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4日目〜お粗末〜
ヴェルトがガゼリオに暴力を受けた日の夜の事。
ヴェルトは目を覚ましベッドから身を起こした。
「……ん、ヴェルトさん」
ヴェルトの隣に寝転がっていたカイラは、誰もが安心するような笑みを浮かべた。
「大丈夫ですか?」
その声は聖母を思わせるほど優しい。
ヴェルトは自分の身に何が起こったのかを思い出し「あんな姿、見られたくなかった」と吐き捨てた。
「ヴェルトさん、何があったんですか」
「……もう何も聞かないでって」
「えぇ、ヴェルトさんの口からは訊きませんでした」
カイラが何を言っているのか分からず、ヴェルトはまるで謎かけをされているような気分になった。
「だから、ヴェルトさんの体に訊いたんです」
「僕の体?」
カイラもベッドから半身起こした。
「魔力の残滓です」
「……ザンシ?」
「残りカスって意味です。……ヴェルトさんの全身からバインド。喉にサイレント。そして、腰の部分に浄化魔法の残滓がありました」
全てを言い当てられたヴェルトは「やめて」と静止する。
「これらの魔法から考えるに……ヴェルトさん……その」
「やめてカイラ君、これ以上言わないで」
「ヴェルトさん、暴力を受けたんじゃないですか? 体を縛られて、声を出せないようにされて、浄化魔法で体の中を清められた後に」
「ちが____」
カイラに唇で無理やり黙らされたヴェルトは、何をする事もできず固まった。
「僕からキスするの、2回目ですね」
しばらく沈黙が続いた。
それを重々しい口調で破ったのは、
「夢魔に呪いをかけられるようなカイラ君がさ。なんでそういうところだけ勘が働くんだよ」
泣き言のように呟いたヴェルトだった。
「えへへ。魔法に関して詳しかっただけですよ」
とカイラは無邪気に笑う。
「それともうひとつ。ヴェルトさんには魔法がかけられています」
「もうひとつ」
えぇ。とカイラは頷く。
「夢魔による魔法です。この魔法の助けもあって、ヴェルトさん気持ち良くなってたんでしょうね」
「いやいやいや、別に気持ちよくなってなんかないよ」
「嘘だ」
カイラはヴェルトの腰あたりに手を寄せた。
「……カイラ君? なにしてんの?」
「浄化魔法をかけてるんです……えへへ。僕も無詠唱で魔法使えるんですよ。凄いでしょう」
ヴェルトから禁欲を強いられていたせいで、気持ちが大胆になっている。
「な……なんでそんな事する必要あるのかなぁ」
とヴェルトは顔を引き攣らせる。
「今からヴェルトさんのお尻を触って、嫌な記憶を上書きしてやろうかなと」
カイラ自身の欲望が更に大きくなり、貞操帯いっぱいに満ちてゆく。
「待ってなんでそうなるの、ちょっと、本当に待って!」
「酔っ払って帰ってきた時の仕返しです」
焦りの表情を浮かべるヴェルトを、カイラは更に滅茶苦茶にしてやりたくなった。
「ティニーの事? あれの事なら謝るよ! カイラ君のちんちんの事、物凄くちっちゃくて可愛くて女の子1人も悦ばせられない上に勃起すら満足にできないお粗末ちんちんなんて言ってごめん!」
「そこまでは言われてませんでしたが……ヴェルトさん、そこまで思ってたんですか?」
カイラの声がだんだん冷たくなるのを感じ、ヴェルトは身を震わせた。
「もーあったま来た! どれほど嫌がろうが、やってやりますからね!」
カイラはガゼリオと同じ考えで、『ウォーター』を無詠唱で唱え即席のローションを作り出した。
「やめてカイラ君! その____」
「覚悟ぉ!」
ヴェルトの声を遮り、指1本を一気にヴェルトの下の口へ咥えさせた。
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