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第72話 始祖の再来
8ー2 満たされる感覚※
俺は、リュートの熱に浮かされながら自分が魔力切れになった時のことを思い出していた。
そうだ!
俺は、あの時。
魔力切れで身動きできなくなってその場に倒れて。
空が。
青くて。
俺は、無我夢中で俺を抱いて呼吸を荒げているリュートにしがみついた。
俺は、あの時、こいつの名前を呼んだんだ。
こいつの温もりを欲して。
リュートは、俺の中で再び膨張し、俺を抱き締める。
「アンリ、アンリっ!」
リュートは、俺を呼びながら俺の下腹に浮かび上がっているアンギローズの証に触れ、そこに魔力を流し込む。
「ふぁっ!あぁっ、んぅっ!」
俺は、リュートの首に腕を回し、両足を彼の腰に絡める。
もっと!
もっと、欲しい!
俺は、ぎゅっとリュートにすがりつく。
リュートに胎内を擦られ、突かれて俺は、気持ちよさにきょう声を上げた。
「ひぅっ!あぁっ、も、ダメっ!も、おかしくなっちゃうっ!」
リュートは、ぶるっと体を震わせると再び俺の中に迸りを放った。
俺たちは、しばらく荒い呼吸を繰り返していた。
リュートは、俺の乱れた髪をそっと耳にかけるとキスをした。
ちゅ、ちゅっと軽いキスに応えるように俺は、唇を合わせる。
リュートの舌が俺の口中に侵入して、くちゅくちゅっと中を掻き乱した。
気持ちよくて目を閉じてリュートの舌に自分の舌を絡ませる。
リュートは、キスの間もずっと魔力を俺の中へと流し続けた。
魔力が飢えていた俺の体内に巡り、体が熱くなって。
俺が上げた声をリュートが飲み込む。
俺が快楽にもまれてぐったりとしてきたのに気づいてリュートは、唇を離すが名残惜しげに舌先で俺の口許から溢れる唾液を舐めとった。
すでに俺は魔力が満たされていたが、リュートは、俺の中から出ていこうとはしない。
再び、力を取り戻すと俺の中を責めたてる。
「も、らめぇっ!イきたいっ!イかせてっ!」
「もう少し、待ってくれ、アンリ」
リュートが俺のことを抱き上げ膝の上に座らせると下から突き上げる。
「ひゃっ!あぅっ、んっ!らめっ!こんな、深すぎっ!」
リュートは、俺の両足を抱えて俺を貫き続けるとぐっと奥に押し当てた。
「イけっ!アンリ」
「ぁうっ!ぁあっ!」
俺が白濁を放つのと同時にリュートは、俺の中で熱を解放する。
俺は、薄らいでいく意識の中でホゥっと口許を緩ませる。
気持ちいい。
温かくて、心地よくて。
俺は、静かに眠りへと堕ちていった。
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