は呪怨でも見ようかな」(呑気探偵)
トイレに座った唯希は、職場では絶対にデキない!と言うことで、昔を色々思い出して
「日本国憲法第一章「天皇」第一条から第八条 第二章「戦争の放棄」第九条 第三s」
こんなことを唱えて一生懸命身体の変調を冷ましていた
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