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甘くとろけさせて
「そっかぁ……」
レオは話を聞き落胆した。
ガゼリオが話した事は以下の通り。
自分が今着けさせられている物はトレーニング器具でもオナ禁補助グッズでもなく、夢魔の貞操帯だという事。
後15日は外れない事。
上に乗られたり背中から抱き付かれるのがとにかく苦手な事。
本当に話したくない事は隠しながら、ガゼリオは大体の事をレオに告白したのだ。
(最近、やけにガゼリオが色っぽく見えたのはずっと我慢してたからか)
ガゼリオへの想いの変化についてようやく腑に落ちたレオはほっと溜息を吐く。
「じゃあどうする? 気休めにしかならないけど……続き、する?」
「お前がしたいだけだろ」
「でも、お前ももうこのまま引けないだろ」
ガゼリオの返事を待たぬままレオは「サウンドプルーフィング」と唱えた。
すると部屋の天井から床まで全てに青色の光の膜が張られた。
「俺の部屋、壁薄いからさ」
壁にピッタリと寄せられたベッドの上で、レオはガゼリオを捕らえた。
ガゼリオを壁際へ追いやり、ガゼリオの股の間にレオ自身の脚を差し込み逃げられないようにする。
「この体勢は大丈夫か?」
ガゼリオが頷いたのを見てからレオは愛撫を再開した。
体のあちこちに指を這わせたり、何度も口付けを交わしたり。
ガゼリオのうっとりとした表情に「綺麗だ」と本心が漏れる。
「……ん? なんかここ穴空いてる」
ガゼリオの尻に手を回したレオが不思議そうに指を這わせる。
「そこ……その、排泄用の」
「じゃあここから毎日ウンコ出してんのか、へぇ~~」
「言うな恥ずかしい」
雰囲気を踏みにじるような発言にガゼリオはレオをじと目で見つめる。だが、それに気付いていないらしいレオはガゼリオに浄化魔法をかける。
これから何をされるのかを察したガゼリオは身を強張らせた。
「ガゼリオってさ、こっちの経験ある?」
「……一応」
「なら大丈夫だな」
魔法で即席のローションを作り出し、ゆっくりと指を挿入する。
「うっ……」
久しぶりの感覚に身を震わせる。
拙いながらも、ガゼリオを傷付けまいとしているのが伝わる手つき。
「……っ」
善い部分に触れられたガゼリオは小さく唸りレオの体に手を回した。
一方の手で背を撫でられながら、もう一方の手で優しく解される。
「ふっ……はぁ、っ……♡」
「ガゼリオってさ、ほとんど声出さないんだな……でも息遣いエロくて凄く良い。……大丈夫かな? 俺、下手じゃないかな?」
「下手くそだ」
「……やっぱり?」
レオは分かりやすくしょんぼりとする。
「だけど……っ♡ 気持ち良い」
先程とは打って変わりレオは分かりやすく喜んだ。
しばらくレオに身を任せていると、絶頂に達する前の浮遊感を覚え始める。
「イきそう……」
ガゼリオがレオにそう告げると、自分が最も気持ち良いところを少しだけ強く刺激し始めてくれた。
クルクルと撫で回し、トントンと叩き、グリグリと押される。
「あっ……ふぅ、う……っ♡」
レオの大きな体に爪を立てる。
久方ぶりの絶頂の予感に胸が高鳴る。それと比例し体も昂ってゆき……
ガゼリオは静かに気を逸した。
「……もしかして今イった? ナカすげーヒクヒクしてるんだけど」
「うん……イけた……」
自慰のみを封じる呪いの、まさに穴を突いたのだ。他人に触れられると、貞操帯が外れずとも絶頂には達せるらしい。
養父に触れられる時に味わうような嫌悪感は一切無く、体も心も蜂蜜のように甘くとろけた。
「あのさ」
「なに?」
「こんなに優しいもんなんだっけ、セックスって」
「今のはセックスじゃねーよ」
とレオは無邪気に笑って指を抜いた。
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