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第1話

 男から尻へのアプローチ。是枝勇(コノエダ-イサム)はそれを受け入れなければいけない立場にいた。  両親の事故死。勇も一緒にいたと言うのに彼だけが助かった。それから公的な場所で育ち、独り立ちしてからの出来事。 好きな人が出来た、かもしれない。と言うのもあちらからの積極的な接触でそうなのかもと流されていた。 「好きだ」と言われて拒否するのは、相手がよっぽど嫌いな人でなければ「そうなのかな……」と思ってしまうのも事実。 勇は言い寄られて迫られて勢いで一線を越えてしまった。 下半身を剥ぎ取られ股間を露わにするとモノをしごかれながら後ろの穴を解される。 ジェルを塗った指でニュルニュルと尻の中を探られてドクドクするのを間近で見られて恥ずかしくなる。 「ゃっ……やめてっ……」 「なんで? 勇こんなに勃起してるのに……」 「だっ……て。そ……れは理人(リト)がっ……」  俺の中に入ってきてるからっ……!  拡張するために入り込んできている彼の指に翻弄される。  そもそもこんなことになったのは、ある意味嵌められたと言ってもいい。 〇  最初は社員教育のセミナーで同室になった。 出来れば一人部屋が良かったのだが、自分だけ特別扱いしてくれとは到底言えずに彼・飯島理人(イイジマ-リト)と同室になった。 彼は勇よりもずいぶん見た目が可愛らしかった。身長は勇と同じ175㎝くらいなのだが、ふんわりとした髪は優しそうに映り、屈託のない笑顔は異性を瞬時に虜にすることも余裕で出来るだろうと思わせるほどだ。 それに比べて勇はと言えば極めて普通。髪も染めてないし何か特徴があるわけでもないのに彼に懐かれた。それがちょっと優越感を抱かせたのかもしれない。 「一緒に風呂、入ろうぜ」 「いっ……いや。ここそんなに余裕ないしっ」 「大丈夫だって。こうして抱き合えば」 「なっ……何してっ!」  後ろから裸のまま抱き着かれて戸惑っているとお尻にモノを押し付けられる。 他人のモノなんて全然興味なかったから大きいか小さいかなんて分からなかったけど、たぶんソレはデカかったんだと思う。 最初はそんなスキンシップで始まって徐々に慣らされていったと言ってもいい。 裸で抱き合い触られて確認される。元々寂しがり屋だったのもあって嫌じゃなくなるのに時間はかからなかった。そしてそれからの行為は初めてのことばかり。  部屋はシングルベッドがふたつ配置されていて間に小さなヘッドテーブルが置いてあったのだが、日々使うのは片方だけで抱き合って眠った。 知らぬ間に首筋に唇が這い、体を引き寄せられる。季節が春と言うのもあって夜には寒くなるから相手の温もりが心地良かった。 特に素肌のまま抱き合って眠るのを気持ちいいとか思ってしまったのが運の尽き。 風呂に入ってそのままベッドに直行で解される行為を幾度となくされる。 射精するのも相手の手の中で後ろでの気持ち良さも指で教えられた。 そして明日はセミナー最終日となる日。勇は本物の彼を迎え入れて中で出されて引き抜いてもらえなかった。 「り……理人っ。俺もぅ……」 「大丈夫大丈夫。まだ俺三回は出来るから」 「いっ……いや。俺はもぅ」 「三回」 「ぇ……」 「後三回しないと抜かないって言ってんの」 「……」 「三回。三回するから」 「ぅぅぅ……」  覆い被さる形のまま言われてしまっては押し退けるのも出来なくて、結局朝陽が顔を覗かせるまで行為は続いた。 最初はされるまま。次には自らの重みで腹に突き刺さるように彼を受け入れ、後ろから突かれ、また最初に戻る。 その一回一回が長くて泣ながら早く終わってくれと思ったほどだ。 最後にはもう眠っていたかもしれない。ユサユサ揺られる感覚しかなくて、目覚めたら理人がバケツ片手に勇の腹を押していたのだった。 「あ、気が付いた?」 「ぇ……」 「今腹の中に出した汁出してるところだから。にしても勇も何回射精すれば気が済むわけよ。今度は飲ませてくれよ」 「……」  笑顔でそんなことを言われて返す言葉がなかった。 〇  セミナーが終わっても不満を申し立てない限り同室の相手は変わらず社宅への移動となった。 本来寮での生活となるのだが、昨今は家庭用の一般マンションを借りるのが常となっているために皆二・三人同居のシェアハウスのような形での暮らしとなっていた。 その中でも二人は比較的手狭なマンションが割り当てられていた。しかし手狭な分会社には近くて羨ましがられる立地条件の住まいでもある。だから嫌ですとか言う社員はまずいなくて彼らもそうだった。  就業時間が終わると一緒に帰って食事を作り交わる。 部署は違ったが、忙しくない今はそれが毎日可能だった。玄関ドアを開けて中に入るとその場で衣類を脱いで全裸になるように彼に言われる。 渋っていても彼の手によって裸にさせられて風呂場に直行だった。綺麗に磨かれて浣腸・プラグをされると食事が出来るまで床で正座させられる。 食べる前に解放の儀をさせられ、それを披露してからの食事。 食事の間はプラグの代わりにシリコンの男根を挿入させられ全裸での食事。 食事が終わったら男根を入れたまま後片付けをして勃起したところで初めてご褒美として本物を挿入される。 それからが大変で、抜かずの何発かをすべて受け入れて腹をタプつかせながらトイレで決壊させる。そのすべてを見られながらする行為は勇への勃起率も上げていた。 「ほら、やっぱり勇も好き者じゃん?」 「ぅぅぅっ……ぅ」  そんなことはないと言いたいのに言えない。肌の温もりと気持ち良さと慕われている、頼られていると言うどうしようもなさにクラクラする。 そんな気持ちのまま流されて一か月近く経った頃、理人に訪問者が現れた。 「上司の長瀬さん」 「ぁ、初めまして。同居の是枝です」 「良さげだね」 「でしょ?」 「?」 〇 「はっ……はっ……はっ…………ぁんっ! んっ! んっ!」 「どうです? 嵌め男の具合は」 「ああ。いいね……。こんなにすんなりと入るなんて…………。会社でも可能かな……」 「いえ、会社では。あくまでも俺のモノなんで」 「ああ。すまないっ。にしても……いいね…………」 「二回だけですよ?」 「分かってる分かってる」 「うっ……ぅっ……」  男は理人の先輩で、最初からモノにゴムを被せてマンションに来ていた。そして驚いている勇の洋服を剥ぎ取るといきなり突っ込んできたのだった。  どうして⁉ という顔で理人を見ると手を合わせられる。 意味も分からず相手と交わり「射精したから強姦じゃない」と屁理屈まで噛ませられてヘロヘロになるまで付き合わされた。 二回ほど達すると男は帰って行った。 「ごめん。俺ヘマした」 「何を?」 「取引先の見積もり一桁間違えた」 「それはっ……」取り返しが付かないんじゃ……。と言おうとしてこれで帳消しにしたのだと悟った。 「ごめん」 「それで俺とか? 冗談じゃないよ」 「ごめん。でもお前しか差し出すものなくて……」 「でもこれはないっ。俺はお前しか知らないってのにっ」 「だからいいんじゃないか」 「ぇ?」 「無駄に慣れてる奴よりも慣れてないど素人のほうが受けがいい」 「……俺はお前の何なんだよっ!」 「大切な大切な恋人だろ?」 「恋人?」 「ああ。だから俺がピンチの時にはお前が頑張る。お前がピンチの時には」 「理人が……頑張る…………?」 「そう! 今回は俺がピンチだった。すごく助かった。ありがとう」 「俺がピンチの時には……理人が頑張る…………」 「ああ。勇が困った時には俺が頑張る。だから安心して俺と一緒に暮らそう」 「ぁ、ああ。うん…………」  まるで愛の告白でもされたみたいに幸せな気持ちになってしまった勇だが、これから先も勇に困難が起きるよりも理人に困ったことが起きるほうが多かった。 その度に勇は駆り出され彼の尻拭いをすることになっていたのだった。 〇 「ほぉ。これはまた艶肌プリプリじゃないか」 「ありがとうございます」 「彼は?」 「私所有の雌男です」 「いいのかね」 「たまには違うモノも味わう必要があるかと」 「それは心の広いご主人様だ」 「恐れ入ります」 「んっ……んんっ。んっ」  勇は全裸後ろ手で縛られて足枷として片足に鉛の玉が付けられていた。 そして女性用の白いランジェリーとケープが着せられており、まるで初夜のいでたちでもあるかのようだった。 文句を言わないようにか猿轡まで噛まされているのに、それに反応してしまってか、モノからは下着の上からでも分かるような汁を垂れ流していた。 「されているのを見ていくかね?」 「お望みとあれば」 「では、あそこの椅子に腰かけて」 「承知しました」 「ふぅ……ふぅぅっ……ぅ」  見られながら知らない男に抱かれる。 鼻息が荒く、モノから滴る汁も濃くなるのが自分でも分かる。視姦されて喜ぶ教育を受けている。 理人は股間から自分のモノを取り出すとこちらを見ながらひたすらしごいて目を細めている。勇は己が雌男であると自覚させられる瞬間でもあった。  あー、俺ってホントにメス男なんだ……。  気が付いたら社用の雌男になっていた。日々違う男を尻で咥えて、ご褒美として理人のモノを中出ししてもらう。 部署も知らない間に秘書課接待部門に変わっていた。 スーツの下に縛られた肉体で取引先まで出向く。口で奉仕。尻で奉仕して理人の仕事を支える雌男。 誰にも咎められないこの職業は勇に向いているのかもしれない。 終わり 20250716 タイトル「され男」

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